- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062189699
感想・レビュー・書評
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10歳の男の子を育てている女性の話。文学的な表現が多い。私も10年後、この話の女性みたいに感じたり思ったりしてそうな気がする。
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幼なじみ男性の生まれたばかりの子ども山尾くんを生活費とともに未婚の女性がひとりで預かるがいっこうに引き取りにこないまま山尾は小学生になる。なかなか想像しがたい物語のスタートではありましたが、山尾くんは読書が好きな男の子で手がかからない様子であり、預かった方も、不規則な生活に落ち入りがちな校正の仕事からせんべい工場勤務に転職し、山尾くんと一緒にいる時間を確保するようなごく普通の配慮をした母親役でした。淡々とお話は進み、どちらもこの生活に不満がなく
むしろ満たされた空気に包まれており、むしろこの先山尾くんが自立するときが来たら、ふたりの心のバランスが崩れてしまいそうに感じました。 -
読売新聞の小泉今日子さんの書評を読んで読みたくなった。著者は詩人と知りうなずいた。装画も描かれたようだ。
ある日突然山尾という一歳未満の子を渡される。不思議な名前と思ったが、百人一首の柿本人麻呂の「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねむ」が由来。その山尾も11歳になった。最後に山尾がわたしに「なにびびっているのさ」と言う。 -
2015.01.04
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2014.12.25読了
血のつながりではなく、親が子をどう愛し育てるかがつまった物語だった。(図書館) -
突然元カレから生まれたばかりの赤ちゃんを預かるところから物語が始まるのですが、すごく心に響いて共感してしまった。
生まれたばかりの赤ちゃんを死なせてしまう事件とか最近のニュースで見ると本当に心が痛んでいたのですが
もっといろんな世代のいろんな大人が、それこそ「たまもの」として小さな命を守っていけたらいいなと思うのです。
母親になるという事、それは「産むこと」とイコールではないんですね。
子どもと暮らしていると、その時々でハッとさせられることがあります。子どもを育てるというより「育てさせてもらっている」という感覚が、まさに、その通り!と思えてこの若い(少なくとも私より)母親を応援したくなりました。
私自身、長女を産んだ時に嬉しさと共に「これは大変なことになった」と思ったのを思い出します。ちゃんと一人前の人間にして世の中に送り出さなくてはいけない、とこの世の中から大事な預かりものとして宿題を負った気がしたのです。
宿題をこなしながら、子どもが育つ速さで私も母親になってきたのかもしれない…
日々たまものという気持ちで暮らしているのと山尾君がとてもいい子に育ったのとは無関係ではないと思う、これは確信できます。
いい小説でした。
子どもを産んだ人、育てることに関わった人。これから子どもに恵まれるかもしれない人もそうでない人、そうでなかった人も。たくさんの人に読んでもらいたいなと思います。 -
血のつながりなんてさほど関係ないのかもしれない。
預かった男の子をこれほど愛情深く育てられるんだもの。 -
設定はあり得ない気がするが、よかったという印象が強く残った。山尾という名の息子の人となりが魅力的。
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読売新聞に載っていた小泉今日子さんの書評がすごくきれいで切なくて、読んでみたくなった本。