聖なる王権ブルボン家 (講談社選書メチエ 234)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062582346

作品紹介・あらすじ

内戦を勝ち抜いたアンリ四世。実母と抗争するルイ十三世。「太陽王」ルイ十四世。愛人たちに溺れたルイ十五世。そして断頭台の露と消えたルイ十六世。強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。

感想・レビュー・書評

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    「内戦を勝ち抜いたアンリ四世。実母と抗争するルイ十三世。「太陽王」ルイ十四世。愛人たちに溺れたルイ十五世。そして断頭台の露と消えたルイ十六世。強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。」

    「17世紀から19世紀半ばまでのヨーロッパ史を理解するカギは、フランス史をきちんと押さえることである。(ちなみに19世紀半ばから20世紀半ばまではドイツ史を、20世紀半ばから現代まではアメリカ史を押さえることが基本軸)。17世紀から19世紀のフランス王家としてはブルボン朝が存在していた。ブルボン朝には個性豊かな国王が並ぶ。歴史は人間によってつくられるもの、とするならば、これほど面白い時代は他にはみられないかもしれません。本書でその面白さを十分に感じる子が出来る。」p183
    (『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)
    目次
    第1章 アンリ四世―改宗と内戦の王朝
    第2章 ルイ十三世―聖性と側近たちの王朝
    第3章 ルイ十四世―戦争と絶対性の王朝
    第4章 ルイ十五世―繁栄と愛人たちの王朝
    第5章 ルイ十六世―落日と革命の王朝

    著者等紹介
    長谷川輝夫[ハセガワテルオ]
    1941年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、パリ第四(ソルボンヌ)大学博士課程修了。現在、上智大学文学部史学科教授。専攻はフランス史

  • フランス王朝の花開いたブルボン家をわかりやすくおもしろく解説

  • とても面白かったです!
    国王の影に、そして歴史の影に女性ありという感じ。色々な人の思惑や人生の交錯が見えて史実でありながらドラマチック!事実は小説より奇なり!改めて歴史は人間の歴史なんだなぁと思わされました。

  • 絶対王政を創始した、ブルボン王朝の五人の王(アンリ4世、ルイ13世、ルイ14世、ルイ15世、ルイ16世)についての本である。
    絶対王政がどのように創始されたかは、アンリ4世の頃からと云って良い。彼は良王といわれるが、三部会を一度も収集してないし、地方特権を剥奪している。

    また国王を悩ませるのは、高等法院の存在である。国王の命令が効力を持つためには、高等法院の登記が必要であるが、しばしば建白権を盾に対立した。ルイ14世はその建白権を剥奪したが、ルイ15世の頃に復活する。

    また、国王を選ぶにあたって血統がモノを言うのは言うまでもなく、好色の王は私生児がいたりするなど、政治的混乱を招くこともあった。

    以上のように、「絶対王政」といえど、なかなか一筋縄ではいかないことも多くあった。

  • 県立図書館

  • ルイ14世以降についての本は多いものの、アンリ4世、ルイ13世についての本は結構貴重。5代の王について偏りなく書かれているだけでとりあえず好印象。■アンリ4世、ルイ13世時代の繁栄、ルイ14世後半からの衰退、仮面の男のユスターシュ説を真実とするならば、仕方ない気がしないでもない。ルイ14世の権力誇示、15世の政治的無関心は、方向こそ違うものの同じ理由によるものではないか。16世はその「理由」を知らなかったとされ、だからこそ彼らに比べずいぶんと「国王らしい」。■それはそれとして、ルイ14世と16世が国王となった時代が反対なら、ブルボン王朝ってもっと存続したんだろうな〜としみじみ思う。

  • 中・近世フランス・ブルボン王家の絶対王政成立とその崩壊を描いている。
    アンリ四世からルイ16世までの5代2世紀に渡る盛衰の模様が、よくわかって学ぶ所の多い本だった。
    小説ではないので、面白い!とは言い難いけれど、記述自体は難しいわけでもなく、とても読みやすかったと言える。
    最近興味の目がヨーロッパに向いていて、特にフランス史への関心が高いので、この本はその要求によく応えてくれた一冊だったと思う。自分的には、ブルボンよりももっと古い歴史に関心が高いのだけれど、フランスの王政最後の王朝でもあるブルボンの歴史も興味深い。
    ブルボン家が王座に就いてからのフランスは、これまでも同じだったんだろうけれど、それにしても戦争の数の多い事とと言ったら・・・・。
    ルイ14世が建造したかの有名な、贅沢の象徴とも言われるヴェルサイユ宮殿ですら、1回の戦争にかかる費用の1.3倍の費用に過ぎないって言うんだから、いかに戦争に莫大なお金がかかるのか、改めて知った次第である。しかも、その戦争は、一度や二度じゃなく、数えるのも面倒になってくるくらい繰り返されているんだから。それから、数々の経済政策。
    課税や国の借金、新しい税制の導入への取り組みと反対勢力との攻防や挫折。
    結果的に、借金の金利を払うのがやっとのような国庫の破綻。
    なんか、今の日本の経済状況を見ているような所もあったりなんかして。
    だとすると、今の日本、とっても怖い。
    周辺ヨーロッパ諸国との国際問題や、政治上の駆け引き等々。
    勉強になりました・・・・
    まぁ、とにもかくにも、色々な人達の複雑な関わりによって、歴史の1ページが作られていく様を色んな事を感じながら読んだ次第である。

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著者プロフィール

1941年生まれ。元上智大学教授。専攻はフランス史。著書に『聖なる王権ブルボン家』、共著に『世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花』『フランス史2』などがある。

「2014年 『図説 ブルボン王朝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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