ドラキュラ公: ヴラド・ツェペシュの肖像 (講談社文庫 し 54-1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062636483

感想・レビュー・書評

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  • ブラム・ストーカーの元を訪ねてきた謎の男が、夜を徹して吸血鬼ドラキュラの題材となったワラキア公ヴラドについて語る。
    戦記ものとしての面白さはあるが、物語の語り手が架空の人物であるシャムスという時点でファンタジーの要素が入っている。その上、ハンガリー王の妹である魔女が怪しげな能力を使い始めるので手に負えない。
    史実が題材だが、ファンタジーが強すぎる。

  • 吸血鬼ドラキュラのモデルといわれている、ワラキア公ヴラドの物語。
    前半は歴史小説後半はホラー的要素が盛り込まれた構成。
    幼いころから人質として弟とともにトルコに軟禁されていたヴラド。父と兄を裏切りによって殺され、弟はスルタンの男妾となり…数々の裏切りにあった彼が、国とその地位を取り戻すために残虐な暴君(串刺し公)になったのは、戦乱の世にあってやむを得ぬ事だったと思う。
    フィクション的要素として彼に命を救われ、唯一信頼を寄せたシャムスの存在だけが救いに思えた。ヴラドはシャムスの存在の中に、本当は愛したかった弟の姿を見ていたのではなかったか。瀕死のシャムスが、ヴラドの首を取り返しに行こうとする姿に思わず涙がこぼれた。

    • marimocoさん
      chieさん、こんばんは。
      ヨーロッパ好きということなら、龍の黙示録シリーズはおすすめです。
      もし建築とかにも興味がおありなら、桜井京介シリ...
      chieさん、こんばんは。
      ヨーロッパ好きということなら、龍の黙示録シリーズはおすすめです。
      もし建築とかにも興味がおありなら、桜井京介シリーズもいいかも、です。(すみません、私は未読ですが)
      2018/02/06
  • ヴラドと従者関係にホモの匂いがプンプンする。
    なぜ女性作家の多くは戦国乱世の時代をその手の色に染めるのだろうか?

    藤水名子「赤壁の宴」よりはマシだが。
    気落ち悪い小説ではある。

    がっかり。。。

  • ブラム・ストーカーの元へ深夜訪れた謎の青年。
    彼が真実のヴラド公の姿を三夜にかけて語る物語。

    最初は面白かったです。公の非情さとかそうしなければいけなかった環境とかをひたすら敬愛して服従する従者シャムスの目から見て解説する進め方は読みやすくて良かったです。
    が…後半やや強引な展開、魔術的雰囲気はファンタジーの域にまで行ってしまっている感じがしました。
    前半の勢いのままリアルに書ききって欲しかったです。

  • 何十万もの人間を生きたまま串刺しにしたとされるワラキア公ヴラド。その残忍さゆえに小説「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとなった男の真実の貌とは。強大なオスマン・トルコ帝国を相手に孤独な戦いを挑み、過酷な時代を疾風の如く駆け抜けたもうひとりの、“織田信長”の実像を人気の女性作家が描く異色長編。

  • ドラマティックな関係性。

    ただ己を信じて、前へひたすら前へ進み続ける男・ヴラド。彼を信じついていくシャムス。他人は理解できないが、どうしても必要な人物だと本人にはわかっている。。
    リアリティや歴史考証だとかは気にせず、物語としてこの二人の関係は面白いと思った。

  •  ブラム・ストーカーの吸血鬼ドラキュラのモデルとしても名高い串刺し公ヴラド・ツェペシュの一生を書いた小説。
     
     祖国では強大なオスマントルコを相手に戦いを挑み、勝利した英雄として有名らしいが、小説を読む限り、本格的なトルコとの戦闘をまえに同盟国ハンガリーの裏切りにあい、囚われの身になっているので、どこまで軍事的に天才だったのかはわからない。

     ただサディズム的な専制君主というイメージは払拭され、なるほど、確かにこの男なら、かの強大なオスマントルコに勝利できたかもしれない、と思うこともしばしば。

     篠田真由美は比叡山焼き討ちの織田信長と比しているが、うなずけるところも多々あり、興味深かった。

  • 実在したドラキュラのモデルヴラド3世の史実をもとに書かれた物語です


    ヴラド3世好きの私はかなりの関連本を読んでいますが
    この本は篠田さんのヴラドへの愛を勝手に感じました

  •  篠田真由美にはまってから、ずっと読みたくて、やっと見つけたの!!うれしい。ま、その勢いで文庫「玄い女神」まで、買ってしまったけど…。
     「吸血鬼ドラキュラ」を書いたストーカーの元に、謎の人物が現れてワラキア公ヴラドの真実の姿を語る、っていう構成はすごくいい。最後にちょっとしたドンデン返し(?)があるけど、あの構成だから可能だし生きてる。上手いです。
     篠田さんのテンションは、いつも高いねぇ。建築探偵も書いて欲しいけど、こういう史実ものや、「琥珀の城の殺人」みたいなのも書いてほしいです。

  • あの描写にはまいった。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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