遊戯 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763653

感想・レビュー・書評

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  • ずっと積読で忘れてたぁ〜

    未完だったんだ…

    続きが気になるが想像するしかないんだね。

  • 文章のリズムが好き。登場人物が好き。物語のテンポが好き。藤原作品に必須の主人公の過去の暗さが好き。必ず癒しがあるのが好き。ユーモアが好き。自転車オジさんは私なりに想像しなから完結しないことで膨らませよう。

  • 朝川みのり。友だちになりたい。彼らの次を知りたい。ホントに残念。

  • 藤原氏らしく洒落たハードボイルド風味の作品です。
    後半に入りかけたところで残念ながら絶筆。亡き藤原氏への敬意を込めて星5つです。
    最後まで読みたかったなあ。

  • 幼い頃の傷を抱えて死んだように生きている"jamrice"こと本間と、感性が澄み、透明感のかたまりみたいな"パリテキサス"朝川みのり。このまったく接点のないように見えるふたりが、ふとした出会いから少しずつ距離を縮め、いつの間にかお互いを必要としている。
    ふたりのちょっとしたやりとりが核心をついていてとても惹かれてしまう。

    「ネットって銃をうつのに似ていると思うんです。
    ほんとうに人を殺したという実感がともなっていない」

    ふたりの周りに謎の男が現れ、不気味な影を残す。
    5つの連続した短編のなかで本間とみのりのふたりの距離は近づいていくが、謎の男の正体はついに明かされないまま物語は未完に終わります。
    完成していたならば、どんな結末だったんでしょう?
    もはや知ることはできないけれど、この本を読むと、なんだか切なくて、いとおしい気持ちになる。

  • 先が読みたかった。
    この人の文章が私は好きだ。

  •  前にも何度か書いたけど、藤原伊織はぼくにとって特別の作家だった。「テロリストのパラソル」の衝撃以来、「ひまわりの祝祭」、「てのひらの闇」と続く一匹狼たちの系譜に心揺さぶられ、人生を鼓舞された。人が生きるということはどういうことか、生きる価値とは何なのか、を強烈に問いかけてくる。命よりも大切なもの、守らねばならないものがあり、そのためにこそ人は生きる価値がある。人を魅入らせる恐ろしい思想かもしれない。
     その彼の早すぎる死からもう3年になる。もうこれで藤原伊織は読めなくなるのか、本当に泣きたい気がした。遺された作品はあまりにも少ないけれど、どれもが傑作といっていいものだった。東野圭吾や真保裕一ほどとは言わないけれど、もう少し書いてほしかった。
     この本はその遺作集。これと、遺作となった長編「名残り火 てのひらの闇II」が死後に刊行された。「名残り火」ももちろん手元にあるが、もったいなくて今だに読めないでいる。
     表題作の「遊戯」は絶筆となった連作短編集で、5編まで書かれて未完のまま中断している。本間とみのり、2人の主人公の造型がきわだっていて魅力ある。周りを固める脇役陣も相変わらずうまい。ストーリーは不審な自転車男が出没したりしてミステリー仕立てになっているが、いかんせん中絶しているので謎が残されたままだ。でも帯にあるような最大の謎というわけでもない。章立ての一つ一つができのいい短篇になっているので、もう少し続きを読みたいとは思うけれどこれはこれでいいのかもしれない。未完でも十分楽しめる。

  • なんでこんなにキューっとなるんだろう、
    連作短編だけど、1編ごとにちょっとした小休止のような結末を見せ、
    でも確かに繋がっている。
    本間とみのり。この二人が素晴らしい。
    出会いも、距離のつまり方も珍しい二人だが、すごくいい。

    全体としては未完であるけど、二人が近づいたところまで
    読めて良かった。
    本当は先が知りたいし読みたいけど、もう仕方ない。

    オルゴールも素敵だった。
    なんていうか、ロマンチックな藤原さんが凝縮されている感じだ。

  • 読むんじゃなかったとちょっと思ってしまうくらい続きが気になる。みのりはダナエの子にも似てるしテロリストのパラソルの子にも似て中性的で頭がいい。でもみのりの純粋さみたいなのが一番好き。
    オルゴールは優しい。短編はダナエと本作しか読んだことないけど、ほんとに優しい。

  • 未完結、ラストが気になる。
    どんな結末を考えていたのだろう

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著者プロフィール

1948年大阪府生まれ。東京大学仏文科卒。85年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。95年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、同作品で翌年直木賞を受賞。洗練されたハードボイルドの書き手として多くの読者を惹きつけた。2007年5月17日逝去。

「2023年 『ダナエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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