覇王の番人 (下)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062149617

感想・レビュー・書評

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  • 光秀の人間性好きです。これまで信長や秀吉の影になっていて本当の姿を見せてこなかったのは残念です。何が本当なのかもっと知りたいです。

  • 歴史に残る逆賊のイメージの強かった明智光秀のイメージが覆った。こんな説もあるんだと、目から鱗。たしかに、理想を追求している人が成功者とは限らない。誰のため、何のためを思ってやっていることなのか、その結果がどう出ているのか、ということは客観的には驚くほど見えにくいものなのだ。
    本能寺の変というと、なにか信長と光秀が対峙しているシーンを浮かべてしまうが、そんなことはないわけで。そこに秀吉がいて、この3人でやっているような時代に見えてしまうが、それもあり得ないわけで。家康もいれば、そのほかの人もいるんだ。そういう当たり前のことを認識させてくれつつ、時代小説という楽しみだけでなくミステリーとしても楽しめる要素を盛り込んであるので、さすが真保裕一だと思った。

  • 秀吉が後世に残る記録を自分の都合の良いように書き換えていた。
    明智光秀ははめられた。騙された。
    その点は秀吉に負けてたんだな。

    そういうふうに言われてくるようになった。

    私の明智光秀の人物像はこの小説が近いし、結末の流れもそれであってほしい。
    徳川家康の影の支援者みたいな。

    あとがきにあったけど、吉川英治の太閤記のこと言ってるのかな。
    確かに吉川英治は秀吉が好きだったらしく良いように書いていたし、明智光秀の謀反にうつった心理は唐突というか、あまり賢くないようにも思える。
    古い小説だから研究も進んでなかったせい??

    この小説では徹底的に織田信長が嫌なやつ。
    好きじゃないけど、なぜそんな人間になったかの描写もあり、なぜそんな心理をもっているのかがわかるように描写があった方が良かっただろうな。

    秀吉も好感度なし笑
    こういう下から這い上がってきたタイプで欲が強すぎ、がっついてる人物はそのためなら人を騙したりするのもとくいだろうね。

    これから歴史ももっと研究されたら、今までのイメージが覆されるのだろう。

    この小説は、明智光秀の理想の国を目指すまでの心理も何か物足りなかった。心が動かされる感じにならなかった。

    今後、
    明智光秀の見直しを行っている(生き残り、家康支援、その場合最後の死まで)
    光秀以外の心理描写もきちんと入れられている
    戦いの場面も迫力ある
    これらが揃った小説を読んでみたい。
    読者が心を常に動かされるものが読みたい。

  • 信長の天下布武しか戦国時代を終わらせられないと信じ、疑念を抱きながらも役割に徹した光秀。信長の非情さは増していき、自分の身にも危険が。謀反を決心するが、それは細川藤孝と羽柴秀吉が仕組んだものだった。

  • 乱世を静めて天下平定を果たしたのは光秀なり。生真面目さゆえに、苦悩の末の自虐的謀叛が本能寺の変であったという、安易な定説にメスを入れる。

  • 明智光秀、小平太

  • ホントのことは分からないにしても、面白い。明智光秀の見方が変わる。

  •  明智光秀の生涯。 上下で800pと膨大。正直おもしろくなかった。 真保さんにしては語り方がかなり時代劇ぽくよみにくい。なかなか頭に入ってこなかった。一番の山場と思った本能寺の変に行く過程も、よくわからず。それまでいかにも優れた武将として描かれていたのが、本能寺の変後の対応であまりに右往左往している様が、なんとも滑稽。その後実は、生き残って徳川家康のご意見番のお坊さんになったというくだりも笑ってしまった。あれだけ家臣を死なせてしまったら、真っ先にに死ぬでしょ。 いや~、でもよく読んだ。自分をほめたい。

  • 主人公は明智光秀ですが、物語は、明智光秀の配下であった忍びの回想という形が取られていて、たまに幕間として、忍びの存念などが語られています。

    もちろん、忍びの存念というのは、作者の考察のことで、ちゃんと幕間として分けられているので、話がごちゃごちゃせず、物語に没頭することができました。

    自分では朝廷陰謀説が一番真実に近いかなと思っていましたが、この本を読んで、こういうこともありえたな、と思ってしまいました。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-821b.html

  • 下巻でも人の出世や保身の欲望が巻き起こす悲壮感をこれでもかと感じさせられる。しかし光秀ら主人公たちの最後まで色褪せない信念と、爽やかな終わりに救われる。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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