ラグナロク洞 《あかずの扉》研究会影郎沼へ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750820

作品紹介・あらすじ

嵐による土砂崩れで奇怪な洞窟に閉じ込められた"あかずの扉"研究会のメンバーを襲う連続殺人。作中で示される"ダイイング・メッセージ講義"に倣うかのように、不可解な文字と言葉が連発される。死者たちを結ぶ"神々の黄昏"神話の根源を読み解け!本格推理の王道をいく、堂々の超技巧派ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いけど、、という感じ。

    探偵が推理してひっくり返されての繰り返しが少しくどい。説明も分かりにくい。

    だが、ダイイングメッセージ講義は他に類を見ないほど細かく、あの見取り図2枚の仕掛けも上手い。
    そして何よりあの"名前に込められた謎"が圧巻で、名前に仕掛けを、というのはよく見るが、その中でもトップクラス。
    ユーモアがあるというよりもはやネタのような文章(褒めてる)、散りばめられたミステリ小ネタも健在。

    でも結局それ以外は...という感じで、期待が高かっただけに、面白かったのだが少々期待外れだったかもしれない。

  • 開かずの扉シリーズは、本当によく作り込まれている。それゆえややこしい部分もあるが、作者の本格好きが伝わってきて好きです。

    ただ今回は、ほとんど洞窟の中が舞台で少し退屈ではあった。登場人物も、開かずの扉研究会の面々以外は影が薄い。またそれ故に大量殺人の割に緊張感もあまりない。キリスト教関連の名前のつく人たちが殺されていくが、そこはちょっと無理な感じはした。ほとんどダジャレのようなものもあり、たまたま名前にワードが入ってただけで殺されるのは理不尽極まりない。

    しかし、やはりトリックは見事だ。斜め45度に傾けるトリックや、解決シーンの何度も解体され構築し直される推理合戦もよい。伏線も細やかに張られている。

    鳴海さんのダイイングメッセージ講義もおもしろかった。実際の事件でダイイングメッセージが残っていたら、それは犯人の工作だと思え。

    いつもタイミングが合わず中々出てこない鳴海さんが、今回はたくさん活躍していて嬉しかった!

  • 地下ホテルを舞台にした『嵐の山荘もの』です。ダイイング・メッセージやミッシング・リンクを取り入れるなど、王道を意識した設定です。
    お話自体は面白いと思いましたが、閉じ込められて人が死んでいく状況なのに切迫感がないのが気になりました。
    ミッシング・リンクは「何を示しているか」については楽しめましたが、なぜ、わざわざミッシング・リンクを作ったのかという理由付けが不十分のような気がしました。トリックも添付図を見ただけで分かってしまったので消化不良でした。
    また、ミステリー好きなら知っている名探偵や建築家の名前が登場するなどニヤリとさせられる小道具が沢山ありましたが、ミステリー初心者にとってはついていけない部分なので、ハマる人が限られる作品だと思います。

  • 今回サクサク読めました!

    ユイが助けに来たシーンでウルッときてしまうくらい、キャラに愛着が湧いてきて、推しの咲さんがあまり出てこないにも関わらず凄く楽しめた。

    ダイイングメッセージ講義、面白かった!

    二転三転する推理は、やっぱり二人の名探偵&ワトソンカケルがいるからこその醍醐味かなと思う。

    霧舎さんの小説は、映像化したら凄く楽しそうなんだけどな。
    次は最終マリオネット園!読みます!

  • お屋敷、孤島ときて洞窟。ダイイングメッセージにミッシングリンクとくればミステリ好きにはお腹一杯。でもまだ食べたい。
    トリックとしてはこれまでのものに比べるとかなり分かりやすい。ダイイングメッセージ講座も、ダイイングメッセージ部分だけでなく、他の謎解き部分のヒントにもなっているのでさすがだと思った。実際にダイイングメッセージが残ってること何てあるのだろうか。

  • どんでん返しに継ぐどんでん返し! みたいなのが好きな人ならいいかも。
    人がいっぱい死ぬわりには暗さもなくて、さくさく読める。
    終わり方が少々あっさりすぎな感じ。

  • 2015年8月29日読了。
    2015年119冊目。

  • シリーズ3作目。いわゆる、ABCもの。
    2人の探偵ものの宿命で、またもやメンバーが分断。
    色々メタレベルのトリックがあるし、キャラクター化された人物像だか、逆にマッチしてバランスがよい。
    ダイイングメッセージのくだりが、若干しつこい感じではあるが、テンポよく、サクサク読める展開でした。

  • すごい限定的な地域でコンパクトにまとめられた作品。トリックは面白かったんだけど場所に変化がすくないからちょっとあきてくる。

  • 3+ 

    シリーズ3作目。このシリーズを読むのは1作目以来。2作目がなかなか手に入らないので(と言ってもそれほど躍起になって探しているわけではいが)ひとつとばすことにした。霧舎学園シリーズも既に10月まで読んでしまったし、こっちも早く読んでおきたい。

    関係者の氏名に駄洒落のような意味合いを持たせるプロットは、さすがに安っぽさが目立ち、ちょっと厳しい。加えて犯人の指摘に直結する要素の一つである名刺の扱いもかなりあからさまで、名刺の図版が出た時点でそれがどういう意味を持つのかが丸わかり。もう少しさりげなくできなかったものか。雰囲気といいキャラクターといい好きな部類の本格ものだが、出来には多少ケチをつけたい。

    しかし、個人的にとてもときめくシーンがあったことで本作は心に永く残るだろう。
    洞窟に閉じ込められ、殺人が起き、犯人と間違われ、不安になり、ユイを思い出して極度に寂しくなってしまったカケルは、涙をこらえきれなくなり、その姿を同室の名探偵に見せまいとひとり風呂にこもる。そんなとき頭上の換気口から全くの予想外に落下してきたユイが放ったひと言。
    「助けにきたよ、カケル」
    いやあ参った。その少し前の場面で、地上のユイが避難はしごを見つけたときに、“この先こんなシーンがあったらいいな”と夢想していたものとほぼ同じやりとりが目の前で展開されている。これにはやられた。ニクいぞ霧舎。
    まあ、個人的にはそこが本作のピークだったことが残念なのだが。

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