月蝕の窓 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758345

作品紹介・あらすじ

「赤い大きなお月様」に隠された謎とは?

明治に建てられた洋館、月映荘。惨劇は再びここで起こった。京介とともに晩餐に招かれた医師が撲殺されたのだ。図らずも事件に巻き込まれていく京介の前に、複雑な生い立ちを抱える茉莉、雪音を聞くことができる不思議な少女、綾乃たちが、謎を深めて絡み合ってくる。さらに京介自身の過去が揺さぶられる。

感想・レビュー・書評

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  • 10月25日 読了

    明治に建てられた洋館、月映荘。惨劇は再びここで起こった。京介とともに晩餐に招かれた医師が撲殺されたのだ。図らずも事件に巻き込まれていく京介の前に、複雑な生い立ちを抱える茉莉、雪音を聞くことができる不思議な少女、綾乃たちが、謎を深めて絡み合ってくる。さらに京介自身の過去が揺さぶられる。

  • 京介視点。深春はそんなにも京介の懐に入り込んでいたのか、とちょっとびっくりした。
    綾乃は篠田ワールド!ってかんじのキャラでいいなあ。着物の描写が好き。着物に限らず、篠田さんの、女性の着てるものの描写好き。

    抑圧された記憶とか、解離性同一性障害とかが出てきて、途中ホラー??とか思ったけど、最後の着地は納得。最初に綾乃を相手に超常現象を否定したのもよかった。

    ビリーミリガンは学生の頃すごく流行っていた。記憶の抑圧系の本は他にも読んだけど、それに反証する本は読んだことなかったな。実は抑圧された記憶なんてなかった、というケースの方が多いのか〜
    そういえば、多重人格のドキュメンタリーとかも最近見ないなあ

    過去の事件、現在の事件、真相、犯人と京介の対峙までぐいぐい読めて面白かった。

  • 解説近藤史恵氏。
    長く続くシリーズには少しずつ色彩が変わるおもしろさ。
    成程。。。

    作者の方が後書きで触れていたが、今作京介目線の為苦労したそうで。
    確かに。。。

    過去について、若干触れていたが、あまり明らかにはならなかった。

    何より深春の友情が。
    何があっても見捨てない 寮で出会った当時の約束もずっと守っていそうだし
    こういう人の存在は一生で得るか得られるか位貴重な事だろう。。

  • 今年の本格ミステリー大賞のイベントで篠田さんにサインを頂いた。 天文好きなので「月蝕」というタイトルに惹かれ手に取った。内容は普通な感じ。

  • 今回は京介視点で物語がすすんでいきます。
    かなり痛々しい展開。京介ファンにはたまらんと思います。

  • ■「赤い大きなお月様」に隠された謎とは?

    明治に建てられた洋館、月映荘。惨劇は再びここで起こった。京介とともに晩餐に招かれた医師が撲殺されたのだ。図らずも事件に巻き込まれていく京介の前に、複雑な生い立ちを抱える茉莉、雪音を聞くことができる不思議な少女、綾乃たちが、謎を深めて絡み合ってくる。さらに京介自身の過去が揺さぶられる。

  • 建築探偵桜井京介シリーズの長編8作目です。
    今回の建築は那須高原にある明治建築の洋館「月映荘」です。

    話の発端は1997年。
    月映荘の調査を目的にやって来た京介を含む一行が、
    月映荘の所有者で事件関係者の印南兄妹に出会います。
    事件とは1986年に起こった殺人事件のことで、
    トラウマを抱えた妹の茉莉がパニックを起こした為調査は中断します。
    その3年後の2000年になって調査を再開しようとしますが、
    その前年の1999年に兄の雅長が死亡していました。
    と、時期が前後してややこしいったらありません。
    霊感少女の未来予知やら50年近く前の殺人、
    更に無意識(深層心理?)に多重人格まで絡んできて、
    読者は京介共々煙に巻かれそうになります。
    そこは流石の京介が最後に過去の事件も含めて解説(?)することで、
    読者はいろいろなことが腑に落ちる訳ですが。

    前作(『仮面の島』)くらいから感じるようになりましたが、
    意味ありげな事件関係者の独白とか、
    結構パターン化してきたような気がします。
    京介も最初の頃程寡黙で完璧な探偵役ではなく、
    周りの影響で揺れ動く内心を吐露し始めました。
    庇護欲をそそるような性質はより弱く、
    攻撃的な性質はより強く、
    人物の性格にやり過ぎ感があってちょっとひいたりもしましたが。
    さすがです。
    ストーリーテラーというのでしょうか、
    読ませます。

  • 明治に建てられた洋館、月映荘。惨劇は再びここで起こった。京介とともに晩餐に招かれた医師が撲殺されたのだ。図らずも事件に巻き込まれていく京介の前に、複雑な生い立ちを抱える茉莉、雪音を聞くことができる不思議な少女、綾乃たちが、謎を深めて絡み合ってくる。さらに京介自身の過去が揺さぶられる。

  • 今までは、ほとんどが蒼目線で語られていたので、京介がヤバいのはわかっていたものの
    最小限に抑えられていた?
    本作はほぼ京介目線だったので、危なっかしい事この上ない。
    やはりヤバそうな時は蒼に尻を叩かれて深春が出動するんだけど
    さすがに霊感少女と京介の対面には面食らいました。
    おりしも皆既月食の時に読んでいたのでリアル感増大。
    建築の蘊蓄はほとんどありませんでしたが
    家というか昔の家制度から生まれた悲劇というのでしょうか・・・
    本作の犯人が一番いけすかない奴だったけど
    犯人と京介が似てる発言を京介が認めるところはショックだったわぁ
    全然違うけど・・・
    この事件の最中、蒼は「センティメンタル・ブルー」の最後の事件で
    走り回っているので、最後の方にちょっと顔出しするだけです。

  • お話のテーマが、自分が興味があって本を読んだりした分野だったので、なんとなく話の筋が読めてしまいました。
    でも、何があるかハラハラしながら、一気に読んでしまいました。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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