- Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062609913
感想・レビュー・書評
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続編があるのは知らなかつた。こちらも前作と同じでブルーホールを通じた過去との接触であるが、今作では、その時間の非連続性と同時性、恐竜の生きた時間の特殊性と現代との隔絶、さういつたものがたくさん盛り込まれてゐると感じた。
地球の環境といふものも長い時間の中で一定のものではなく、周期的に繰り返されるものだと改めて印象強く残つた。地球の磁場が減退してゐるのは、たしかに今を生きる人間にとつて大きな問題である。しかし、それは次の磁場の逆転のための過渡期であるだけで、また地球の磁場は戻るといふ。地球の気温もまた、あがつたり、さがつたりを繰り返し、溶けては凍りを繰り返してゐるといふ。隕石の衝突といふある意味ではアクシデントによつて、恐竜たちは壊滅的なダメージを受け、絶えていつたと考へられてゐる。
だが、それだけでなく、ゆるやかな地球の変化が恐竜を少しづつ滅びへと進ませていつたとも考へられるのではないか。さう考へると、地球に住まふ人間といふ種も、何もしなくても、滅び向つて歩んで行くものなのだらう。さうして、地球といふひとつの生物もまた、ゆるやかな宇宙の変化の中で滅びへと向かふのだらう。宇宙といふ生物も同じ…?
生れたからには滅びが必定。時間の中産み落とされてしまつたからには、避けられないものに違ひない。生きること死ぬこと。ぽつかりと空いた闇に放り出されるやうな感覚に墜とされる。さうした時、生きること死ぬこと、自分がゐて他人がゐる、この途方もない不思議さとご縁の有難さがなんとも身に滲みてくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと無茶もあったけどおもしろかった。映画になってくれんかなぁ。
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ブルーシティーで有名な星野氏の作(下巻)。
はたして彼らはジュラ期から現代へ戻れるのか。