100回目のお引っ越し

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 97
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177450

作品紹介・あらすじ

ひょんなことから、おじさんが営む引っ越し屋の手伝いをすることになったタツル。ところが「野並運送」の記念すべき第100号は、「引っ越したくない」という、頑固おばあさんが相手だった!?「家」にはさまざまな人生がつまっている。名古屋を舞台に、"おおちゃくい子"が奮闘する、あったかストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 100回目の引っこしを手伝うために、さまざまな展開になっていきます。読んでいて、自分もその本の主人公になった気持ちになります。

  • 叔父の引越し業を手伝う小学5年生の少年が主人公。子どもらしい周りが見えていない性格からの成長がリアル。
    著者は名古屋生まれ。地元のお年寄りとの会話に方言が使われているが、あえて名古屋弁にして ( )で説明するまでは必要かな?
    男の子向けYA候補。

  • 引っ越し屋のおじに頼まれて、100回目のお客さんに書類を届ける手伝いを頼まれた樹(たつる・小6)。ところがその家、徳重さんのおばあさんに怒鳴られてしまう。どうやらおばあさんは引っ越しなどしたくないらしい。
    気になった樹は おばあさんの事を調べ、その事情を知る。

    引っ越しは物を運ぶだけじゃない

    今の家に入り切らなくなった幸せを入れる新しい家に、
    幸せになりに、引っ越す

  • 樹(たつる)には、引っ越し屋をしているおじさんがいる。
    おじさんに頼まれて、おじさんが忘れた書類を、お客さんの家に届けた樹だが、
    そこの家のおばあさんに、家に上がるなと叱られた。
    手伝いをしたのに叱られて面白くない樹は、おじさんに謝ってもらいたかった
    けれど、はぐらかされてますます気分が悪い。
    いつもこんな調子のおじさんは、頼りがいがなくて、樹はイライラする。

    どうして依頼されたお客さんに叱られなければならなかったのか、
    樹はもう一度おばあさんの家に、様子を見にもどった。
    人のけはいがして、あわてて隠れた庭から見えたのは、たくさんの家具で
    埋まった薄暗い倉庫のような部屋だった。

    玄関からはおばあさんの大きな声が聞こえた。
    「引っ越し屋なんて、いらんて!」
    古い借家に住むおばあさんを心配して、一緒に住もうと言ってくれる甥に
    なげつけた言葉だった。

    おばあさんの甥の金物屋さんと、偶然話をすることができた樹は、
    同じ”甥”という微妙な立場に共感し、おばあさんの引っ越しをどうしても
    実行してあげたいと思い始めた。

  • 徳重さんのおばあちゃんの気持ちが、なんともなしに伝わってきて、せつない。

  • 引っ越しは、今までの家に幸せが入りきらないから、次の家にもっと幸せになりにいくんだ、というのはいい考え方だと思う

    木の話もいい
    木は動けないから(斬り倒されたりしない限り)そこにとどまって根をはり成長していく
    持っていけない木が、気持ちの支えになったりする。思い入れをもったり、自分の代わりに思えたりする

    樹(たつる)っていい名前だな、と思った
    緑育てたい

  • 主人公のオジサンは、引っ越し屋さん。
    その事務所の壁には、引っ越しした人達の写真が99枚。
    そして、祝100回目を迎える予定が…。

    畳がそんな音を立てるとは、一体どれほど危ない物件なのか。
    そこも気になりますが、出てくる大人達の、何と言うおおらかさ。

    子供の時に憶えがある、素直さと行動。
    今ならば、こんな事ができるでしょうか?
    というよりも、おばあちゃんも着いてきてくれるのがすごい。

    ところでオジサン、お母さんの事…。

  •  名古屋で生まれ育った小6の樹(たつる)。 引っ越し屋をしているおじさんがいる。おじさんの100件目の仕事は、徳重さんというおばあさんの家。ところが、徳重さん本人は引っ越しをいやがっていて…。

  • ボクのおじさんは引っ越し屋。
    記念すべき100回目の仕事は、小さな古い家だったけれど、そこに住んでるおばあさんは、引っ越したくないみたいで…。
    「家」への思い。家族と思い出。
    人のつながりがホンワカあったかくていいですね。
    水面下で動く?恋にニヤリです。

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著者プロフィール

【後藤みわこ・作】  愛知県在住。『ママがこわれた』で第17回福島正実記念SF童話賞大賞受賞。主な著書に『ぼくのプリンときみのチョコ』「ボーイズ・イン・ブラック」シリーズ、『100回目のお引っ越し』(講談社)、『秘密の菜園』(ポプラ社)、「カプリの恋占い」シリーズ(岩崎書店)など。

「2015年 『猫と話す友だち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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