- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062730716
感想・レビュー・書評
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ちょっと変わった、歌舞伎役者の一生を描いた話。
松井今朝子の「吉原手引草」があまりに面白かったので、
読んでみました。
まあ、「吉原手引草」ほどではなかったかな・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容(「BOOK」データベースより)
「存分に舞い狂うてみせてやる…」江戸は安永―天明期、下積みの苦労を重ね、実力で歌舞伎界の頂点へ駆けのぼった中村仲蔵。浪人の子としかわからぬ身で、梨園に引きとられ、芸や恋に悩み、舞いの美を究めていく。不世出の名優が辿る波乱の生涯を、熱い共感の筆致で描く。第八回時代小説大賞受賞作。 -
久々に手応えのある面白い作品を読んだ。
登場人物が活き活きと描かれていて、ぐいぐい惹きこまれました。
ラストの三浦氏との場面に思わず涙が出そうになりました。
こんな絆を持てる誰かと巡り合えたら、人生で悔いなど残らないでしょう。
何回もグッとくる場面があってとてもドラマチックな作品で
これを読んで、歌舞伎を生で観たくなりました。 -
江戸の歌舞伎役者の生涯。
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2013/04/04完讀
★★★☆
(6.5/10)
描寫傳奇歌舞伎役者・初代中村仲蔵的一生。仲蔵從小就是孤兒,被舞踊師匠志賀山おしゅん和長唄師匠中山小十郎收養,先學習舞踊再進入演戲的世界。後來因為商人吉川的贊助自己經營酒店,遠離藝道,但19歲回到這一行,從稲荷役者開始,慢慢一路爬上去。他也曾經因為被いじめ,一度自殺,不過被田沼的用人三浦所救,也讓他對從三百石爬升到老中的田沼很有好感,也決定要不要輕言放棄,要有尊嚴地精進藝道。
從小演員好不容易爬到可以演一些小角色,在『仮名手本忠臣蔵』五段目中自己創造斧定九郎的浪人形象與衣著,改變當時的定九郎的固定形象,一時之間甚為轟動。仲蔵雖然無依無恃,但是遇到很多賞識他的人,例如中村伝九郎、四代目団十郎等等,這樣一個沒有任何背景的人,居然達到差點可以襲名松本幸四郎、中村伝九郎、中村勘三郎的地步,不過最後他還是成就了初代中村仲蔵這個獨一無二的名號,成為千両役者、座頭。
這本書中許藝界許多有名的家世也紛紛在小說中登場,一路從瀬川錦次爬升到市川武十郎、初代市川染五郎、二代目市川高麗蔵,最後變成四代目松本幸四郎這號人物也令人印象深刻。稲荷祠的頭頭七五郎,也是個哀戚的小角色。小役者的艱難處境與奮鬥、藝界各家的競爭、腳本作家和劇場的關係等等的斷面,從這本書都可以很清楚地觀察到,是本很有趣的書。但後面兩章相較之下沒有前兩章力道強,稍嫌可惜。 -
初代中村仲蔵の生涯を綴った時代小説。
江戸の風俗や当時の芝居の様子が上手く書かれています。
歌舞伎に疎く、時代小説もあまり読みませんが、
この仲蔵の波乱万丈の人生には夢中になりました。
ドラマ化された時は、梯子を一歩一歩登るシーンが
象徴的に描かれていましたが、
読み終えた後も、そのシーンが頭を巡っています。 -
初代中村仲蔵の一生。
歌舞伎に全く興味がなかったけれどぐいぐいと引き込まれました。
ダジャレのような名前の方ですが、忠臣蔵の新しい5段目の演技や血糊等歌舞伎界の技術革新を起こしたすごい方なのです。
落語の題材にもなっているのでそちらもぜひともお聞きくださいな。 -
みなしごから歌舞伎の千両役者にまで上り詰めたかと思えばまた振り出しに。他人の世話を受けて生きてきた仲蔵の人との関わり方が興味深いが、複雑な歌舞伎界の仕組み、役者の格や襲名の仕組みなど、歌舞伎を知らない自分にもとてもよくわかる興味深いオススメの一冊。
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昔から芸道小説(?)が好きだったけど、こんなに面白いと思った歌舞伎系読み物ってちょっとないかも。
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10年くらい前の正月、初めて歌舞伎を見ました。その時の演目が『義経千本桜』。このなかの見せ場が「碇知盛」で、壇ノ浦で最後を悟った平知盛が碇をかついで海に飛び込むシーン。
『仲蔵狂乱』の中には、このシーンの誕生の逸話が描かれています。これを読んで、この場面みたい!と思ったのがきっかけでした。
歌舞伎の世界の事細かなところまで、詳細に書かれていて、どっぷり浸れます。どろどろとしていて、人間臭いところがリアルでいいです。
歌舞伎に行く前に解説本を読むより、これを一冊読んだほうが、よっぽど感応できます。