- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062162296
作品紹介・あらすじ
全米大ベストセラー!
感想・レビュー・書評
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201805/
一つの習慣に狙いを定めることで、他の行動もプログラムしなおす、そのような習慣をキーストーン・ハビット(要となる習慣)という。/
戦争が始まって間もなく各地で暴動が起き、死者の数がどんどん増えているころ、米軍の司令官は、兵士やイラク人の間に浸透させて永続的な平和をもたらす「習慣」を探していた。
暴動が起こる前は、たいていイラク人が町の広場などに集まり、数時間のうちにその数が増える。野次馬の他に食べ物を売る行商人なども集まってくる。そこで誰かが石や瓶を投げて大混乱に陥る。
その少佐がクーファの市長に会った時、不可解な提案をした。食べ物売りの行商人を広場から排除できますか?もちろんだと市長は答えた。それから2~3週間たち、クーファの大モスク近くに少数の集団が集まっていた。午後になるとどんどん人が増えていく。怒りのスローガンを叫ぶ人々もいた。イラクの警察は不穏な空気を察し、米軍に出動を要請した。夕暮れになり、群衆は疲れて空腹になり始める。いつもなら広場にたくさんいるケバブ売りを探すが、その日は行政の力によってすべて排除されていた。野次馬は立ち去り、スローガンを叫ぶ人々も元気がなくなる。午後8時になるころには、誰もいなくなっていた。/
ペプソデントが市場を独占するようになると、競合他社の研究員はその理由を見極めようと奮闘した。その結果判明したのは、消費者はペプソデントを使い忘れたとき、口の中がひんやりしないのが物足りなくて、使わなかったことに気づくという点だ。消費者はそのかすかな刺激を期待し、求めたのである。ひりひりしないと、歯がきれいになった気がしないのだ。
クロード・ホプキンスは美しい歯を売ったわけではない。彼が売ったのは感覚だった。ひりひりするような、ひんやりした感覚を人々が求めるようになったからこそ、つまりその感覚を歯がきれいになったことととらえるようになったからこそ、歯磨きは習慣になったのだった。/
基本的な定石を利用すれば、誰でも自分自身の習慣を生み出すことができる。もっと運動がしたのなら、「目が覚めたらすぐにジムに行く」といったきっかけと、「運動後のスムージー」のような報酬を選べばいい。それから、そのスムージーや、体内を駆け巡るエンドルフィンのことを考える。自分に報酬を期待させるのだ。やがてその欲求によって、毎日ジムに行くという行為が楽になるだろう。/
悪い習慣は完全には改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーチンを組み込むべきなのだ。きっかけと報酬がそのままなら、ほぼどんな行動も変えることができる。/
意志力こそが個人の成功に求められる、もっとも重要なキーストーン・ハビットであることは、あらゆる研究で示されている。/
そして意志力を強化し、学生の能力を伸ばすのに一番良い方法は、それを習慣にしてしまうことだ。「とても自制心が強いのに、まったく苦労しているように見えない人がときどきいますが、彼らは無意識のうちにそのような行動をとるようになっているのです」/
子供にピアノのレッスンを受けさせたり、スポーツに参加させたりすることは、とても大切なのです。音楽家に育てるとか、サッカーのスター選手にするためではありません。一日1時間の練習や、グラウンド15周の走りを自分に課すことで、自分をコントロールする筋肉を鍛えるのです。5歳で10分間ボールを追っていられる子供は、6年生になったとき宿題を期限までに終わらせるようになります。/
(スターバックスの)彼らに必要なのは、転換点にぶつかったとき、自制心を容易に働かせるように制度化された習慣だったのだ。/
意志力を発揮できない従業員も、終業時間の大半は問題なく仕事が出来ている。特に変わったことがなければ、他の店員と変わらない仕事ができるのだ。しかし予期していなかったストレスや不安に直面すると、集中力が途切れ、自制心が失われてしまうことがある。例えば客が怒鳴り始めると、普段は穏やかな店員が冷静さを失う。大勢の客がイライラしはじめると、バリスタは追い詰められ、突然、泣きそうになる。
従業員に本当に必要なのは、こうした転換点でどう対処すればいいかを教える、明確な指示だったのだ。/
そこだスターバックスは、社員が難しい状況に直面したときに仕える、社員教育のための新しいマニュアルを作成した。そのマニュアルには、たとえば顧客が怒鳴り始めたとか、支払の列が長くなり過ぎたといった、特定のきっかけにどう対処すればいいかが書かれている。店長は、そのような状況が起きたと仮定して、店員に何度もロールプレイングを指せる。やがて、その対応が自然に、無意識にできるようになる。
そしてスターバックスには、仕事がうまくいったと思える、はっきりとした報酬もあった。それは客からの感謝と、店長からのほめ言葉だ。スターバックスは従業員に、苦しい時の対処法を教えることで、意志力を発揮する習慣のループをつくったのである。/
うちの会社のシステムの一つに、LATTEメソッドというのがある。まずお客様の声に耳を傾ける(listen)、彼らの不満を認める(acknowledge)、問題解決のために行動する(take action)、お客様に感謝する(thank)、そしてなぜその問題が起こったのかを説明する(explain)だ。/
組織内習慣のない組織はない。入念に習慣を創り上げた組織と、習慣が勝手に出来上がり、恐怖やライバル心によって発達した組織とがあるだけだ。
だが、有害な習慣も、好機を逃さないリーダーによって変えられることもある。ときには危機のさなかに正しい習慣が生まれるのだ。/
実際、危機はとても貴重な機会のため、賢明なリーダーは故意に危機感を長引かせる。/
人々の食生活を変えるには、「なじみのないものを、なじみのあるものにする」必要があるということだ。そのためには、日常的になじみのあるもので包み込み、カモフラージュしなければならない。/
新しい曲でも食べ物でも、あるいはベビーベッドでも、覚えておくべきことは同じだ。新しい習慣は、古い習慣でくるんだほうが世間に受け入れてもらいやすくなる。/
習慣を変化するフレームワーク
1.ルーチンを特定する
2.報酬を変えてみる
3.きっかけをみつける
4.計画を立てる -
人間の行動は習慣のみ。習慣の操作しかない。