一葉 (講談社文庫 と 31-4)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750103

作品紹介・あらすじ

15歳で戸主になり、貧しさゆえ作家になる決意をした樋口一葉。小説の師・半井桃水への恋情、歌塾・萩の舎での屈託を抱え、極度の借金に追われながらも、わずか十数ヵ月で鴎外、露伴らから絶賛され近代文学の頂点に立つ。24年の生涯を全力で生ききった、稀有な天才作家の儚くも美しい足跡を綴る、感動の長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 新五千円札の顔、樋口一葉の生涯を描く。
    若くして戸主となった夏子(一葉の本名)は、両親が必死の思いで手に入れた士族という身分を誇りに、どうにかして貧しさから抜け出そうと苦悩する。やがて見つけた道は、“閨秀作家”として世に出、家族を養おうというものだった。そして、師としてその門をたたいた桃水を生涯愛することに・・・。
    自分はお金のために書くのか、名誉のため、文学のために書くのか、もしくは愛のためか・・・、日々懊悩する夏子。しかし、そのどれもが夏子の小説にとっては重要な動機だったに違いない。
    繰り返される“閨秀作家”ということば。その響きの通り誇り高く、しかし愛すべき女性として彼女は描かれている。

  • 樋口一葉のその人となりが、「小説」ではあるけれども垣間みれたような気がする。
    もっと「儚い」人かと思ってたけど、結構したたかに生きた人なんだなぁ。
    お金に苦しんだ一葉が今、5000円札を飾ってるっていう…、
    本人が知ったらどう思うんだろう…。。

  • 父と兄が相次いで亡くなり、15歳で一家の戸主となった夏子。
    病弱な夏子がお金を稼ぐには小説家になるしかなかった。
    貧困、借金、恋、病気-24歳で夭逝した樋口一葉生涯を描く。

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著者プロフィール

1944年、福岡県北九州市生まれ。
同志社女子大学英文科卒業。商社勤務ののち、90年、尾形光琳の生涯を描いた「雁金屋草紙」で第一回時代小説大賞を受賞。
主な作品に、「あがの夕話」「後朝」「萌がさね」「想ひ草」「蔦かづら」「一葉」「漱石の妻」などがある。
また、近著の「兄いもうと」では、妹・律の視点から正岡子規の壮絶な生涯を描き切り、子規の解釈にも一石を投じた。

「2014年 『花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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