ユーラシアの双子 上 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062152600

作品紹介・あらすじ

自死した娘、病床にある元妻…五十歳で会社を早期退職した石井隆平は決して戻らぬ自分の半生を噛みしめ、ひとりユーラシア大陸横断の旅にでる。逗留先のウラジオストックで自殺を決意し旅をするエリカの存在を偶然知った石井は、彼女の自殺をひき止めようと決意する。止まぬ悔悟と芽生えた微かな希望。列車はシベリアのタイガからバイカル湖を越えモスクワに-。現地完全取材敢行。壮大なスケールの長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • ああ・

  • 紀行小説ですね。

    文中にでてくる腐ったピロシキが想像できすぎる…
    船や列車の閉じこめられた感じが息苦しい。
    ふたりのダジャレ合戦がおもしろかったです。

    どうなっていくのかなー
    エリカを救えるか。

  • ヨーロッパ、行きたい。性描写、エロい。

  • 椎名誠や沢木耕太郎を昔よく読んだ。それは小説というよりも紀行文やエッセイに近く、しかし主人公が歩む旅路を詳細かつ克明に表現する展開の仕方は見事で、ノンフィクションにありがちな抑揚のない緩慢な展開を補填して余るものだった。

    本作もまた、単なる紀行文では当然終わらない。大崎善生独特の言い回しや登場人物の堂々とした存在感は、さすがといったところだ。更に今作では、これまでの大崎作品以上に、詳細な情景描写がなされているように思える。

    紀行を主題とする作品では、経路を示した地図を巻頭に持ってくることがしばしばある。しかし、シベリア鉄道という、例えその存在を知らなくても、誰もが想像に易い移動手段を、まさに『背骨』にすることで、逆に読者の想像力をかき立てている。

    主人公の石井とイエローマン(『ランプコントロール』のグリーンマンを思い出したのは自分だけではないはず)前沢と共に旅をし、葉山エリカを救うという使命を果たす。そんな気分にさせてくれる。

    下巻に向けて唯一気がかりなのは川村紗江との過去の(?)関係だ。モスクワを前にした、シベリア鉄道もいよいよ佳境というタイミングで、これまた大崎作品独特の性描写を滑り込ませる。思わず「やっぱりきたか」と呟いてしまった。同時に、「なにもこのタイミングでなくても」とも思ってしまう。

    この関係が元で香織の精神に恢復し難い傷を負わせたことは間違いないのだろうが、果たしてそのためだけのエピソードなのか。はたまた下巻への伏線か。個人的には後者を期待したい。

    なんにせよ、下巻では上巻以上のドラマが待っているのだろう。早速読み進めようと思う。

  • 言葉が少し、まずくなった。
    話の運びが少し、強引になった。
    そして、ロシアには行きたくないな。
    大崎善生の文章は好きだったのだ。本当に。まだ上巻を読み終えたところなので、今後どういう展開を見せるのかは分からないけれど、やはり彼は少し変わったと思う。私は、昔の大崎善生が好きだった。

  • シベリアから、ひたすら鉄道を乗り継いでリスボンまで。平たくいえば中年版 深夜特急という感じ?
    ひたすら飲んで食べて怠惰な時間を過ごす、というシベリア鉄道がメインの前半ですが、不思議と飽きませんでした。最近忙しいからかな…。

  • ロシアの描写が細かくて,そこも楽しめる

  • (上・下巻 共通)
    「存在という名のダンス」で
    大崎さん どこへいっちゃうんだろう・・・?
    と思ったけど この作品はそれ以前の大崎さんらしい
    悲しみの中にも 再生の光がみいだせるような作品で
    良かったと思います。
    登場する 2組の父・娘の関係を とても羨ましく思いました。

  • 鉄道好き、そして海外旅行が好きな私にとってはとても面白いお話でした。
    私もいつか、シベリア鉄道に乗ってみたいなぁと思っていたけど、想像以上に過酷な旅みたい。
    でも鉄道での旅、憧れる。
    手始めに、いつかシアトルからロスまで鉄道で行ってみようかな。

    果たしてこの作者さん、実際にロシアとかに行ったことあるのかしら。
    外部の情報だけで書いてるとしたらすごいなぁ。
    自分も実際に旅をしているみたいな気分になっちゃった。
    続編も読まなきゃ。

  • さすが好きな作家。
    期待通りです。
    文章が美しいからスラスラ頭に入ります。

    具体の感想は、下巻読んでから。
    今のとこ、いい感じであります。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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