日本人とグローバリゼーション (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062721288

作品紹介・あらすじ

英語ができるからといって国際的なコミュニケーションができるとは限らない。本書は、どうすれば真の対話能力がつくかを、日本人の特質に照らしあわせて示す。

感想・レビュー・書評

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  • 相手を理解すること、自分を理解してもらうこと、諦めないこと。
    グローバル化する社会に対応するために必要な考え方が書かれている。

  • 「グローバル化時代」をたくましく生きる切り札!!

    英語ができるからといって国際的なコミュニケーションができるとは限らない。本書は、どうすれば真の対話能力がつくかを、日本人の特質に照らしあわせて示す!!

    ●毎日が異文化コミュニケーション
    ●「はい」と「イエス」の大差
    ●相手との心理的な距離の取り方
    ●言語表現を伸ばす法
    ●「話がつきました」の日米の差
    ●感謝の気持ちの出し方
    ●言語以前の関係をつくれる日本人
    ●めちゃくちゃな英語をしゃべろう
    ●日本的センス・オブ・ユーモア
    ●世界とつきあうための必要知識

    【河合】――日本人は“I am sorry.”と“I don’t know.”の2つで世間を渡れると思っている。……私がフィリピンにいたとき、友だちが向こうの大臣に会うという約束で、4時間待ったんです。ところが相手はとうとう来なかった。カンカンになって怒っていたら、大臣から手紙が来た。それに“I am sorry.”と書いてあると思ったら、謝罪どころか“It’s pity.”(お気の毒さま)と書いてある。
    【石井】――私はイギリスにいるとき、非常に腹が立ったことがありました。隣の家に5歳になる子どもがいたんですが、彼は“I don’t understand.”とは絶対に言わないで、“I am not convinced.”(私は説得されていない)と言うんです。「おまえがアホだから、私をコンビンスできないんだ」という論法。私は非常に劣等感を感じてロンドンを去ったことを覚えています。

  • 【日本人は歴史感覚がないから、昨日のことをきれいさっぱり水に流して、新しい価値観を取りこんでいくことができる。】

    日本人のあうんの呼吸というか、察するというかそういった日本のグローバル化についてどうしていけばいいの?ということを石井米雄氏との対談形式で記述された本。
    なかなか読みやすかった。これを呼んで思ったことは、もっと日本(自国)の文化と歴史を知ろうということ。

    ちょっとそちらのほうも深堀してきたいなぁ。

  • 国際化・グローバリゼーションとは何なのかを文化・宗教の側面から考えるのにいい一冊。一般教養としての文化・歴史・宗教を学ぶ大切さを感じる一方で、昨今の国際化教育のおかしさを思う。

  • かなりサクッと読めるが、なかなか興味深い。一読の価値あり。

  • 日本人は、8月15日の敗戦以後、過去をすっぱり捨てて明日を見るようになった。そうしなければ復興や近代化はできなかった、という視点に目から鱗が。

  • グローバリゼーション=国際化という程度の認識しかなかった私にとって、実際の異文化コミュニケーションというものはどのような交流によってもたらされれるのかを知るきっかけとなった。
    日本人の共通認識を言語化するのは、日本語でも難しいと思うので、それを外国語で行うのは大変な作業であると思う。
    日頃、異文化と触れ合う機会の少ない自分にとって、新鮮な内容であった。

  • 図書館で立ち読みして面白そうだと借りてみた本。
    目から鱗がポロポロで、とっても脳味噌がやわらかくなった気がします。
    対談形式なので読みやすいですし。すらすらっとすぐに読めてしまいました。
    中心統合型と中空均衡型のくだりはほんとうに楽しい。
    日本人は管理職に対して、強烈なリーダーシップで意見を推し進めるのではなく、
    いかに多くの人間を調節して均衡を保つかを求めます。
    でも欧米にしてみれば「なぜできない人が上にいるのか」という疑問になるんですね。
    ここらへんの差を歴史を含めて書かれていて面白かったです。

    あとは日本人がジェスチャーとは違った意味で日言語的な文化を持っているという内容。
    特に結構頷けた部分を少し引用しますね。

    『勝海舟と西郷隆盛の対決、あのコミュニケーションというのを英語にしたら、まったく成り立たないと思うんです。
    官軍の江戸入場はまさに革命ですから、ひょっとしたら江戸をすべて焼きつくしてしまうかもしれない。勝としてはそうはさせられない。ところが西郷は幕府を倒さなければならない。そのときの二人の会話に、私は非常に興味があるんです。おそらく座って、「ああ、静かですな」とか、「鳥が鳴いていますね」とか言って、それで解決してしまったと思うんです。こうしたコミュニュケーションの仕方は、欧米的とはまったく違いますね。』

    確かに。ああ、日本だと思います。
    こんな感じでいろいろお話されていて楽しかったです。文庫だし買おうかなぁ。

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