スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062755177

作品紹介・あらすじ

当代を代表する人気作家が、一九七〇年からの30年間に発表された膨大な数の短編ミステリーのなかから、"お気に入り"をセレクトした、「謎」シリーズ。記念すべき一巻目の選者は、東野圭吾。彼が選んだ8作品に加え、選者による解説も収録。作品から読んでも、解説から読んでも楽しめる究極のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾さんセレクトのミステリー8作。
    東野さんの解説と併せて読むと更に分かりやすい。

    松本清張さんの「新開地の事件」
    時代背景、土地背景からの事件、まさかの真実。

    日下圭介さんの「緋色の記憶」
    背筋がゾッとするような結末と明らかになる真実。
    なるべくしてなった結末か。
    わがままはダメです。不幸の元です。

    高橋勝彦さんの「北斎の罪」
    北斎漫画のドキュメンタリーのようなミステリー。
    リアルな推理の展開に引き込まれていきます。

    連城三紀彦さんの「ぼくを見つけて」
    大人の事情で変わる子供たちの運命。

    小杉健治さんの「手話法廷」
    障がい者の方の職場での悲劇的アクシデントから一方的解雇。
    障がいある方の支援をされていた健常者が障がい者の立場になった時の心の葛藤。
    そして最後は人と人との信頼。
    社会問題ミステリー。

    宮部みゆきさんの「サボテンの花」
    子どもたちと理解ある教頭先生の心温まる学校ミステリー。心がほっこりします。

    などが個人的には良かったなあー。

    中でも松本清張さんと日下圭介さんの作品が、特にインパクトが強く印象的でした。

  • 違う作家の作品を一度に読む機会は少ないからとてもおもしろかった。個人的に、ぼくを見つけてが好きだった。連城三紀彦、読んでみたい

  • 東野圭吾が選んだ自分意外の作家の短編集。
    松本清張の作品は、ボキャブラリーが難しくて読むテンポが遅くなる。
    赤川次郎は読み易く、この作家の作品なら読んでみようかなと思う。
    自分に合う作家と合わない作家が認識出来る本でした。

  • 大人気の作家さん達が、1970〜2000年の間に発表された短編ミステリーの中からお気に入りを選んだアンソロジーです。001は東野圭吾さんによるミステリー傑作選。面白くないわけないよね。どの話も面白かった!宮部さんのお話しは心温まるお話しでした。また読みたくなると思う。

    『新開地の事件』松本清張
    『母子像』筒井康隆
    『双子の家』赤川次郎
    『緋色の記憶』日下圭介
    『北斎の罪』高橋克彦
    『ぼくを見つけて』連城三紀彦
    『手話法廷』小杉健治
    『サボテンの花』宮部みゆき

    『スペシャル・ブレンド・ミステリー』
    002宮部みゆき
    003恩田陸
    004京極夏彦
    005伊坂幸太郎
    006今野敏
    007桜庭一樹
    008辻村深月
    009綾辻行人
    010大沢在昌

    ですって。どれも読んでみたいなぁ。湊かなえさんもそのうち選者になるかな?

  • これを読みたい!というのがなかったのでアンソロジー作品で「東野圭吾」選の『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001』を読みました。

    「松本清張」や「筒井康隆」、「赤川次郎」、「宮部みゆき」等、8人の超メジャーな作家の作品が読めるだけでなく、日本推理作家協会理事長「大沢在昌」の序文や選者「東野圭吾」の解説まで付いていて、とても豪華なアンソロジー作品です。

    -----story-------------
    当代を代表する人気作家が、一九七〇年からの30年間に発表された膨大な数の短編ミステリーのなかから、“お気に入り”をセレクトした『謎』シリーズ。
    記念すべき一巻目の選者は、「東野圭吾」。
    彼が選んだ8作品に加え、選者による解説も収録。
    作品から読んでも、解説から読んでも楽しめる究極のアンソロジー。
    -----------------------

    本作品には以下の八篇のミステリー作品が収録されています。

     ■新開地の事件 松本清張
     ■母子像 筒井康隆
     ■双子の家 赤川次郎
     ■緋色の記憶 日下圭介
     ■北斎の罪 高橋克彦
     ■ぼくを見つけて 連城三紀彦
     ■手話法廷 小杉健治
     ■サボテンの花 宮部みゆき


    「東野圭吾」が選んだだけあって、どれも一定以上のレベルの作品で、どれも愉しめました。


    その中でもイチバン印象に残ったのは「松本清張」作品の『新開地の事件』。

    初期の作品らしいですが、さすが「松本清張」作品… クオリティが高いですね。

    何気ない日常に潜むドロドロとした人間関係に起因した殺人事件、特に男女の欲望が巧みに描かれているところが「松本清張」らしい作品でした。

    犯罪の原因となった男女関係については予想通りでしたけどね。

    歳は重ねても、女は女なんですよねぇ。


    「筒井康隆」作品の『母子像』はミステリーというよりはSFっぽいとというか… あえて言うなら幻想小説という趣の作品。

    身体の一部が異次元に行ってしまい、戻ってこなくなるところは、怖さと哀しさを感じさせられましたね。

    「筒井康隆」らしい作品でした。


    「赤川次郎」作品は久しぶりに読みましたね。

    多分、20年以上読んでなかったと思います。

    収録されている『双子の家』は、とても読みやすかったですね。
    そこが「赤川次郎」作品の特徴なんですけどね。

    双子の兄弟が、お互いに殺される… と疑心暗鬼になって警察に相談し、刑事が似通った兄弟の家に招待され、その場で事件が勃発、、、

    なかなか興味深い展開で、愉しく読めました。


    「日下圭介」作品は初めて読んだのですが、とても面白かった。

    『緋色の記憶』はモノローグ形式(登場人物の語りで進んでいくお話)の作品で、手紙や証言で代わる代わる登場人物が事件について語る中で、徐々に真実が明らかになる、、、

    父は母を憎み、母は娘を憎み、娘は母を憎み… そして父が母を殺そうとして毒を使うのですが、その毒で母は娘を殺そうとし、そして結果的には娘は母を殺そうとして、結果的には父を殺してします。

