- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062209533
作品紹介・あらすじ
閉校が噂される映画大学で、監督を目指して競い合う安原と北川。二人の性格は水と油、でも同じチームで卒業製作を行うことになり――
感想・レビュー・書評
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額賀さんの青春モノ、いいなぁ。と思いながら読んでいたら、前作の家庭小説を汲み込んでいる作品にもなっていて。大好きな作家さんなので、進化の過程を見ているようでなんだかうれしい。 自分にないものを持っている相手。お互い補い合って…なんて簡単なものじゃない。焦りや苛立ちにじたばたして。嫉妬と羨望と不安と自己嫌悪の渦の中、もがいてもがいて。思ってた結果ではなかったけれど、思ってた結果により近い未来のふたりと若き映画人たちに幸あれと、フィクションの魔法にかかったまま願いを込めてページを閉じた。面白かった。
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読み終わり、感動した。感動した。大傑作ですよ。額賀さん1作ごとに力つけてますね。安川と北川の友情、絆が素晴らしい。安原の監督としての妥協しないところが真の映画を撮っていると感じた。主演二人の演技への葛藤の描写も素晴らしいものがありました。絵の小道具として雨の絵の大作も見てみたいし、なんと言っても『終わりのレイン』この映画を本当に撮って見てみたいと感じてしまいました。
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嫉妬や羨望が散りばめられていて読んでる間心臓がずっと小さくドクドクしていた感じ。文章が上手で情景が鮮明に浮かぶのでまるで漫画を読んでいるような感覚でさくさく読めた。
2人の視点が交互に描かれていて、腹落ちしながら読める分、綺麗にまとめられすぎている感も少しあった(前半で結末が何となく読めた)。 -
経営難の映像大でコンペを経て卒業制作の監督とプロデューサーになった映画監督志望の男子学生二人がカンヌを目指す。スタッフもキャストも登場するけれど極自然に二人に集中線が集まるよう。恵まれた北川と切実な安原が互いを羨ましく思いながらも皆で協力し一本の映画を作り上げる様子が苦しさもあるのに爽やかで眩しい。
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読んだあと、清々しい気持ちになりました。
映画を観るたびに思い出しそうです。 -
女性作家が男同士の友情ものです
女性作家にしてはBL演出が無くてよかったです
この著者に感じるのは端役のキャラクターに魅力を感じることが多いです
主人公を書くと性格が良すぎて途端につまらなくなります
本作でも主演キャストの俳優と女優が現場を振り回していておもしろいです
どっちも性格が悪くておもしろいです
俳優は単にウザいし、女優はメンヘラです
雨の中で紙を拾い集めるシーンと真冬に裸でバイクをかっ飛ばすシーンが印象に残っています
メインの男同士の夢の行末は興味ありませんでした -
2021.9.24
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何かを捨ててまでやりたいことがある人はかっこいい。
「切実さ」とは、大事なものを犠牲にしても何かを手にする覚悟のことなのだろうか。