- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062750042
作品紹介・あらすじ
隠売女(かくしばいじょ)(売春)の罪で36人が検挙された。彼女らに前代未聞の刑“吉原送り”が敢行されようとしている。しかも、奉行所は彼女らを入札(いれふだ)で吉原者に値をつけさせて、その金を御金蔵に納めるという。世間の非難を浴びるであろう刑に反対する紋蔵は一計を案じるが……。表題作「四両二分の女」ほか全8編収録。「物書同心居眠り紋蔵シリーズ」第6弾。(講談社文庫)
感想・レビュー・書評
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今回も数々の難題が紋蔵のところに。
いくつもの事件を解決に導く紋蔵にいよいよ定廻りの任命が?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
目次
・男運
・制外の役
・四両二分の女
・銀一枚
・猫ばば男の報復
・腐儒者大東桃昏
・湯島天神一の富
・名誉回復の恩賞
自分の器量に値段がつけられたら、そしてそれがダントツにお安かったら、ショックだよねえ。
紋蔵がしたかったのは、お上が女性を吉原に売って、そのお金を国庫に入れる(御金蔵に納める)ことの是非を、庶民の口を通して突きつけること。
けれど庶民はそんなことどうでもよかった。
高値で買われた女の顔や、安値の女の顔を興味本位で見に行っては騒ぎ立てるだけ。
紋蔵のしたことは、思いがけずに苦い結果を生んでしまった。
「腐儒者大東桃昏」は面白かった。
融通の利かない儒者が、儒者としての自分の生き方を通し切った結果、人生180度変わるという…。
逆に「湯島天神一の富」の勝馬龍水という男、融通無下に善悪を行きつ戻りつ、捉えどころがないくせに器の大きさが痛快。
今後も出てくると愉快だと思う。
ついに出世が約束された紋蔵だけど、この先もシリーズとしては物書き同心になっているので、また空手形なのでは?と思いつつ、次を楽しみに待つ。 -
なんだか普通の捕り物帳になってしまいましたね。
佐藤さん、物堅いですし、公証はしっかりしてるし、それはそれで凄いのですけど。
このシリーズの魅力は、居眠りという奇病ゆえに人から軽んじられる主人公・紋蔵が、普通は丸めている肩を、ここぞという場面で凛々しく立ち回る姿に有ったのですが。。。
なんだか紋蔵が格好良すぎるのです。上司からも頼られて。
そうなると、単なる捕り物帳なんですよね。。。。
この物語の最後で、紋蔵は念願の定周り同心になってしまいます。
う〜〜ん、どうしようかな。
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じんわり、しみじみ面白い。
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物書同心居眠り紋蔵 第六弾
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初版本
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シリーズ6作目