「日銀デフレ」大不況 失格エリートたちが支配する日本の悲劇

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062163941

感想・レビュー・書評

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  • 今、自民党の安倍総裁が公約として訴えているインフレ目標、日銀の国債引き受け、銀行法の改定等がわかりやすく書かれている。日銀が求める強い円へのこだわりを捨て、円安に誘導する事が景気を回復する唯一の方法だと思う。インフレは世代間の格差を是正するはずだし、それを適正にコントロールできるなら正しい方法であると思う。

  • タイトルは編集部でつけたのでしょうか。おどろおどろしいタイトルと表紙ですが、中身はまっとうな一般向け啓蒙書でして、陰謀論や煽りとは無縁であります。
    ブリューニング内閣の金融財政政策など懐かしの歴史の話から、戦後日本の経済史の概略に至るまで、やさしくわかり易く記述されております。
    「産業政策だけでは効かないし、そもそも政府に有望な産業を見極められるわけが無い」「日本銀行の金融政策上の実務的担当能力には全幅の信頼を寄せている」など、印象に残るフレーズも。
    著者はリフレ派と巻末で紹介されておりますが、金融政策の理論的な記述は一般書ゆえか、さらりとしか触れられておりませんでした。
    別途、理論的な書も読んでみたいと思います。

  • 読んだ。

  • 日本の景気が悪い原因はリーマンショックのように語られているが、
    実は、リーマンショックでの先進国の中での被害は日本が一番軽微。

    しかし、日本のGDP減少率は先進国の中で一番大きく、アメリカの2倍強のマイナス成長に陥った。
    その原因は日銀の無為無策によって20年間続くデフレにあり、リーマンショックはそのデフレにとどめを刺したにすぎない。

    実際、デフレから脱却するには、世界の経済学者の常識となっている簡単な手段がある。日銀が大規模な量的緩和を行うこと。
    なのに、何故日銀は思いきった緩和に踏み切らないのか。

    著者は3つの理由を挙げている。
    1、日銀のインフレ恐怖症(インフレつぶしのために早い段階から金融を引き締めることが日銀のスタンスに)
    2、日銀の官僚組織体制(現状維持バイアスをもっているのに政策の重要な決定を任されている点が問題。)
    3、日銀の独立性(財政政策と金融政策をセットで行うのは経済政策の基本なのに、日銀はその基本を積極的に行おうとしない)

    しかし以下を行うことで、日本は復活できる。
    1、インフレ目標を日銀が設定し、長期国債の買い切りオペをして外債を購入する。
    2、政府による政府通貨の発行。
    3、国会議決による第二次「高橋是清」財政の発動

    個人的に印象に残ったのが、
    「日本を救うマニフェストの見つけ方」=経済成長、景気安定、所得再分配に注目。
    ・経済成長について「低成長でも良い、産業政策を持ち出す」政党=論外
    ・政策効果が30兆円に達していること(デフレギャップと同額)
    ・4%以上の経済成長率の達成を明言していること←他の先進諸国達成
    ・数値を出さないor 2%よりも低いインフレ率でデフレ脱却を掲げる政党は×
    ・5%超の失業率を4~3%まで下げられる

  • 1、研究開発投資により新しい知識を作り出す2、市場での競争と新規参入の自由を確保する3、高等教育を拡充する4、金融の発展と労働市場の規制緩和を促す5、マクロ政策により景気を安定させる

  • 以前からの主張のように日銀の国債買い切りを切に主張していた。

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著者プロフィール

早稲田大学政治経済学術院教授.早稲田大学大学院経済学研究科,トロント大学経済学大学院博士課程満期退学.著書に『経済学者たちの闘い』(東洋経済新報社)『危機の経済政策』(日本評論社)などがある.監訳書にマーク・ブライス『「緊縮」という病』(NTT出版)などがある.

「2018年 『ルールなき省察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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