江戸の検屍官 闇女 (講談社文庫)

著者 : 川田弥一郎

• 講談社 (2008年3月14日発売)

感想・レビュー・書評

[みやさんの感想 · 2008年9月5日]

検死官である彦太郎が、ある日検死を頼まれた事件で、容疑者のおいねという女性に出会う。姉を探していて事件に巻き込まれただけで、決して自分は殺害をしていないと強く言い張る彼女の言い分が正しいのかどうか、彦太郎は検死により事実を明らかにし、彼女の無実を証明した。
この事件をきっかけに彦太郎は、おいねを家に住まわし、姉探しにも協力してやる事にした。そんな中、彦太郎はある女の死体を検死する。しかし、この死体が自殺なのか他殺なのか判別がつかない。
おいねが姉探しを進める一方、彦太郎はこの謎の死について調べ始めるが、次第にこの関連性の無い二つの事件が撚り合わさっていく。

現代の様に設備も技術も無かった時代に、よくこれだけ分かるよなぁとちょっと感心しました。淫絵書きのお月や、健気なおいねちゃんなど、女の子が強く生き生きとしている作品。
ただ、テーマが「検死」なので、ちょっと生々しいシーンも多くある。苦手な人は読み辛い本なので、ランクは☆２つにしてみました。