- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062180146
作品紹介・あらすじ
政権交代とは、マニフェストとは何だったのか?政権の中枢で当事者は何を考えたのか?結党から政権運営まで、当事者が内実を赤裸々に語る。後世に残す第一級オーラル・ヒストリー。
感想・レビュー・書評
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中核メンバーのうち8人へのインタビュー。統治機構改革を担った、松井幸治元官房副長官の話が重要。外からは見えなかったが、彼は大きな役割を果たしていた。最初の官房長官だった平野氏の話は聞きたかった。
1.岡田
結局官僚の発想法が抜けてない印象。最初から辺野古しかないと思っていて、勝手に鳩山答弁を修正しては「総理を守るためだ」とか言っちゃう。外相の立場を超えていたのでは。鳩山を見下していたのかも。結果的にこの問題が政権基盤そのものをゆるがしたわけで、そういう視点からの反省があるようには見えない。
2.前原
国交省は政治主導がうまくいったところ。その手法は属人的なのか普遍的なのかはわからないが。
3.北沢
「検証したら辺野古しかないとわかった」うまく取り込まれただけじゃないのか。総理の意向を何だと思っていたのか。
4.片山
政治主導実行のため決済規定変更などいくつもアイデアを披露したけど、それを横展開したのか。まあ党外からの起用ではあまり口を出せなかったのだろうが。
5.菅
このインタビューでは理想の統治機構の話ばかりしている。話をそらされているのか。財務相をやったときに財政破綻しないための消費増税を断行することを植えつけられたようだ。菅は一点突破力はあるが、隙だらけなので、そこを官僚につかれてやりたいようにやられたのだろう。
6.福山
官僚、既得権者に対抗して政策実現するにはマニフェストは絶対必要だったんだろう。マニフェスト出して守れなかったのが、何も出さない(あるいはふわっとした公約を出す)のより批判されるのは確かにおかしい。
7.松井
もと通産官僚。統治機構改革を担った、政権のキーマン。党内であまり関心のなかった(著者はこの無関心が主要な敗因と指摘)政権移行、統治機構プランを中心となって策定。政権交代後、官房副長官に。フルコミットでがんばったが、いかんせん一人では限界があった。内閣人事局を自分をトップに訓令で作ることも考えたが、自分に余裕がなくて断念したことなど。彼のような人があと数人いたら。
規定がなく議事録が残らなかった閣僚委員会。政権交代での連続・不連続の按配。省内周知のため記録を取るのにオフレコにしたがった副大臣会議。安定政権でないと官僚がついてこない。外交安保は従来のレールに乗るのが安全だった。
8.枝野
なぜかポスト近代の話に終始。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意外にもお歴々が率直に反省の弁を述べている。
統治改革の変更を意欲的に進めるが,目的など党内での共有化が図られなかった。
これからの政治課題として,増税や歳出削減など「負の配分」をいかに国民に理解して貰うのかが焦点となろう。 -
赤裸々な内容だった。詳しい感想は、電子書籍版でフルテキストを購入してから書いた方がよいか。