放浪探偵と七つの殺人 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735261

感想・レビュー・書評

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  • 歌野晶午さん、やっぱり面白い。なんでも読む雑食ならぬ雑読派だと思ってたけど、本当はミステリ好きなんだろうか?この本は歌野さんの初期の頃に登場した、信濃譲二が探偵。そして表題の通り7つの謎を解いていく短編集。正直、自分で謎を解けたことはない。今作には読者への挑戦状などあり、自分の不甲斐なさを再認識させてくる。しかしミステリ作家さんてどれだけネタ?アイデア?を持っているんだろう。どの話の謎解きもワクワクさせる。なんとなくもやっとしか分かっていない「有罪としての不在」の解答が知りたい。ネタバレ探してみよう。

  • 坊主は三十分かそこらお経を唱えて何十万ものお布施を受け取る。しかしお経を唱えたところで何になります?それは死者に届きますか?坊主は届くと言うんだろうが、そこに絶対的な根拠はない。

    信濃くんのこのひねくれ感が面白い。

  • 第三者の視点で物語が語られ、探偵が解決する短編集。短編集であるため、あっという間の解決となるが、それぞれ伏線も貼ってあり、ミステリーとして面白かった。

  • ※2004/7/24のblogから転載

     歌野晶午先生のデビュー作「長い家の殺人」を読んで、これけっこうイケルかもと思い、古本屋を巡回中に歌野作品を発見したので、本作と「動く家の殺人」を購入。 どちらから先に読もうかと一瞬悩んだが、仕事がけっこう忙しかったので、サクサク読める短編集であるこちらを選択。

     奇才・信濃譲二が推理する!
    ●「ドア⇔ドア」昔懐かしいPCソフトがあったなあ@ちゅんソフト 犯人のミスを徹底的につっついていく古畑っぽい。
    ●「幽霊病棟」一度はやった廃屋探検.荒廃した病院に死体を捨てた男に予想外の出来事が重なる.最後も予想外の出来事に・・・
    ●「烏勧請」異臭を放つゴミを庭に集めゴミの山を築く主婦.収集する本当の理由は?
    ●「有罪としての不在」作者が読者への挑戦状をたたきつける.男子寮で起こった殺人事件を解決することができるか.歌野晶午ってああいうテクも使うのね。
    ●「水難の夜」デリバリーピザのバイト君が殺人現場に遭遇する.本当は誰が水難なのか?
    ●「W=mgh」物理が得意な人、この公式がわかりますか?しかしこのトリックには笑えた.想像すると(w
    ●「阿闍梨天空死譚」新興宗教の総本山にそびえ立つ鉄塔に男の死体が出現した.プリンセス・テンコーもびっくりのトリック。

     既読も含めて手元にある歌野作品は全て信濃譲二モノなので違う作品も読んでみたいなあ。

  • マンガ版を先に読んでたんだけど、原作も信濃さんのさっぱりとしたキャラがいいですね。
    ただ、マンガ版は坊主頭ぽかったけど、原作を読むと蓬髪てなってますね。

  • ほとんど身元不明な感じの探偵役信濃譲二。不可解な事件を推理力で見事解決、て聞こえはいいけど、行く先々で殺人に遭遇するなんて死神か。

  • 2017.2/14〜3/2。信濃譲二シリーズの短編。シリーズの中ではこれが一番好きだった。長い家から読んでくると、だんだん彼に愛着がわいてくる。推理好きな方にオススメ。

  • 読者に挑戦といったかたちの推理小説だった。挑戦されても、解くまでの頭がないので考えもせずにそのまま解答編を読んだりもしたけど。


    全部で7つの短編。正月休みでアパートの寄宿生が、ほぼ帰省したアパートで起こった殺人事件、幽霊が出ると言われた病院に殺した女を捨てたがその死体が消失したり、ごみ屋敷の中でカラスに突かれて発見されたごみ屋敷の女主人、学生寮で起こった殺人事件、デリバリーピザを配達したバイトが見つけた男女の遺体、卒塔婆に逆さまになって発見された女の死体、ある宗教団体の敷地にある塔に張り付けにされ発見された男の遺体。
    全ては、信濃譲二が謎を解く。


    久しぶりに、面白い推理小説を読んだ。だけど、学生寮の事件と卒塔婆の事件は謎が解決してもなんかしっくり来なかった。私の想像力が乏しいだけなのかな?でも、学生寮の事件の謎を解く鍵となる時計の話は、ちょっと納得出来ない。私、女だけどそんなことしないよ?みたいな。


    しかし、信濃譲二という男が一番の謎だったな。冬でも夏でもタンクトップにビーサンなんて。不思議すぎる。
    そして、話の時代が昭和の終わり、平成の初めだからいろいろ懐かしいかんじもした。


    謎の探偵、信濃譲二シリーズはまだあるみたいだから探して読んでみようかな。


    2017.7.17 読了

  • 短編集。
    「名探偵・信濃譲二」シリーズはこの物語で完結してしまったらしい。
    それゆえに一度は短編集に収録することを見送った「マルムシ」を増補版には収録したとあとがきに書かれていた。
    シリーズ終了を決めたのは歌野さんなりの理由があるのだろう。
    探偵役として登場する信濃譲二は少しばかり変わった探偵である。
    個性的とひと言で表してしまうには何かが足りないと感じるキャラクターだった。
    シリーズにはこの物語の前に3作品が書かれている。
    ・長い家の殺人
    ・白い家の殺人
    ・動く家の殺人

    この物語を読む前に3作品を読んでいてよかった。
    冷静沈着な思考を持ち、観察力に優れ、常識にはとらわれない信濃譲二というキャラクターの最後を飾るにふさわしい短編集だった。
    短編だからこそミステリーの醍醐味を堪能できる物語ばかりが詰まっていた。

  • 盲点をついた、意外な犯人などもあって楽しめましたけど、最後の話はちょっと・・・。わかりにくいトリックなのに、図解などもないので眠たくなった

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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