    う~ん、背筋が冷たくなるような作品でした。
    でも、こういう作品、嫌いじゃないんねすよね。(というか好みです)


    「高橋克彦」作品も初めて読んだのですが、ちょっとマニアックな内容で、今ひとつ感情移入できなかったですね。

    『北斎の罪』… 浮世絵とミステリーという、一見、関連性のないモノを巧くまとめているなぁ とは思いましたが、浮世絵や「葛飾北斎」に興味がないと、ちょっと厳しいですねぇ。


    「連城三紀彦」作品も初めて読んだのですが、収録されている『ぼくを見つけて』は、ミステリーなんですが切ない物語でしたね。

    息子を殺され、その直後に産まれた息子も出産直後に亡くなってしまう… だからと言って誘拐が許されることではないですよねぇ。

    誘拐(本作品では、本人が誘拐されていると気付くのが9年後なんですけどね)を警察に気付かせるため、子どもが一生懸命知恵を絞る姿に… 泣けそうになりましたね。

    ホント、切ない作品でした。


    「小杉健治」作品も初めて読んだのですが、収録されている『手話法廷』は、障害者の差別問題を全面に押し出したミステリー作品。

    ミステリーとして愉しむ作品ではなく、障害をかかえた人間の大変さや辛さを訴える作品でしたね。

    手話の通訳を通じた法廷でのシーンが、とても印象的でした。


    本作品のトリを努めるのは「宮部みゆき」作品。

    収録されている『サボテンの花』は、ミステリーではなく、教師と生徒の心が通い合う感動の物語。

    教頭先生の夢、「この世に一つだけしかない酒。そんなものがもしあるなら、飲んでみたい」を実現すべく生徒達が奔走します。

    そして、退職した教頭先生への二つの贈り物… 感動できる作品でした。


    アンソロジーって、当たり外れがありますが、本作品は大当たりでしたね。
    愉しめました。

  • これ。すごい。

    東野圭吾がオススメする短編をぎゅっと集めた一冊。東野圭吾好きにもたまらないし。ただただひたすらミステリー好きにもたまらない一冊。

    一つ一つ作者が違うので、全て描き方やプロットが全然ちがってて。毎回読み始めるのが楽しい。

    全く違う描き方なのに、どの作者も最初の1ページ目ですぐに自分の世界に引き込んでくる。

    うわ!

    と、思いました。

    短編集だからすぐ読み終えちゃうので。楽しみすぎるのと、ホント一気に一つの物語読みたくて。時間の配分めっちゃ気を使うくらいに楽しんだ一冊です。

    わたしの大好きな東野圭吾と宮部みゆきが同じタイミングで作家になり、東野圭吾さんのあとがきで、ホントにすごい人だなと思ってずっと見てました。と。一言読んで。いやーホントこの2大ミステリ会の大モノがいてくれたおかげで、わたしもこんなにも本に嵌められたな。と。改めて思うあとがきでした。

    この時代に生まれてよかったとすら思うよ。

    宮部みゆきと東野圭吾の一番活躍してる時代に、リアルタイムで読める幸せ。噛み締めます。

  • 東野圭吾さんのお気に入りミステリー作品。
    8人の作家さんによる短編ミステリー。

    実は読んだことのない方もちらほらありましたが、名前はもちろん知っている方ばかり。
    年代もさまざま、すごい顔ぶれになっております。
    個人的には連城三紀彦さんの『ぼくを見つけて』と小杉健治さんの『手話法廷』が好きでした。

  • 色んな作家の色んなミステリーが読めるのでお得
    ただ、明らかにホラー的な話が混じってたりする

  • ようやっと読み終えましたけれども、なかなかに面白かったですね! 筒井康隆の作品はミステリとは違うような気がしましたが…でも、面白かったです!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    個人的には小杉健治さん? という人の作品が印象に残りましたかね…裁判シーンから人情噺まで…盛りだくさんの内容でして、他の著書も読んでみたいと思いましたねぇ…。

    宮部みゆきの作品も、いつもながら登場人物たちの喋り方が気になるのですが(笑)、最後まで読んでみて心がほっこりするような作品だと思いましたねぇ…。

    あとはまあ…色々ありましたが、よく覚えてないですね(笑) このアンソロジーを組んだ東野さんの作品ももっとよく読んでみたいと思いました!

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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著者プロフィール

一般社団法人日本推理作家協会。推理文芸の普及・発展を目的とし、日本推理作家協会賞、江戸川乱歩賞の授賞、「推理小説年鑑」などの編纂、機関誌の発行などを主な事業とする。

「2017年 『推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

日本推理作家協会の作品

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