- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062738552
作品紹介・あらすじ
私たちは生きているあいだはみな「人生仮免許」なのだ。いつでも試されているのだ。しかし若い人たちは豊饒な歳月がまっている。なんとリッチなことか。時間があればやり遂げられないことは何ひとつない。自信をもって進み給え。たくさんのアンコールの声に応えて、素晴らしい人生訓が装いもあらたに登場。
感想・レビュー・書評
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「山口瞳は,大人の男としての教科書だ」
そういう風に思う.
どうも,こういった人を好むのは,「おじんくさい」とか「年をごまかしているのでは」なんて言われるきっかけになってしまいそうだけれども,良いものは良い.
丁度,山口瞳が亡くなった1995年は,日本がとても大変な年だった.年明け早々,神戸で大きな地震があり,そして東京では3月に地下鉄サリン事件が起こった.そんな中,山口瞳は亡くなった.
大好きなアンクルトリスと江分利満氏が重なって,そしてなおかつそこに山口瞳がかぶって,何か一つ時代が終わってしまったような気がした.20歳そこそこの若造でさえ何か感じる物があった.
それから,山口瞳の著作を一通り読むに至った.
でも,小説や連載のエッセイより,より濃いエッセンスのあるサントリーの新聞広告がまとめられてはいなかった.待望のシリーズをまとめた物が書籍になったのである.
古い人間と言われるかもしれない.でも,心に染みるのである.何度読み返してみても,古くない.
亡くなって20年以上経ってしまったけれども,心をうつ文章を読むことが出来る本だ.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かつて毎年「成人の日」の朝刊に自筆のまま、掲載された新成人への言葉。
山口瞳も亡くなり、新聞に掲載される広告もかわった。それでも毎年、「成人の日」にはこの本を手に取る。それは私もまだ酒を呑むことにも、文学を味わうことにも「仮免許」だから。
烏兎の庭 第一部 雑記 9.2.03
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/diary/d0309.html#0902 -
著者がサントリーが寿屋といった頃の宣伝部員として、新聞広告として綴ったエッセイ集。会社に入って間もない時期に読んで、随分と励まされました。若者に対する大先輩からの助言として貴重な一冊。
“新入社員諸君! この人生、大変なんだ。そうして、本当の味がわかるのは、苦しみつつ、なお働いた人たちだけなんだ。” -
新成人に告ぐ!新入社員に告ぐ!
サントリーの広告に書かれていたエッセイ集。
オトナ社会で生きるための心構えを教授してくれる。
ある立派なオトナの、体験に基づいた言葉というのは貴重なものだ。
この世知辛い世の中、それでも楽しく前向きに生きて行こうじゃないか!!