今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀
- 講談社 (2012年10月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062180504
作品紹介・あらすじ
カリスマ的リーダーもエース社員も不要!のべ3万社の経営をサポートしてきた「チームづくり」のプロが語る、史上最高の成果を生み出す「成長法則」。大人気マンガをケーススタディにした、ビジネスにもスポーツにも活かせる「超画期的」組織論。
感想・レビュー・書評
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ジャイキリことGIANT KILLING(ジャイアントキリング)は、かつての名プレイヤーだった監督「達海猛」を主人核に様々な選手たちとおりなす挫折と苦悩、常識破壊と成長に心動かされる超名作サッカー漫画です。サッカー漫画は数多くあれど、選手はもちろん、サポーターや監督目線での長編漫画はジャイキリしかないはず。
・コミュニケーションには×1.1を与える人と×0.9を与える人がいる。良いマネージャーは×1.1が出来ている。
・自己重要感を高める1.1コミュニケーションをとるべき。
・1.1コミュニケーションには声をかける、受け入れる、見ている、意味を与える、相手を認め自分の非を認めることが大切。
・自己重要感を下げる0.9コミュニケーションに気を付けろ
・0.9コミュニケーションは犯人捜しや否定放置、論理のすり替え、マウンティング、自分が主語(相手が主語ではない)
・問いと気づき、アシストのある職場はHAPPY。
・凹凸とアクナレッジ(承認欲求を満たす)。
・組織を混沌に突き落とす「おまえのここが嫌だ」に対して「おまえもな」と切り返すより「あなたのこういうところ素敵!だから見習うね」を返そう。
個人的にはモチベモチベうるさいのが残念でしたが、1.1コミュニケーションと0.9コミュニケーションというワーディングはめちゃくちゃ刺さりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・学級、部活など集団を預かり、それを向上させたい教員
・チームを預かる学年主任や管理職
・集団を統率する役割を任された方
こんな方におすすめできます。
チームづくりの段階を
「フォーミング」「ストーミング」「ノーミング」「トランスフォーミング」の4つに分けて考えています。和訳すると「形成期」「混乱期」「規範期」「変態期」となります。
「チームづくりは常に右肩上がりにはならず、お互いのコミュニケーションが増えるからこそ混乱期をむかえ、パフォーマンスが一度下がる。その後、規範期を呼び込むことで、大金星をあげる変態期に入ることができる。」
この事実を知っていることが集団のリーダーにとって大事だと感じました。混乱期に突入した時に「おもしろくなってきた」と考え、規範期に突入するための策を練ることができます。
それぞれの期に応じた「力」が紹介されていますが私は「凹凸力」が好きです。やはり得意・不得意があるメンバーが集まるからこそ、協力・フォローしあって何かを成し遂げるのが面白い。誰かの凹もあまり気にならなくなります。
気づきやアイディアがどんどん出てきます。自分や自分が預かる集団の状態に応じて何度も読み返すことになりそうです。 -
1.フォーミング(形成期)
・ コミュニケーションの「量」が足りない状態
・ チームできたての状態で方向性がバラバラ
・状況を把握できていない
・何をするか理解していない
・緊張する
・ お互い様子見 になりやすい
・らちがあかなかったりして、 声が大きい人が意見を言い出す
・リーダーや声の大きい人の指示を待ちがち
・徐々に 「ここまでなら言っていいかな」という雰囲気 になってくる
2.ストーミング(混乱期)
・コミュニケーションの「質」が低い状態
・各自やりたいようにやる
・衝突、対立が起こり、感情もネガティブになる
・ パフォーマンスが下がる
3.ノーミング(規範期)
・よくある 良いチーム はここであることが多い
・コミュニケーションが取れていて、成果が出始める
・小さな成功体験を重ねて、 自分たちのルールが形成 されていく
・役割が明確に なってくる
・お互いに何をするのか理解できている
・共通言語が決まったりする
4.トランスフォーミング(変態期)
・パフォーマンスが高い
・さらに高いレベルを目指して、チーム一丸になっている状態
・阿吽の呼吸 で動ける
