山に登る前に読む本 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 198
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578776

作品紹介・あらすじ

たとえば、ある山に登ろう、と決心したとき、体力はどれくらい必要で、水と食料はどれくらい持って行けばいいのか。体力とは自動車のエンジンのようなもので、自分のエンジンが大型なのか小型なのかを理解しておくことも大切だ。さらに、山の気温はどれくらいで、衣服はどれほど持って行けばいいのか。食料、水はどうか。これらを余分に持って行きたくなるが、荷物が重くなると登山どころではなくなってしまう。
 本書は、このような問いに答えるべく、登山というスポーツを環境・運動生理学の立場から科学的に解説したものである。実験データに基づいた、無理のない登山術を紹介する。
 いうまでもなく、登山でもっとも重要なことは安全である。最近は中高年者の登山事故が増えているが、その原因には「自分の体力を自覚していない」「登山というスポーツのキツさを知らない」「自分の体力にあった登山計画を立てられない」といったことがあげられる。これらの対策をすれば、事故はもっと減り、より安全で挑戦的な登山が可能になるだろう。
 山に登る前に知っておきたい、身体と運動のメカニズムをわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 山登ったことも登る予定もないけど読了
    エネルギーやペースなどなんとなくで考えていたものを定量的に表しているのがよかった

    高齢者に登山が流行っているのはなぜかが少しわかった気がする

  • 最高心拍数は55歳で165拍、60歳で160拍
    最大酸素消費量は55歳で30ml/kg/分、60歳で25ml/kg/分
    膝伸展筋力は、55歳で80%、60歳で75%
    荷重が体重の10%の場合、最大酸素消費量が30mlだと高度獲得速度は200m/h、25mlだと170m/h

    高度差1000mを登るには1600kcal必要。
    下山時のエネルギー消費量や放散熱量は、登山時の30%。
    食事は炭水化物6、脂肪4の割合がよい。

    最大酸素消費量の6~7割の運動を、1日30~60分、週に3~4日、6か月続けると、持久力が1~2割上昇する。ウォーキング、ジョギング、登山などの全身運動。速歩とゆっくり歩きを3分ごとに繰り返すインターバル速歩が効果的。

  • ★体力の低い人を先頭に。
    ・大股、25mほど先見ながら、姿勢よく、
    ・下山は登りの3割のエネルギー消費

    ★持って行くのは炭水化物
    ・エネルギー効率のいい炭水化物で効率的に
    ・ビタミン等は平地で補給
    ・ラーメン、餅が作者の推奨朝ごはん。ラーメンはマルタイラーメンみたいなのがコンパクトで良い。
    ・昼は手軽なチョコレート、ドライフルーツ、ビスケット、パン、キャラメル
    ・夕食はカレー、シチューに乾燥野菜やベーコン
    ・レモン

    ・飲み物はスポドリ→

  • 身内に登山の好きな人がいたので、読んでいてとても懐かしかった。低体温症は現地でその場ではどうにも対処の難しいものらしく、事前準備が大変重要。疲労物質の半減に酸素も大変重要。二酸化炭素濃度など。

  • 登山中における身体の変化や症状、それの対策等が科学的にかつそこまで難解では無いように書かれている、登山好きには定番?の本。 登山に興味が無くとも本書に出てくる'インターバル速歩トレーニング'の様な誰でもすぐに実践出来るトレーニング方など、登山だけでなく生活習慣病から運動不足の解消に繋がるポイントも多い。
    個人的には暑さと寒さに対しての箇所が興味深かった。
    登山に行きたくなるし体力をつけたくなります。

  • 登山について必要なものは何かを医学的な面から分析した本
    エネルギーとが酸素量など体力的なパラメータの説明が多い
    ちょっと読んでてとっつきにくい感じがある。

    基本的には事前に体力作っておいてちゃんと食料取りましょうと言う話だ。

  • 2019年24冊目。満足度★★★★☆

  • 本格的な登山をし、常念岳診療所長を務める。運動生理学の専門医による一冊。水だけだと脱水症状を巻き込みかねないのでちゃんと塩分を取ろう。

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著者プロフィール

能勢博(のせ・ひろし)
医学博士 信州大学医学部特任教授
1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)を経て、現在、同大学医学部特任教授。画期的な効果で、これまでのウォーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、20年余りで8700人に運動指導をしてきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰、ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂。著書に『いくつになっても自分で歩ける!「筋トレ」ウォーキング』(青春出版社)、『山に登る前に読む本』『ウォーキングの科学』(共に講談社)など。NHK「ためしてガッテン!」「ラジオ深夜便」などマスコミ出演も多数。

「2020年 『最高の歩き方 やせる!若返る!疲れにくくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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