大学病院が患者を死なせるとき: 私が慶応大学医学部をやめない理由 (講談社+アルファ文庫 C 12-5)
- 講談社 (2003年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062567787
感想・レビュー・書評
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「治癒率は同じなのに乳房を切り取るのは外科医の犯罪行為」「がん検診は百害あって一利なし」「切って治ったと思っているのは、がんではなく『がんもどき』」……。日本の医療常識に真っ向から対立する論文を次々と発表し、医学界を驚愕させてきた一人の医師。開業医の子として生まれたエリート医師が、いかにして革命・真実の道を歩み始めたのか。大学病院を舞台に、たった一人で医学界の常識や権力構造と戦いつづける医師の、壮絶なる闘争物語!
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「がん放置治療」提唱者,近藤誠先生のライフヒストリー。生い立ちから,医師という仕事を選んだ動機,がん治療の現状に対する疑問,なぜそうした疑問が芽生えたか,治療での失敗,人間の尊厳と死,著者の経験したさまざまなことがらが平易な言葉で綴られています。特段の使命感を持って入ったわけではない業界の現状に疑問を持ち,改革をする,それには人間としての誠実さと,情熱と,そしてちょっとした戦略が必要ということがいえそうです。★10個つけたいくらいです。
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医者の個人史として読むと、なんとなく医学の道を志したが、人生を賭ける放射線治療(癌治療)と出会い、自分の本音を話すという内面といい治療を患者さんに受けさせたいという突き動かすものがあったのかが分かって面白い。癌治療の時代の諸相、医局内の権力関係と患者利益もあからさまになっていて、興味深かった。医療が常に最善のものが提供されていると思い込んでいたが、権利関係や医者の信念によるところが大きいことは、ある意味でショックだった。
近藤氏は従来の医療に批判的な著作を多くかかれているので、なぜ医者なのに同業者を批判するのか、医者(しかも個人開業医ではなく大学病院勤務医)でありながら同業者批判が可能なのかを不思議に思っていましたが、この本で背景がわかった。 -
4062567784 396p 2003・9・20 1刷
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03.11.28
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がんの外科手術を強く批判した一冊の本がきっかけで彼は目の前にあった大学での出世が泡と消えた、そのいきさつと現場を見てきた医師本人が医療の怖さを告発する。