キマイラの新しい城 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 499
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758178

作品紹介・あらすじ

「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」フランスの古城を移築後、中世の騎士として振舞い始めた江里。750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作(いするぎぎさく)は、殺人事件に遭遇する。嫌疑をかけられた江里が向かった先は……。ミステリの枠に留まらない知的エンタテインメントの傑作! (講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと特殊な設定のため、
    最初はカタカナが頭に入らない。。。

    すごく好き嫌いは分かれそうな気がする。

    最後のオチもえっそうなの?という感じで、
    あまり好きではなかったけど、読ませる力はさすが。

  • 殊能先生が亡くなられて、もう1年が経つのですね…。ご逝去の報に接した当時、ハサミ男を是非読もう、と思いながらも時間ばかりが経ってしまった(汗)。そして、何故かハサミ男ではなく、絶筆の作品となってしまった今作から入るという邪道っぷり…←
    だって、お城の平面図に…滾ってしまったんだもの…←←

    ※以下、トリックのネタに触れまくってます(一応伏字)。未読の方はご注意ください。

    750年前に殺害された亡霊が、「自分の死の真相を解明してほしい」と依頼する設定や、亡霊の視点から見た現代日本の描写が面白い(笑)。
    ぶっちゃけてしまいますと、750年前の殺人事件と現代で起こった殺人事件の謎解きは、呆気に取られるくらい味気ないです。平面図に書かれていない出入り口、っていう設定そのものは綾辻先生の館シリーズで免疫がある私には許容範囲ですよ。それでも、×××はないでしょ、×××は~(笑)。

    実際の殺害トリックよりも、やはりミステリスキーの端くれとしては、名探偵イスルギー(笑)が途中でぶっこんできたトンデモトリックが良かったですね~。城がまさかの××しちゃうなんて、盲点でした(笑)。
    赤川作品にも、【建物が凶器】っていうトンデモトリックがありましたが、このトリックもそれに類するものですね。こういうネタは、現実性とかどうでもよくなるくらい、「ようやってくれた!その意気やよし!」と嬉しくなってしまうのが常でございます(笑)。

    GW中にハサミ男も読めたらいいな~


    750年前に密室と化した塔の中で背中を刺され死亡した騎士が、現代の日本に甦った?!「我が死の真相を探る魔術師を呼べ」――そうして呼び出された探偵・石動戯作だったが、事件検証後に関係者の一人が撲殺されてしまう。嫌疑をかけられた騎士の嫌疑を、石動は晴らすことができるのか?

  • 解説にあるように変な小説。
    石動探偵シリーズ5作目。
    中世の騎士が現代の社長に乗り移り事件を巻き起こす物語。
    中世の物語は面白く、途中のトリックの解説は感心する。

    読んでる途中で殊能さんの訃報を聞く。
    ご冥福をお祈りいたします。

  • これが遺作なのか……。
    巻末解説に拠ればバカミスだそうだが、二つの密室殺人のトリックはどちらも脱力もの。ことに現代で起きる秘書殺しのトリックには怒った方がいいのかも知れない。とはいえ、このトリックを成立させうることから逆算した結果、中世の騎士が現代に現れる設定にたどり着いた気もする。でもやっぱりマイケル・ムアコックが先なのかなあ。古城の密室に対する、水城探偵のやっつけ推理にも爆笑。先例について色々言われていますが、そもそも推理の根拠が「天○」なら、成り立たないじゃないか。

  • 今度は中世ヨーロッパの騎士が現代に甦り、750年前の死の真相を石動が解き明かす!?本当に色々と楽しませてくれるなぁ。もう何が起きても驚かない自信はあった(耐性は付いた)が、これが名探偵石動の最後の事件かと思うと物足りない。
    もっと読みたかった。。。

  • 非常に面白かった
    黒い仏を読んでいたからこそ楽しめたのか、、
    水城優臣の登場で胸が高鳴る!
    石動は今回も全然名探偵じゃないのがいい
    このシリーズの続きがもうないのが悲しい、、

  • かなり読みづらかった、、コメディだよね?
    一件落着、ということでエドガーさんも落ち着いて何より。

  • コメディ要素強め、かな。「黒い仏」で振り落とされなかったなら問題ないかと。
    石動が相変わらずイスルギィという感じだったけど、まかの水城優姫登場で歓喜しました。テレビ見ながら通話しながらという、片手間で推理。流石。
    エドガーのロポンギルズでの立ち回り、かっこよかった。あれについていけたカゲキも凄いけど、本当に声をかけなきゃよかったね、としみじみ思った。いい人故に巻き込まれ。
    エドガーの死の真相は、切なかった。どんな思いで日々を過ごしていたのか。

    これから先、シリーズが続いていけば、石動とアントニオと時々水城で活躍するのだろうなと期待がどうしても膨らむ話だった。でも、もう二度と、このシリーズの続きが読めないのが悲しい。
    シリーズ全部読めてよかった、ありがとう。

  • 石動戯作シリーズ第四弾。最初の方はわりとバカミスって感じなんだけれど、段々キャラクターに感情移入していって最後まで読むとエドガー氏の最期の真相にはわりと胸にくるものがあった。このユーモアとシリアスの落差よ。全体的な事件の真相としてはあっさりと解決したのでミステリとしてはちょっと物足りなかったかな。

  • ※本書は「鏡の中は日曜日」の重大なネタバレがあるので、そちらを先に読むべし。
    面白かった。伏線の散りばめ方が見事。また、シチュエーションの作り方が凝っていて、オチまで含めてこんなミステリは他に類を見ないと思う。少々冗長な部分はあるが、殊能将之作品の中でも傑作の部類と思う。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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