双面獣事件(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.04
  • (2)
  • (6)
  • (11)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 117
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768634

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 清涼院流水のデビュー作を彷彿とさせる上巻。この時点で嫌な予感しかしない人とはミステリの趣味
    が合うと思います(笑)。

    上巻では、血みどろの殺戮を繰り返す魔獣「双面獣」事件の数少ない生存者達の証言を集めています。
    怪物の仕業としか思えない犯罪現場の描写が、かなりエグい( ; ; )
    合間に挟まれる名探偵達の行動が一服の清涼剤でした。それもつかの間、すぐに阿鼻叫喚の地獄絵図が再び描かれて、の繰り返しなので、ページ数の多さとあいまって読み終える頃にはかなり疲弊しますU・x・U

    探偵・二階堂蘭子が追いかける希代の犯罪者・ラビリンスの思惑や戦時中に秘密裏に画策されていた軍部の計画など、読み進むにつれ謎はますます増えていきますが、さて。下巻での蘭子の巻き返しを期待して、☆2つのところ3つにしたいと思います。



    第二次世界大戦の最中、地図に載っていない島々で秘密裏に行われていた数々の計画。多くの大量殺人兵器が生み出されていたそれらの島の一つで、島民のほぼ全員が虐殺されるという事件が発生する。
    そして、時は流れ1970年。
    悲劇の火蓋はまたしても切って落とされた。

  • 二階堂蘭子シリーズ

    ラビリンス・サーガ
    戦争中日本軍に操られた双面獣により殺害された髑髏小島の住民たち。生き残りの女性の回想。鬼貝村の〈海洋開発医療センター〉を襲う双面獣。医療センターの秘密を探る天野冴子と名乗る謎の女。猿神島の惨劇。猿神島の村長、医療センターの所長の秘密。

     2011年6月23日読了

  • つまらない結末思いのほかひどかった。

  • 目から怪光線を発射し、口からは黄色い毒ガスを吐くという「双面獣」が殺戮の限りを尽くすという生存者の回想から始まります。<br /><br />阿鼻叫喚という言葉がピッタリのその殺戮シーンには正直ちょっと引いてしまいました。これだけ大きな謎をぶち上げるミステリー作家は、今や島田荘司か二階堂黎人しかいないのではと個人的には思っています。<br /><br />こんな怪物を登場させて、二階堂先生は一体どうやって収拾をつけるのだろうと興味津々のまま、物語は下巻へと続きます。<br /><br />本巻前半の独白部分は真実を語ったものだろうかと疑いを持ちましたが、後半部分で、二階堂蘭子が現場検証をし、証言どおりの惨状の跡が確認されるに至って、一応事実らしいと納得しました。<br /><br />でも何かありそうな気が・・・。

  • 2011/1/15 Amazonより届く。
    2019/4/6〜4/13

    久しぶりの蘭子シリーズ。狂気の研究から産み出された双面獣が繰り広げる惨劇。その影にラビリンスの存在。王道のストーリーではあったが、ちょっと長い。もう少しスッキリかけたのでは?ひょっとして、下巻で全部回収されるのか?

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×