進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 講談社 (2007年1月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062575386
作品紹介・あらすじ
『記憶力を強くする』で鮮烈デビューした著者が大脳生理学の最先端の知識を駆使して、記憶のメカニズムから、意識の問題まで中高生を相手に縦横無尽に語り尽くす。「私自身が高校生の頃にこんな講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないか?」と、著者自らが語る珠玉の名講義。
感想・レビュー・書評
-
講義形式で進む内容は、著者の思考にも触れることができ、論理的な展開は痛快だった。題名の「進化しすぎた脳」と表現されている意図は汲み取れず、本の内容と一致しきれていないように感じる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすい
かといって内容が薄いわけではなく先へ誘うような
入門にちょうど良い -
仕事の関係で池谷先生の講演を聴いた際に、あぁこんなに楽しく聴いていられたのは初めてだな、本もきっとおもしろいんだろうと思い、手に取った。
この本自体も中高生向けの4回の講義+出版後の大学院生向けの1回の講義をまとめているものであり、まるで出席しているかのような臨場感があった。
化学に弱いのでイオンの話はきつかったのはさておき、脳という壮大な営みのテーマを楽しく学ぶことができたと思う。 -
意識も脳という物理的モジュールが生み出す現象に過ぎないと思ったので、私の悲しみや苦しみもいずれ解体して単純な反応の関数と化することに希望が持てた
-
テンポのよさ、潔さ、自信と勢いをもとに脳科学講義を行った本。
記憶が曖昧だから別々の記憶がポンと繋がったりする。
【関連書籍】
シンプルで合理的な人生設計、科学は人格を変えられるか、失敗の科学 -
中高生との対談でわかりやすくはなってるものの
それでも難解でした。
脳をうまく働かすためにはどうすればいいか
などの改善策やメソッド等は残念ながら記載ありませんでした。 -
著者30代での中高生への講義の書籍化で、内容も若々しく溌剌としている。
ブルーバックス初版2007年、2023/3は40刷。帯には朝日、毎日、日経新聞の書評があり、朝日書評は「何度も感嘆の声を上げた。これほど専門的な内容を、これほど平易に説いた本は珍しい」と絶賛。20万部突破。
内容は盛り沢山。科学的な神経細胞やシナプスの話から、・意識や感情とは、・「見る」と脳の解釈、・言葉と抽象思考、・記憶のあいまいさの理由、等々、話はどんどん広がり、理解はしきれないが大脳生理学の先端とその広がりに触れた気がする。
読み終えて、人間の脳って、意識って、とても不思議と改めて感じた。 -
講談社 ブルーバックス
池谷裕二 進化しすぎた脳
中高生に行った大脳生理学について講義録。脳と体、脳と心、意識の条件など 大脳生理学の立場から説明
脳と体の関係性は意外。環境に適応する以上に進化してしまった脳と 脳をコントロールする体という意外な関係性
驚いたのは、人差し指と唇が異常に大きく描かれた 人間のホムンクルス(大脳との関係性から感覚器として重要なものを大きく示す図)。人差し指と唇の重要性を意識したことがなかった
科学者の倫理観を超えた脳解明の野心に執念を感じる。戦争により脳を欠損した兵士の症状研究やネズミにラジコンを埋め込んで自由自在に操る実験から 脳科学を進歩させている
大脳生理学の立場から、意識の条件(表現の選択、短期記憶、可塑性)を提示し、動物の行動や植物人間の反応から 意識の有無を検証している
心とは
*脳が作った精神作用
*人に心がある理由は言葉があるため
*人に心がある目的は汎化(共通のルールを見つけ出す、一般化する)するため
人は 心を活用して、抽象的な思考をして〜共通ルールを抽出して〜環境に適応していく
「世界があって、それを見るために目を発達させたのではなく、目ができたから世界が世界として初めて意味を持った」
-
高校一年生のときに読みたかった…。
勉強になるとかいう話でなく、ここ5年で読んだ本の中で一番ワクワクした。