KZ’ Deep File 桜坂は罪をかかえる

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202688

感想・レビュー・書評

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  • 中学生が扱うには、危険過ぎな事件…
    でもそこは、フィクションだから。

    こんな事件を解決できる中学生、普通はいないよね、多分。

  • もっとスマートに生きたいのに。

    上杉のところに小塚からかかってきた電話が、若武の修道院入りを教える。訝しがる小塚の頼みを聞いて、上杉は黒木とともに北海道へ向かった。桜が見事な修道院で上杉が出会ったのは――。

    青い鳥文庫のシリーズでは、憧れのように書かれているステータスが、こちらのDeep Fileでは枷のよう。母親の束縛を嫌い、数学の世界に自分を置きたい上杉は、人間の感情の割り切れなさを厭う。一方で、その人間関係をさらっとこなす黒木に劣等感を抱いたり、自分を捨てても他人を助けたいと動く若武に敗北感を覚えたり。ガツンとくる話でした。上杉先生、大人に一歩踏み出す、というところかな。

    咲蘭の矛盾。人間の肉体は悪魔が作り出したものとし、教義に輪廻転生があるアルビ派。それを信仰するのは、失った恋人に再びこの世の姿で会いたいため。でも、結婚は罪、輪廻転生は罰。どこまでも清らかに、矛盾したものを追い求める咲蘭の姿に、ついつい惹かれてしまう上杉。今の人生に倦んでいる、新しい人生があるのなら。その誘惑を振り切ったのは、面倒だと思いながら関わった人たちから教わったこと。死ななくても生まれ変わらなくても、今から戦い始める、新しい人生があるということ。

    なんだか妙に上杉と黒木の距離が近く感じてしょうがない。黒木って性別関係なくタラシなのでは。上杉先生がめっちゃフラフラ惹かれているように読んだのは、私がいけないのだろうか。

著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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