- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062198035
感想・レビュー・書評
-
本能寺は、明確な対立構造ではないので、これまでのシリーズのような決戦という感じがしない。
それもあって、どの作品も主人公の内面を掘り下げて描かれている印象を受けた。
なので、どうもわくわくはしない。
どれも重たい。
そして、関ヶ原や大坂の陣と違って、本能寺の変自体に物語はないということがよくわかる。
一瞬の「出来事」でしかないのだ。
そこに至る道、その後の道にこそ、うねりがあるということかな。
光秀を描いた冲方丁が良かった。こうだったのなら納得するな。
そして葉室麟、短い作品なのに印象に残る。
結局好きな作家は、変わらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズは好きだが、やはり「関ヶ原」を超えることはないなぁ、というのが最初の感想。
関ヶ原や大阪城は決戦!という感じがするけれど、本能寺は「変」だけあって、合戦のイメージではないからか……。
要するに「信長を討つ側」の話ばかりだったのが残念。
もちろんそれぞれの著者が切り口を工夫していて、各主人公の人物造形、信長との関係などを味わいつつ読めた。 -
20160125読了
-
大好きな伊東さんが旗振り役となっている「決戦!」シリーズ。
「関ケ原」、「大阪の陣」に続く第3弾がこの「本能寺」です。
戦国時代最大のミステリーの1つ「本能寺の変」を題材に
信長、光秀という当事者だけではなく、色々な視点で書かれ
色々な黒幕が出てくる、しかもそれぞれ書いている作家が違うという
歴史好きにはたまらない一冊です。
それでもやはり伊東潤さんが書いた「織田信房」が一番自分は惹かれました。
甲斐武田へ人質に出されて信長の五男。
武田毛衰退後に織田家に戻り、長男信忠の側近となった人物ですが
まさか彼を変の黒幕に設定するとは・・・・この奇想天外な発想
それでいて「あり得るかも」と思わせる説得力のあるストーリー展開。
史実をしっかりとひも解いて描いた話だけに、読んでいても
自分の鼓動が高鳴るのを感じます。
時間を忘れて半日ほどむさぼり読んだ一冊です。 -
本能寺の変にどう関わったか。
戦ではなく突然の変。
それぞれの武将の思いはいかなるものだったのか。
それを楽しませてもらった。
個人的には、出身地美濃の話に思いが熱くなった。 -
宮本昌孝「水魚の心」と、冲方丁「純白き鬼札」が印象に残る。
前者は、信長、家康と家臣たち、人物がいちばん魅力的。
ラストも痛快。
後者は、信長の先見性が際立つ。
光秀の動機と関係性の描き方も、独特に感じた。