双面獣事件(下) (講談社文庫)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768641

感想・レビュー・書評

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  • なんとも悪趣味だなぁという感想が正直なところ。冒険小説にしては悪夢じみているし、探偵小説としてはなんだか消化不良。
    覇王の死にて完結するのでしょうか。

  • ※真相にもろに触れています。
    未読の方はご注意下さい~U・x・U


    私は何度、「推理小説家は推理小説愛好家の期待を裏切らない」という固定観念に裏切られれば気が済むんでしょうか/(^o^)\

    怪物が人々を蹂躙する残虐なシーンが上巻でこれでもかと記述されていたと言うのに、

    「いや、これはあまりの恐怖で生存者達が錯覚したんだな、きっと」

    やら、

    「もしかしたら、生存者っていうのは方便で、こいつらこそ人工的に造り出された実験体なんでは⁈」

    やら、とにかく「本格推理小説」たらしめようと勝手に想像を膨らませていたんですが。

    双面獣の存在確定した時の、自分でびっくりするくらいのガッカリ感\(^o^)/

    これは、「謎解きを楽しむ」類のものではなく、「戦争犯罪の真相究明に、異なるスタンスで挑む名探偵と殺人鬼の追走劇を楽しむ」種類の小説です。…何か、あの残虐な描写のある作品を「楽しむ」って書くのは抵抗感があるな…ま、いっか←

    二階堂蘭子は結局、連続殺人鬼ラビリンスに遅れを取ったまま終わります。大逆転劇があるに違いない!最後にはラビリンスに一矢報いるに違いない!と縋る気持ちで読み進めたら、あの結末です。正直、肩透かし。ラビリンスとの対決をシリーズとして扱っているとしても、これではあまりに蘭子が不憫です。

    彼女にあまり探偵としての魅力を感じない、と既読の作品の感想では述べましたが、今作は探偵としての活躍に明らかに精彩を欠いており、「謎を明らかにする探偵」ではなく「終始ラビリンスに追随した解説者」としての役割しか見出せませんでした。
    名誉挽回に期待して、限りなく☆2つに近い☆3つを付けさせて頂きます。
    何か、逆に応援したくなってきたぞ、蘭子!
    頑張れ、蘭子!!



    相次ぐ凄惨な事件の生存者達から話を聞き、事件現場に足を踏み入れた一行。ラビリンスに肉迫する彼らは、しかし相手が操る「双面獣」の対処に苦慮する。その上、ラビリンス以外の人間達の暗躍も浮き彫りとなり、事件は三つ巴の様相を呈する。
    果たして二階堂蘭子はラビリンスの魔手を食い止めることができるのか?

  • 久々の、二階堂蘭子シリーズです。
    いきなり、ある女性の回想から始まり、蘭子の登場する章と交互に、双面獣事件に関係した人々の証言が入ります。
    これらは一見まとまりが無いように見えますが、後に、蘭子の章にぴたりとはまる事がわかります。

    旧日本軍の実験の結果、ラビリンスや双面獣といった異形の者達が生まれた、という経緯が徐々に明かされて行きます。
    「そんな馬鹿な」という事ばかりなのですが、私はこういう話が好きなので、ありだな、と。
    少し、『多重人格探偵サイコ』の、ガクソのような感じ。

    面白かったのですが、全体的に、殺し方がちぎっては投げちぎっては投げ、ばかりだったので、若干飽きると言うか…。
    一夜にして、村が丸ごと消失!とかだと、もっと面白かったのになぁ…と、無茶な事を考えてしまいました。

    「ラビリンス・サーガ」は四部作の予定だそうなので、次の『覇王の死』でどう終わるのか、楽しみです。

  • 知らなかったとは言え、ミステリと信じて最後まで読んだらとんだ肩透かし。SFサスペンスなので一番大事な双面獣の正体は「信じられないけど実在する」というのはムリがあるなあ。
    同じ回想の繰り返しでページを水増しし、最後はほとんど何も解決せず終わり。
    そして蘭子の高飛車な態度&ホームズのごとき根拠のない自信は健在。
    次作は…読みません、きっと。

  • 意外な結末だけど、スッキリしない。ミステリーというよりホラーのようなグロテスクな話

  • 二階堂蘭子シリーズ

    ラビリンス・サーガ
    ラビリンスの狙う鍵。戦争中日本軍の計画した「迷宮計画」の秘密。天野博士の娘・冴子の正体。2人のラビリンス。加治木記者の握る秘密。双面獣に脳を移植された久下沼博士の息子・光也。戦艦陸奥の謎の爆発沈没事件と新しいい信管、双面獣の関係。

     2011年6月23日読了

  • 本作品は一言で言うと二階堂蘭子の冒険譚ということでしょう。元々二階堂蘭子シリーズはそういう面がありますが、今回は特にそのように感じます。特に、ヘリコプターに乗っているときに蘭子がワーグナーの『ワルキューレの騎行』を口ずさんでいたというあたりは、もう「地獄の黙示録」そのものです(もちろん意識してのことでしょうけど)。<br />〈迷宮計画〉〈M計画〉の謎は解明されましたが、肝心の〈双面獣〉についての説明には釈然としませんでした。何だか肩すかしを食った感じ。

  • 2011/1/15 Amazonより届く。
    2019/4/14〜4/18

    うーん、引っ張るだけ引っ張って、この結末。ちょっとなぁ。欲求不満。まぁ、ラビリンスの正体が判明したのが救いか。次の「覇王の死」がシリーズ最後らしいので、それに期待。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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