- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062748612
作品紹介・あらすじ
54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。(講談社文庫)
感想・レビュー・書評
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「なんだか不思議な話だな」から始まり、「そういうことだったんだ」って繋がっていく流れが楽しかったです
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54個の文書ファイルからなるミステリ。謎から謎へと頭が混乱しそうになるが、引き込まれて読んでしまう。2024年本屋大賞発掘部門。
3.5インチFDとか、ワープロとか懐かしい用語が出てきますが、ストーリーは現在でも読み応えがありました。 -
日記や手記のようなスタイルで、数人がかわるがわる語ったり、行動を記したり、回想をしながら進んでいく。
最初はザワッとする日記から始まり、違和感がつきまとう手記や行動に続く。
これは一体どういうことなのか?混乱し始めるも途中で、もしかしてこういうこと?と話の展開が読めてくる。
他の方々のレビューでも同じように、途中でオチが分かったというコメントが出ているが、それは作者も想定していて、そのうえで話が進んでいるのでご安心を。
展開やこのストーリーの仕組みが分かった上で、最初の様々な出来事を振り返ると、なぜそこに至ったのか想像し得て、理解もできるだろう。
こんなことが現実世界で度々起こっていたら、それはかなり恐ろしいだろうと思う。安心して過ごすことなど出来ないだろうから。
自分を守るためにこんな事が起こるなんて、人間の脳と精神はなんて不思議なんだろう。
流れが読めたあとも、ストーリーは楽しむことができた。
これはダニエル・キイスの例の小説がヒントになったのかなぁ、とも思う。
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何を書いてもネタバレになるので文庫の裏に書いてあるあらすじだけ!
フロッピーディスクの中に名前を題名とした54のファイル(文章)がある
一つ目のファイル『向井洵子』にはワープロの練習をしながら出張の帰りを待つ主婦の話となっているが、主婦の周りでは自分では無い自分が居るかのような不思議な出来事が起こっていた・・・
ワープロとフロッピーディスクと言う言葉が懐かしかった!
本書が書かれたのは1994年!
奇しくも翌年にWindows95が発売されることによりワープロが職場や家庭から姿を消していく事になるのであった!
フロッピーディスクに至ってはフラッシュメモリが主流となるまで第一線で活躍!WordやExcelの文書はいいけど、写真や画像の重さには耐えられずその姿をゆっくりと消していく。昔のパソコンにあったA ドライブ、今では外付けのをわざわざ買わないと・・・
本書発売の頃にAドライブが無くなることを予測できた人はいただろうか? -
ココ最近続けて読んでいる井上作品。
今作は割と始めの方でオチは分かったものの、
辻褄がどうにも合わず、最後まで読んでスッキリ。
『〇〇〇〇』をネタとして扱っている小説の大半が、
その原因となる要素として幼児期の虐待をあげているけれど、実際のところはどうなんだろう。
しかし、読み易い作品というのは本当正義だと思う。 -
どういうこと?えっどういうこと?とぐいぐい引き込まれ、一気に読み進めた終盤ではなんとなくそうかなと思った展開だった上にそれはずりぃよって思ったところがあったのでちょっとテンション下がったりしたものの、最後にやられた!となり全体的にはとても満足しました。
最後のページ、直感的にバッドエンドだと思ったんだけどどうなのかな -
本屋大賞発掘本で知り購入した作品。
井上夢人さんは名前は知っていましたが読むのは初めてでした。31年前の作品でしたが、最近の作品みたいに感じました。すごく面白くて夢中で読めました!
タイトルとあらすじだけで読んだほうが楽しめると思います!
フロッピーディスクなど昔の物が出てくるので懐かしさもあり良かったです。
読み進めるにつれてどんどん主人公に変なことが起きてきます。最後までどういうことなのかわからなかったです。
少しどういうことか分かりづらい部分もあったけど、最初から最後まで良かったです! -
どんな作品かを知らずに読む本はやはり面白い。先の読めない面白さを味わうことができた1作だった。うすうすそうじゃ無いかなと思い始めてもなかなか確信へとは至らない。さらに、読みすすめていくと予想を超えた結末が待っていた。ジャンル絞った読書もいいけれど、たまには自分の範囲外の本を読む楽しさを思い出させてくれる作品でした。
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最初の向井洵子の日記から、先が気になってはいたものの、頭を整理しながら読むのが大変だった。
途中で、もしかしてと思い始め、でも、どこまで?ってなって、え?もしかして?ってなってからは一気に読み進められた。
自然に生まれたってのが不思議だな。
日本にはいないって、この小説の中では言ってたけど、実際にいるし、そういう本もたくさん出てるから読みたいなと思う。
結末は、結局は読み手が決めることだけど、受け入れられる器がその人にあるとは思えないけどな。