変愛小説集2

著者 :
制作 : 岸本 佐知子 
  • 講談社
3.74
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本棚登録 : 346
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162456

感想・レビュー・書評

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  • こういう短編集を読むたびに、人間とはどうしようもなくおかしなものに愛を感ずる生き物らしいと感じさせられる。あれやこれや、とにかく『変』な愛を集めた短編小説集である。11編の作品が収められているが、心に響いたのは『ヴードゥー・ハート』(スコット・スナイダー)だ。何故か親しくなった恋人と、突然うまくいかなくなる青年。その青年にに巣食う狂気が次第に表れてくる描写が恐い。でもなぜか、その気持ちが理解できそうな自分は少しおかしいのだろうか?『人類学・その他一〇〇の物語』(ダン・ローズ)もピリッと風刺が効いていて、多少病んでいるようなユーモアがいい。この本のポイントは編者のあとがきだろう。岸本さんのセレクトした気持ちが良く分かる。

  • 見つけた見つけた、第二集。『群像』連載のことは知っていたけれど追跡してなかったので、読むのはこれが初めて、楽しみ。まずは第一集を出してきて並べてみる。カヴァー挿画の凹凸を交互に撫でてみる、本体や見返しや栞紐の色を較べてみる(ついでに、匂いも嗅ぐ)。さて、ゆっくり楽しもう。なのに我慢できず最初の2篇(変)を読んでしまいました。「変度」が更に高まっているかも?やっぱりこれは焦らず枕元に(『彼氏島』に自分が流れ着いた夢とか、見たいしね)。すべては愛、すべては変。そう思えれば、明日も案外笑っていられるかもしれないし。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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