大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062210812

作品紹介・あらすじ

日本文学の若き才能を世界へ発信すべく創設された大江健三郎賞の選評・対談他を収録。文学を愛する全ての人へ贈る熱いメッセージ!

感想・レビュー・書評

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  • 少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
    大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
    で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
    なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
    受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。
    大江さんも最後の方で言及されている。
    大江健三郎もよく知らなかったが、ご自身のことに触れられている部分も多く、知ることができた。
    大江さんの文学に対する誠実さで成り立っていた賞だった。それを支えていた優秀な編集者も。

  • 初読。図書館。受賞作を1作も読んでいないのに、大江さんがどうしてこの賞をつくって、どんな作品をどういう理由で選んだのかが知りたかった。賞金はないけど、翻訳して海外に紹介していくというのは、受賞者にも嬉しいだろうなあ。若い作家と大江さんの対談は、それぞれの色合いで楽しかった。大江さんも楽しそうだった。受賞作を読んでいかないと。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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