行人坂の魔物――みずほ銀行とハゲタカ・ファンドに取り憑いた「呪縛」

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187268

作品紹介・あらすじ

「本書は、目黒・行人坂を巡る、際限のない欲望の物語だ」――著者

 目黒・行人坂は、江戸時代に火付けの大罪をおかした「八百屋お七」の井戸があるだけでなく、1772年、明和の大火を引き起こした凶事の地として知られる。この地で発展した目黒雅叙園は、日本を代表する結婚式場として有名だが、戦後、イトマン事件をはじめとする数々の経済事件の舞台となってきた。
 バブル経済の崩壊後、ハゲタカ・ファンド「ローンスター」がこの雅叙園を買収、乗っ取りをはかっている。ハゲタカに踊らされた大手邦銀は、今も「債権飛ばし」を続けている。なぜ、禍禍しいこの土地で、人々は翻弄され続けているのか。日本を代表する経済ジャーナリストが描く傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス読み物として

  • 目黒雅叙園の土地をめぐる巨大貸付と焦げ付き

  • 目黒雅叙園の複雑怪奇な所有権を、歴史とともに解説してくれる/ 許永中やコスモポリタン池田などバブル経済事件史で一躍名を馳せた雅叙園観光との関係も分かりやすい/ 雅叙園の社長からトラック運転手までに転落した創業家一族の人などドラマチックである/ 外資のハゲタカぶりを良く解説されており、みずほ銀行の無法っぷりもなかなかのものだ/ 

  • もっと最近の話中心かと思ったら明治など昔の話が多くてがっかりと読み進めていたら結局はいろんな興味ある会社が出てきて面白かった。

  •  行人坂は、目黒駅から目黒川に向かって歩くと通る、物凄い傾斜の坂です。
     主なプレイヤーは、みずほ銀行とハゲタカファンドローンスターと目黒雅叙園です。
     内容は江戸時代まで遡ってその土地にまつわる取引の歴史が書かれてますけど、現在進行形なのはみずほの融資についてです。ちなみに本書出版後に森トラストがこの土地と建物を1300億で取得したらしく、この取引にも色々な裏話がありそうです。
     要約すると、ハゲタカファンドのローンスターが目黒雅叙園の経営に参画して、その債権をみずほが購入したけど、それが回収できそうにない取引額で、一体どうしたんだ?という内容です。
     著者はジャーナリストなので、緻密な調査と悪者を糾弾するような書きっぷりは痛快です。
    半沢直樹に勝るとも劣らないノンフィクションです。

  • 読んだ後、凄く疲れました、悪い意味で。

    ちなみに行人坂はトレーニングの為にダッシュしていた坂です。

  • まるで三文記事。スポーツ新聞を読んでいるかのようだった。
    調べて書いてるんだろうけど、バイアスのかかったおかしな記述がいっぱいあるし、読むに耐えない。疲れた(笑)。

  • 目黒雅叙園を巡る戦国時代から続く行人坂の呪い。江戸時代、明治時代を越え細川家の内紛。サーベラス、みずほによるマネーゲーム。そう言われればCMBSにこの物件が入っているのは聞いたことがあったので非常に懐かしかった

  • タイトルや帯の宣伝文句からは、
    ハゲタカファンドとみずほ銀行の凶行に関するルポであり、
    筆者の目的とするところも、そこにあるかと思いますが…、

    むしろ、

    起では、江戸~明治~大正期の目黒行人坂に纏わる歴史を、
    承では、昭和期の目黒雅叙園の成立~最盛~衰退の歴史を、
    転では、バブル崩壊後のハゲタカファンドの凶行の数々を、
    結では、平成期のハゲタカファンドとみずほ銀行の迷走を、

    ルポルタージュらしく、わかりやすく簡潔に描いており…、
    近代日本経済の闇に迫る実録大河小説として読んでみると、
    非常に興味深く、とても面白ぃ内容でした…。

    まさしく、「事実は小説より奇なり」といぅことでそぅ…。

    とどのつまりは、欲にかられたボンボンの愚行と、
    それをあおった邦銀の愚かさに収束はしますが…、
    ある意味、日本人、日本企業、日本国らしぃです。

    後半の、

    外資系金融による複雑なファイナンス・スキームの連発や、
    邦銀のデューデリジェンスやリスクマネジメントの甘さは、
    実業を知らなぃ金融専門職の実情がよく表れていますが…、

    その(実害の)カウンターパートは、
    株主や一般預金者である私達であるといぅことを、
    今、よく知る必要があると思います。

    ルポルタージュとしては、及第点レベルですが、
    その分、池井戸さんの半沢直樹シリーズよりも、
    読みやすぃ近代日本経済の大河‘小説’でした。

    オススメです。

  • 苦笑

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著者プロフィール

町田 徹(まちだ・てつ)
 経済ジャーナリスト、ノンフィクション作家。1960年大阪府生まれ。
 神戸商科大学(現兵庫県立大学)商経学部経済学科を卒業。米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに日本経済新聞社より社費留学。甲南大学マネジメント創造学部非常勤講師。
 日本経済新聞記者、雑誌編集者を経て、独立。著作活動を軸に、雑誌への寄稿や講演活動も手掛けている。
「日興コーディアル証券『封印されたスキャンダル』」(月刊現代二〇〇六年二月号)で二〇〇七年「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」大賞。
著書に「JAL再建の真実」(二〇一二年 講談社現代新書)、「東電国有化の罠」(二〇一二年 ちくま新書)、「日本郵政 解き放たれた『巨人』」(二〇〇五年 日本経済新聞社)、「巨大独占 NTTの宿罪」(二〇〇四年 新潮社)ほか。

「2013年 『行人坂の魔物――みずほ銀行とハゲタカ・ファンドに取り憑いた「呪縛」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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