・スラムダンクの山王戦のように無言で進んでいくような感じ
・相手の状況で自分の動きが勝手に決まってる感じ
・F1のピット作業を例にされてました -
サッカーではなく、野球で育った私。
初めて、海外で観戦したオランダ、エールディビジで
サッカーも大好きになりました。
子供が生まれ、育てていく中で
サッカーのチームビルディング、コーチングが
子育てに役立つのでは?と思っていました。
でも、それを言葉に表現することができませんでした。
本書は、サッカー漫画「ジャイアントキリング」のストーリー、セリフから
チームビルディングを示している本。
ジャイアントキリングを知らない人でも、
ジャイアントキリングを知ってる人でも、
すーっと入っていく内容です。
ジャイアントキリングが好きだったので、フロー状態で
あっという間に読めました。
自分の体質、チームをまとめるために必要な力。
家族も一つのチームなので
ちょっと家族の中で取り入れてみようかなと思いました。
著者の方は、現在横浜Fマリノスのスタッフとしても活躍中。
ぜひ一度お話してみたいなぁと思いました。
今年のイチオシです。 -
漫画を読んでから読み始めればよかったかな
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サッカーに詳しくない人でも、社会人になって組織体制の変更に戸惑う人、チームがうまく機能していないと感じる人は読んでみると良いと思った。
本書は組織が成長するステップを、フォーミング(組織化)→ストーミング(混乱期)→ノーミング(新しい規範のインストール)→トランスフォーミング(変態)としている。重要なのは、組織の成長のためには、ストーミングが必須であることだ。なぜなら、外部環境は変化し続けるのに対して、フォーミングで現状維持をすれば、適切に環境対応ができず、組織は衰退してしまうからだ。そのため、更なる成長には、あえてストーミング(混乱期)に突入し、メンバー間の対立・衝突を浮き彫りにしなくてはならない。
個人的に組織体制の変化が激しい会社に属しており、柔軟に変化するKPIに戸惑っていたが、経営層がトランスフォーミング(高成長を持続的に出せる状態)にするために、現状打破のためにストーミング(対立・衝突を促すフェーズ)へ移行しているのだと理解した。
よくリーダーシップとメンバーシップは両輪であると言われている。つまり、トップからの上意下達なコミュニケーションだけでは現場まで戦略・理念は浸透せず、ボトムアップからキャッチアップすることが肝要であるということだ。頭では理解していても納得感がなかったが、今の会社のフェーズと照らしながら読んでいくと、経営層が組織体制の変更を決断した背景をより理解することができた。
リーダーではなくメンバーの視点でも、自組織がどのフェーズにいるのか?次はどんな成長フェーズが待っているのか?をワクワクしながら読んでみてほしい -
参考図書
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自分以外の誰かと何かをするときにはいつでもどこでも使えるメソッドが盛り込まれている。
自身は組織のチーム作りをする上での参考図書として活用したが、メンバーとして自分がどの立ち位置・役割をになっているかを客観視することもできそう。
チーム作りという観点では、家族の役割分担でも活用できそう。
とはいえ、相手を引きつけるための要素は理解したものの、それをどう生み出すかは難易度が高い。 -
<何についての本か>
タックマンモデルをベースにチームビルディングの手法を解説している本。
チームビルディングには4つのフェーズが存在する。
①フォーミング
②ストーミング
③ノーミング
④パフォーミング
日本人は摩擦を避けるため、フォーミングどまりのグループでまとまる傾向があるが、チームとして機能するにはストーミング(混乱期)を超える必要がある。
<誰に対して書いている本か>
管理職、PM、研修講師、ワークショップデザイナーなど、人工的に組織をチーム化させる役割の人間に向けていると思われる。
<この本を読むことで何に役立つか>
経験や感覚に頼ってチームビルディングを行っているが、再現性が低かったり完成度が低いことで行き詰っている状況の打開策を生み出せるかもしれない。
<アンダーライン>
目標には三段階あるという考え方は非常に参考になった。
成功する研修は行動目標まで考えられている。
・理念
・数値目標
・行動目標 -
メソッドとしてはとてもいいけれど、じゃあこれを、どう実現するか。
これを経営陣に入れるのが、難しい。