ちひろ 秋の画集

制作 : ちひろ美術館 
  • 講談社
4.23
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本棚登録 : 46
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062164191

作品紹介・あらすじ

ちひろの情感あふれる秋の世界!
季節の移り変わりを静かに見つめ、感じ、描いたちひろの秋の作品を、初公開作品を含め満載しています。

[本書の内容]
秋に遊ぶ子どもたち
実りの秋
秋のファンタジー
秋の旅
ちひろと宮沢賢治の絵本
もの想いのとき

感想・レビュー・書評

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  • ひだまりトマトさんのレビューを拝見して、読んだ一冊です。ありがとうございます。
    『ちひろ秋の画集』ということで、秋が終わる前に読みたいと思い急いで借りてきました。

    「秋に遊ぶ子どもたち」
    透き通ったイチョウやもみじ他の葉っぱと遊ぶ子どもたちがとてもきれいに描かれています。

    「実りの季節」
    ぽってりとした赤い柿の実。緑色や紫色のぶどうがたわわに実り美しいです。

    「秋のファンタジー」
    子どもたちや動物が遊んでいるこっくりとした秋。

    「秋の旅」
    秋に旅するちひろさんの心の風景。

    「ちひろと宮沢賢治の絵本『花の童話集』より」
    私の大好きな画家、いわさきちひろさんと宮沢賢治の関係は今回初めて知りました。
    という訳でちひろさんの文章を以下に全文抜粋させていただきます。

    私が若いときから宮沢賢治を好きだったということは、通じるところがあるからだとそこは自信をもちます。
    …この本は私の大せつな宮沢賢治です。(ちひろ)

    彼の作品が素晴らしすぎて手も足もだせないと思っていたのですが、いまこうして童心社からたのまれてみると描きたい気持ちがむらむらとおきて、そんな謙虚なことはいっていられなくなりました。(ちひろ)

    私の娘時代はずっと戦争のなかでした。
    女学校をでたばかりのころには、それでもまだ絵も描けたし、やさしい美しい色彩がまわりに残っていて、息のつけないような苦しさはなかったのですけれど、それが日一日と暗い、おそろしい世の中に変わっていきました。そんなころに私ははじめて宮沢賢治の作品にふれたのです。

    草がぽしゃぽしゃはえていたり、青いりんごの色に暮れていく山なみ、むこうの丘に黒ぐろと消えのこっている松の群、日本の東北の山野のなつかしい草穂が、私の胸をうってせまり、素晴らしい交響楽のゆたかな音のなかにいる時のように、私にはもう外のものはなにもきこえないような気がしました。(ちひろ)

    「もの想いのとき」
    『枯草と少女』という絵がありますが(1970年)枯れた草さえも美しいちひろさんの優美な世界でした。

    最後にちひろさんの詩を。


    かぜ
    どこから ふくの

    ふゆ
    どこから くるの

    あき
    どこへ いくの (ちひろ)

    • ひだまりトマトさん
      まことさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      仕事柄、帰りが遅いのでコメントを今拝見しました。
      まことさんの本棚は、初めて拝見し...
      まことさん こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      仕事柄、帰りが遅いのでコメントを今拝見しました。
      まことさんの本棚は、初めて拝見したときからとても良い読書をされているなあと感心と尊敬の思いを受けました。ある意味で、いっぺんでファンになりました。読む本は異なるようでも、心温まる作品を選ばれておられるようで、その辺りは共感を感じます。
      ちひろさんの絵はほんとうに優しさと慈しみを感じますね。
      まことさんもちひろさんと宮沢賢治さんを好まれているとのこと。
      心の底から人間愛を感じる作品は、心が震えますね。
      まことさんの感想文は、とても心を打たれます。特に、私には馴染みの薄い詩歌を題材にされておられるのは、私には良い刺激になります。ありがとうございます。
      良い本にめぐりあい、楽しい想いを築きたいものですね。
      これからもよろしくお願いいたします。
      2022/11/17
  • ちひろさんの素敵な画集を見つけてしまいました♪

    息が止まるほど見とれてしまいました。

    かぜ
    どこから ふくの

    ふゆ
    どこから くるの

    あき
    どこへ いくの
    (ちひろ)

    ちひろの情感あふれる秋の世界!
    季節の移り変わりを静かに見つめ、感じ、描いたちひろの秋の作品を、初公開作品を含め満載しています。

    [本書の内容]
    秋に遊ぶ子どもたち
    実りの秋
    秋のファンタジー
    秋の旅
    ちひろと宮沢賢治の絵本
    もの想いのとき

    内容(「BOOK」データベースより)

    ちひろの情感あふれる秋の世界。季節の移り変わりを静かに見つめ、感じ、描いたちひろの秋の作品を、初公開作品を含め満載しています。

  • ちひろさんの「秋の画集」ですね。
    秋の画集は色彩が豊かで、とくにちひろさんは枯れ葉や枯れ草がお好きなようで幻想的に、ファンタジーに描かれています。
    ちひろさんのコメント

    11月になるとある日突然、
    目がさめるように庭が明るくなる。
    銀杏の葉が真黄色になって
    一せいに庭に散り敷くからである。
    それは雪の日の朝の感動に似た、
    秋の日の一ときの
    思いがけないよろこびである。

    こどもたちの夢みるような表情と秋の草花の面影が、しばし時を忘れたかように観いってしまいました。
    宮沢賢治への想いも作品にされています。
    ちひろ美術館学芸員の上島史子さんのコメントに「ちひろは自然の移ろいを見つめ、すくいあげるように絵を描きました。…絵のなかの子どもたちに自分の姿を重ねるとき、その絵はより豊かに季節の情感を語りかけてくるでしょう。」
    ほんとうに心に染み透る深い想いがあふれた作品です。

    • まことさん
      ひだまりトマトさん。こんばんは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      この画集はひだまりトマトさんのレビューを拝見して、図書館で...
      ひだまりトマトさん。こんばんは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      この画集はひだまりトマトさんのレビューを拝見して、図書館で借りました。ありがとうございます!
      私は、いわさきちひろさんが物心ついたときから大好きで、ブクログのアイコンにもずっと使っています。
      ひだまりトマトさんのレビューがあまりに素晴らしく、これ以上のレビューはかけそうもないとは思ったのですが、どうしても読みたくて借りてきました。
      ひだまりトマトさんが引用されているちひろさんの「11月になるとある日突然」ではじまるコメント素敵ですよね!
      実は私も引用したくなりました。
      宮沢賢治もあまりよい読者ではないのですが好きなのでとてもよかったです。
      ご紹介ありがとうございます。
      ひだまりトマトさんは、よく海外のあまり有名ではない作家さんの本をたくさん読んでらしていつも感心しています。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします。
      2022/11/17
  • 見ているだけで心がほっこりやすらげる小さな画集。
    少年と少女をきちんと描き分ける力量がすごい。
    輪郭線のないパステルな絵がとても独特で美しい。
    ぶどうの絵が特に良かったです。

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著者プロフィール

(1918-1974)福井県生まれ。東京で育つ。子どもを生涯のテーマとして描いた。1977年アトリエ兼自宅跡に、ちひろ美術館・東京開館。1997年安曇野ちひろ美術館開館。

「2020年 『ひとりひとり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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