京都西陣シェアハウス ~憎まれ天使・有村志穂~

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186056

作品紹介・あらすじ

「また、ごまかして生きている?」

なぜだろう
憎まれ口に胸が熱くなる。

女子大生のお節介が
崖っぷち住人たちに起こす奇跡!

死亡事故を起こした元自動車セールスマン、不倫相手のために犯罪に走ろうとするOL、過去の恋愛を40年間妻に隠し続ける老人。京都西陣のシェアハウスには悩み多き住人たちが住んでいた。触れて欲しくはない彼らの内面にどんどん踏み込み、憎まれ口を叩く隣人・有村志穂。このお節介が本人たちも気付かなかった謎を解きあかす。ところが志穂にも言えない何かが……。
“感動”の名手・鏑木蓮の人情ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 京都西陣のシェアハウスには、就職試験に落ち続けている女子大生と元自動車セールスマン家族とOLに老夫婦という4組が、住んでいる。

    この女子大生が、とにかく首を突っ込んでくる。
    図々しくてお節介で、こっそり人をつけ回し過去を探ってくる。
    もう、いい加減にしてくれ…と言いたくなるほどで。
    放っておいてほしいのに…とうんざりするのだが。

    何故か、彼女が関わることによって過去のしがらみや悩みがスッキリと解決していくのだ。
    このお節介が、良い方に変わっていくのだから不思議で仕方ない。
    みんなに疎まれても挫けずに自分の意見をはっきり言うこの女子大生の根性は半端ないなぁとこちらまで苦笑いになった。

  • うーん…実質☆2.5かな。
    京町家、昔機場だった家をシェアして住む4世帯。交通事故で精神を病んだ男性一家、上司と不倫をし会社の悪事に手を染めようとしている女性、昔の恋を忘れられない男性夫婦。そして77回就職試験に落ちた女子大生・有村志穂。志穂が他の3人の真実を追求してゆく話。
    話の内容云々よりも!とにかく志穂がデリカシーに欠け、不快以外の何者でもない。お話の中だから最後は円満解決となっているが、実際にこんな子いたら家族は崩壊、関わられた人も病んでしまうと思う。その人を前向きにさせるためとは言え、あまりにもずけずけと物を言い、人のプライバシーを侵害しすぎる。私は全く好きになれなかった。
    京都のシェアハウスの話しだし、鏑木さんだし、なんだか良さそう~と思って読んだが…失敗でした。

  • ものすごい癖の強い主人公。
    プロローグを読んだ瞬間に、この本を最後まで読めないかもしれない。。。と思ってほど、クセが強い。
    実際にこんな子が近くにいたら、自分は逃げると思う(笑)

    でも、読み進めていくうちに、そのクセに慣れてきて、最後は、そのクセの理由を知ると、やたらに共感してしまった(笑)

    しかし。。。
    この主人公は、クセが強いだけではなく、頭が良い。
    ほんとうに頭が切れるし、推察力がある。
    ほんとうなら、あの職種、あっているんだろうなー。。口を出さなければ(笑)

    個人的に驚いたのは。。
    第一話 泣いた雛人形
    第二話 でんでん虫
    第三話 ムーライト・セレナーデ
    この三つの話の中に、自分に関係したものたちが散りばめられていたこと。
    それに気づくたびに、読むのが一瞬苦しくなったが、読み終わってみると、その苦しさは無くなった。

    書籍の中の言葉を使えば「いい馬は自分の後ろの草は食べない」を実践できたのかもしれない。
    自分がいい馬。なのであればの話だが(笑)

    心理学的な要素も多分にちりばめた作品なので、心理学に興味がある方なら、面白く読めるかと思います。
    ただし。。主人公のクセに勝てれば。。ですが(笑)

  • シェアハウスに住んでいるのだから、多少のおせっかいは納得済みなんだろうとは思うものの、有村志穂のおせっかいにはうんざりしそう。悪気はなさそうなのに他人の領域にズカズカ入り込んでくる、なのに最後はなんとなくいい関係になれるって不思議。
    彼女と関わることでスッキリできることがあるってことか。

  • 京都西陣のシェアハウスに住む女子大生、有村志穂。

    志穂は何の目的か、シェアハウスの住人の悩みを探り、口を出し、お節介をする。
    うとましく思う住人に構わずにこれでもかと他人の生活に入り込んでいく憎まれ天使!?

    結局は志穂の無遠慮な介入で、問題の解決の糸口を見出す住人。

    いい話なような、嫌な話なような。
    志穂の図々しさに何となく引いてしまうのは私だけ(笑)??

  • タイトル通り、本当に現実世界にこんな人いたらめちゃくちゃ嫌だと思うくらい(笑)まさに絵に描いたような「憎まれ天使」の有村志穂。とにかく住人の触れられたくない過去にズケズケと突っ込んできて途中何回か読んでる自分もイライラするくらいの人物(笑)。でも最後はある意味現実を受け入れ吹っ切れて(?)一応前に進めるようになる、という何とも言えないけれどもとても読みやすい一冊だった。

    最後の最後に全ての伏線回収がされていて、全員が繋がって何となくスッキリできてよかった。

  • 京都の西陣という、織りで有名な街にある、「機場」という長屋の中の一つ屋根の下の人間模様を描いた物語。

    主人公の有村 志穂はタイトルに「憎まれ天使」とあるように、住人に対して、まるで探偵のような、人の弱みにどんどん付け込み、内面を抉り出していくような言動を重ねて、住人の懐にどんどん滑り込んでいく。

    基本ずっと嫌がっている住民も、志穂の行動力や妙な説得力にほだされ、心のうちにあるモヤモヤや問題に対して立ち向かっていく様が痛快である。

    問題解決された住民は、心機一転して新しい場でのチャレンジとともに、「機場」を出ていくが、住民たちを立ち退かせ、新たなマンションを建てるために

    激しい物言いで、77回も就職試験に落ちた志穂を、不動産会社が自社に内定させるために住民に仕向けたことが後になってわかるのも面白い。さらに、その一枚上手をいく志穂。


    最初読み進めていくと、志穂の性格の悪さに非常に嫌悪感を抱くが(ドラマ化したら叩かれる)、章ごとの読後感はなかなか良い。

    登場人物が後になって、友情出演のように出てくるようなスタイルも良かった。

  • ちゃんと目的があってよかった。
    ただ自身の好奇心だけで隣人の問題に首突っ込んでるんだとしたら、どう考えてもイヤな奴。
    わざとなのか?と思えるほどの無遠慮ぶりに正直あまり主人公としての好意は持てなかった。
    最初のおはなしを読み終わってからは、よい結末を期待するのでそこを楽しみに読めたけど。
    でもあれが地なのだとしたら、地元でのいい子評判はどう形成されたものなのか謎。

  • 令和元年11月 図書館

    クセが強い主人公。
    性格の設定に最初は違和感を感じたけど、
    読んでいくうちに気にならなくなった。

    お節介な人が嫌いな人にはなかなか共感してもらえないかな。

  • 就職浪人で77回試験に落ちている有村志穂
    京都西陣のシェアハウスの機屋に住んでいる人と
    もめ事を起こしながらも不思議な付き合いをしている。
    住人を追い出してしまう事になってしまい
    その後…
    読んでのお楽しみ

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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