- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062175333
作品紹介・あらすじ
まったく宇宙に興味がなかった作家。夢をかなえて旅立つ、同級生の宇宙飛行士。素朴な疑問から取材を重ね、ついには母校に帰って宇宙の「魅力」「生活」「未来」について語り合う。
感想・レビュー・書評
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一応共著ということになっているがほとんど岩崎本。同級生である星出氏との対談を機にJAXAの職員との対談へと発展・・・という構成であるが、働き盛りの同世代が仕事目線で読むと興味深い点多いものの、表題や装丁の雰囲気に惹かれてうっかり少年少女が手に取るときっと???だろうなと思われる・・・
[more]<blockquote>P34 これだけ大きなプロジェクトを束ねる人って言うのは、やっぱり細かいところは技術者に任せている。あがってきたオプションに対して、ゴーかノー・ゴーかを判断する、というのがリーダーの仕事になってくる。
判断を下す側か、指示を出す側かどうかで、ファンクション(職域)は分かれるのかもしれないね。
P103 特に宇宙、しかも有人宇宙開発ではそれをやるしかないんですよね。つまり、簡単な方法は存在しない。めんどくさい方法しかないんですよ。ありとあらゆる事故をひたすら考えて、それに対して準備をするしかない。
P142 「10万円で宇宙いけるよ」ってビジョンの方がみんな「オレもいく」って手を挙げますよね。
P161 ロケットって卵みたいなもんなんですよね。【中略】ロケットは卵で言う殻の部分に人間が乗ったり、荷物を載せているわけなんだけど、それって物理学的に異常なんですよ。そういう乗り物でしか行けない宇宙っていうのは、ひょっとして物理学的な限界があるのかもしれない。
P163 いまのところ、宇宙飛行士については「放射線は大丈夫か」とか、「無重力で骨や筋肉が弱くならないか」とか、医学的に大丈夫かどうかしか考えられてはいない。だけど、そういった哲学や社会科学的に大丈夫なのかっていうことも一緒にやらないと、いわゆる開拓はできないと思うんですよ。
P182 もしでっかいロケットが作れて、でっかい探査機も飛ばせたら、小惑星に行こうという発想は出てこなかったかもしれない。まぁうちゅうなんて4%しかわかってないんですから、いくらでも知恵の出しようがあると。
P186 ルールっていうのは先人が、自分たちが仕事をやる時に「こういうふうにやると一番うまく行く」って作ったものですからね。新しい仕事のためのルールは、それを使っていたら出てこないと思うんです。そのルールの裏にあるメッセージというか概念を理解できた人が、新しいルールを作るんです。
P190 お会いした三人が三人とも、自分たちが宇宙に行くのを全くあきらめていないのです!【中略】逆に言えば、任務に明け暮れて自分の絵を描く暇のない星出たち宇宙飛行士は、後ろにいる人たちの夢をつなぐアンカーマンでしかないのかもしれません。心理的な役割としては、既に逆転してバックヤードになっているようにすら思いました。</blockquote> -
山中さんとの対談が面白かった。
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難しい言葉が多々出てくる印象。
宇宙飛行士だけでなく、それを支える側の人達にも目を向けてる点は非常に良かった。 -
「宇宙っておもしろくない。興味ない。」と思っている「もしドラ」の岩崎夏海さんが、同級生の星出宇宙飛行士をはじめとする何人かと対談して、宇宙がおもしろいかどうか探検するという話。設定がおもしろい。で、結論は・・・読んでのお楽しみ。
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『もしドラ』の作者・岩崎さんと、現役宇宙飛行士・星出さんは、高校の同期生。イマイチ宇宙のおもしろさがわからない岩崎さんが、そのおもしろさを見いだすべく、星出さんはじめ、JAXA勤務の各部署の方々と対談する。
しかして、岩崎さんが「宇宙おもしろい!」と思ったかどうかはさだかでないが、宇宙業界で働く人たちがみんな熱い思いと(目標に近い)夢を持って、それぞれの任務を果たしているということは伝わってきた。
夢を夢で終わらせないぞ、という一直線な人たちが集まった、希望のある業界。みなさんの目に、キラリと輝くものを見た思いがする。