阿蘭陀西鶴

著者 :
  • 講談社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191418

感想・レビュー・書評

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  • 好色一代男の、奔放な生き様、好色五人女の様々な業。日本永代蔵の商売人の話。世間胸算用の貧乏人の話。西鶴の生涯は、如何なものだったのか。盲の娘がさぞ可愛いかったのだろう。

  • おあいが細々と作る料理のうまそうなことよ。。

  • 井原西鶴を盲目の娘・おあいの視線から描いた話。

    おあいが成長し、少しづつ世界が広がっていくにつれ
    西鶴への見方・接し方が変わっていくところが、上手く描かれている。
    が、それだけではちと物足りなかったような。。。

  • 盲目の娘おあいからみた父、西鶴の姿が活き活きと描かれていて、面白かったです。おあいの父に向ける厳しい眼は母への愛の裏返し。母に盲目でもきちんと生きて行けるよう厳しく仕込まれたおあいは、台所仕事も針仕事もこなせます。それがおあいの自信であり誇りでもあると思うのですが、父西鶴に自慢の種として吹聴されることが許せません。何も知らないくせに、と思うのでしょうね。ですが、おあいも成長し、他人から語られる父の姿を知っていくうちに、徐々に心を開いていきます。まかてさんの軽やかな筆致で、あっという間に読了でした。

  • 芸術家の家族は大変だなぁ。
    娘を通して西鶴を描いた物語。
    娘が成長することによって
    見えてくる世界が広がり、
    それに伴って、
    西鶴のとらえ方や世界が
    広がっていくのがおもしろい。

  • 井原西鶴の一代記だが、ここですばらしいのは西鶴の娘の視点から描かれていることだ。

    この娘は盲目という設定であり、世間を音、臭い、肌触り、味で捉える。
    視覚を通さないが故に、その体験はより直接的、主観的となる。
    亡母から譲り受けた着物は触感で柄を見分け、父親の帰宅の気配は誰よりも早く感じ取る。

    この仕掛けにより、西鶴や周辺人物はより距離の近い、血の通った、実在感のある人物に描かれることになる。

    作者はさらに同時代の松尾芭蕉、近松門左衛門、将軍綱吉との直接、間接の絡みを織り込み、時代の雰囲気を盛り上げる。
    舞台となる元禄前後は江戸幕府開闢から約80年。もはや戦国の世の記憶は遠く、庶民文化が咲き乱れるのもむべなるかな。

  • 歴史上の有名人(?)当人に
    スポットを当てるのではなく
    その すぐそばに居た人に焦点を当てて
    物語を進めていく

    そこで語られる
    数々の あれやこれや噺が
    めっぽう 面白い

    よくある
    その人礼讃のお話でなく
    その人を主人公にしていないからこそ
    その人物が より その人物らしく
    描かれている気がする

    「先生のお庭番」も よかったけれど
    もう 一つ上の満足感を得ました
    いゃあ 次の作品が
    今から 待ち遠しい

  • 賞を獲った「恋歌」から、著者の作品の方向性がちがってきたと思う。
    それ以前の、軽妙でいてひとをそらさない、時代物の描き方が好きだったなぁ。
    今が悪いわけじゃないけど、こういう作品ならほかの人にも書けるでしょうという感じがする。
    名前が売れないと仕事にならないだろうけど、以前に戻らないかな。。。と一読者としては思ってしまう。

  • 西鶴の俗なところが娘の視点からよく書けている。父親への気持ちが少しずつ変わっていくところなどが印象深かった。

  • 井原西鶴の盲人の娘 おあい目線で
    父親を見つめた
    西鶴の人物像はもちろん あの時代の人情物語やつながりが
    おもしろい
    なにより 親子の最初はかたくなな気持ちがだんだん
    ほどけて、
     「おとうはんのおかげで、私はほんまおもしろかった}
    は、気持ちがほっこりあったまった
    最後、こういって幕を閉じたいもんだわ

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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