- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062720038
作品紹介・あらすじ
悩み、傷つく心を知ると自分も他人も見えてくる!!人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える。
感想・レビュー・書評
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この本の対談者たちとの、河合さんの対談は、すでに「閉ざされた心との対話」と「心にある癒やす力治る力」という2冊の本に載っている。
この本とその2冊と何が違うかというと、一連の対談のあとの食事をしながらの雑談のときに、たまたま挙がった質問を本にしたものがこの本なのだ。なんという編集者の商魂!。でも、内容は充実している。
以下の話がおもしろかった。
(河合さんの師匠の)マイヤー先生も、そのときの流れで、カウンセリングが50分のところが1時間になったり、40分でやめるときもありました。そこで私が、「先生はあんまり時間どおりにやりませんね」と言ったら、こんな返事でした。
「君は、『カルメン』は三時間だけど、『椿姫』は二時間だから、同じ値段ではおかしいとか、『カルメン』のほうが割安だとか言うかね。その作品を見にいっているんだから、作品が終わったら終わりじゃないか」
この話は、河合さんの「イメージの心理学」という本の「人間は生まれたときから完成しているとも言えるし、どんな人も未完のままに死ぬとも言える」という言葉に通じる逸話である。その人の人生という作品が、周りの人には未完に見えたとしても、本人には、それで完成なのだ。死は相対的なものではないのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これを読みながら、つくづく人々が抱える問題というのは、一夜にして瞬間的に治る・解決するなんていうことはそうそうなく、じわじわと、じっくりだんだん治る、良くなるものだと改めて感じさせられる。カウンセラー・臨床心理士とは、なんとも忍耐力の必要な仕事だなと思わされる、、
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臨床心理士の皆さんへのアドバイスを延々と共有されている形だった。はじめ違和感を感じたが、臨床心理士さんの着眼点や考え方を知ることができて良かった。しかしタイトルの『人の心はどこまでわかるか』、ということに対する答えのようなものはあるようでなかったのが気になるところ。
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人の心に向き合う苦しみと喜びを痛感する一冊。自信がなくてもいい、悩んでもいい、そう思うことができ、なんだか救われた。
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心理学に携わるカウンセラーの疑問や問いかけに著者が答えていく。クライエント側としても勉強になった。専門家サイドの現場を知るのに良いきっかけになった。カウンセラーも葛藤があるのだと、(人間なのだから当たり前のことなのだが)知ることができた。面白かったが、タイトルに準じた本ではないという印象。
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ユング派の権威である河合隼雄の一冊。
2000年初版なので今は若干古臭く感じる記述もあったが、読みやすくて勉強にはなった。 -
心理学に携わる人からの質問に答えた企画。
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多くの方と同じく河合隼雄の著書とは古くから付き合いで、河合隼雄が流行った(?)80年代からかれこれ数十年な感じですが、多作だったこともありなかなか読み切れていません。
これは分析やカウンセリングにテーマを絞った対談集。戦いの記録でもあり、問いかけでもあり、河合隼雄らしい内容でよかった。 -
ユング派などなど、何度勉強してもよくわからなかったが、
河合先生がされていることをよんで、ほんの少しはわかった、気がする。
最近話題?のコミットという言葉(この本が出てきたのはそれより相当前だが…)の元の意味もおもしろかった。
子どもの夢は要注意、に関しては、
私自身うまく対処できなかった経験がある。
反省。