1000ヘクトパスカルの主人公

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 140
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170444

作品紹介・あらすじ

一人暮らしのアパート、コンビニのアルバイトに軽音サークル。特に不自由はなく、不満も無い。就職活動を前に漠然と不安を感じていたからだろうか、大学三年生の城山義元は、空を見上げていた。「もはや上手い下手の次元ではない。奇跡の産物に思えた」物語の後半で、義元は感謝する。仲間に、片思いの相手に。老婆に、主婦に、すべての縁に感謝する。一〇〇〇ヘクトパスカルの空の下、せいいっぱい生きる人たちを描いた、唯一無二の青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 今日買った本。260ページ中160ページ位まで読んだけど、淡々とした文章がとにかく微妙。

    あと100ページ読むかどうかも迷う。ううむ。微妙…。



    結局朝の電車で読んだところ終わり方はまぁまぁ良かった。
    前半から中盤にかけては退屈するけど、ところどころいい言葉は見つけた。

  • 大学三年生の城山義元は、空をながめていた。就職活動を前に、ありあまる時間を無為に過ごしてきた学生生活にほのかな違和感を感じはじめる義元。

  • 怠惰に大学生活を送る義元。空に興味を持つようになり気象予報士の資格をとる。

  •  静岡から東京の大学へ進学した城山義元の自立と成長を描く青春小説。
     10章とエピローグからなる。

         * * * * *

     主人公の義元は、これまで確固たる意志や主張を持たず、場の雰囲気に流されるようにして生きてきた人物です。
     大学生になっても、義元のその姿勢は変わりません。勉強しかり、恋愛しかり、サークル活動や仲間づきあいしかり。
     バンドのメンバーと過ごす自堕落なだけの毎日。アパートの部屋は仲間の溜まり場と化し、勉強はおろか思索さえできない環境。学費や仕送りを振り込んでくれる親への罪悪感すら持たないクズの生活。だから就活の時期にきても腰が定まらないまま。
     だが、友恵やマリーと知り合うことにより、義元は少しずつ自身を見つめるようになり……という展開なのだけれど、そこに違和感を感じました。

     友恵には仄かな恋心を抱いていた義元だけれど、2人の関係が深まることはなかったため、気象や空に対する情熱を持ち続けるだけのモチベーションを義元が維持できるとは思えないのです。
     また、音楽を志す者として、マリーの音楽に対する姿勢のインパクトは小さくはないでしょうが、そもそもスタンスが違うのだから、人生を左右するほどの影響を、義元が受けるとも思えません。

     不器用でおとなしめの若者が、人との出会いによって自身の生きる方向を固めていくという設定は、小野寺文宜作品に似ていますが、本作の方が作りに安易さを感じてしまいます。
     根本的な心のふれあい。描き方が浅かったのではないかと思いました。

  • 主人公は城山義元という大学生。大学3年から4年の2年間を描いている。日常的な大学生活の話が中心で、特に盛り上がるところがあるわけではないが、人との出会いの大切さなど、人生についての示唆が多く、読んでよかったと思える小説であった。
    特に印象に残っているのは、主人公の城山が溜まり場となった自分の部屋で仲間と酒を飲み、だべって無為な時間を過ごしていたことを後悔したのに対して、だべり仲間の一人である後輩の門松が「無意味だなんて言わないでください。あの日々とあの場所があったからこそ、今の僕があります。僕にとってはかけがえのないものなんです」と主張する場面である。過去の選択の積み重ねのうえに今の自分がおり、それぞれの瞬間はかけがえのないものであるということを改めて感じた。
    ただ、途中で挟まれるエピソードの中には、「これなくてもよかったのでは」と思うようなものもあった。

  • 過去の辛かったことや一見謝っていたように思える選択も全部含めて「これでいいのだ」と思える日が、いつか必ず来ると信じてます♪

  • 義元は大学生。ある日、空をなにげなく見上げていると、「いつもここにいますね」と声をかけられる。声をかけてきた友恵は、天気や空のことが好きな女性「天女(てんにょ)」。友恵と話すうちに天気や空に興味を持ち、気象予報士になるための勉強を始めた義元。
    日本独自の四季や梅雨。歴史もちょっと入っているので「歴女」にもオススメ。

  • タイトルが本屋で気になったので写メをしておいたものをブックオフオンラインで手に入れた作品。安藤祐介氏はWikipediaによると公務員だそうです。。ダブルワークの作家が多いのは、著作業だけで食えない作家がいかに多いかの証拠だが、安藤氏もそのうちの一人なのでしょう。
    本作はWOWOWドラマの脚本にでもとりあげられそうな内容で、大学生が社会へと旅立っていくまえまでの、無駄と思われるような日々が無駄なのか意味があるのかという問いに自分なりの答えを得たと思えた一人の青年を描いた作品。さくっと読めるが、中身は薄くなく、考えさせられた作品でした。

  • 何の意思もなく自堕落な生活を送っていた大学生が一人の女の子と出会い、空について関心を持った。そこで天気予想士の勉強をすることから空について写真を取ることに興味を持ち、周りが就活をする中あえて危険な道(写真家を選ぶことになる。)それぞれの登場人物も迷いながら自分の道を決めていき自立していく様子が刻名に描かれて面白かった。

  • 意識して空を見る事って、けっこう大事かもと思った。

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著者プロフィール

安藤祐介
一九七七年生まれ。福岡県出身。二〇〇七年『被取締役新入社員』でTBS・講談社第一回ドラマ原作大賞を受賞。同書は森山未來主演でドラマ化もされ、話題を呼んだ。近著に『本のエンドロール』『六畳間のピアノマン』『就活ザムライの大誤算』などがある。

「2023年 『崖っぷち芸人、会社を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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