箱の中の天国と地獄 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 78
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771757

作品紹介・あらすじ

閉ざされた謎の施設で妹と育った真夏。ある朝、施設内に異変が起こり、職員たちは殺戮された。収容されていた他の男女とともに姉妹は死のゲームに強制参加させられる。建物は25階、各階には二つの箱。一方の箱を開ければ脱出への扉が開き、もう一方には死の罠が待つ。戦慄の閉鎖空間!傑作脱出ゲーム小説。

感想・レビュー・書評

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  • いわゆるデス・ゲームものと呼ばれる設定のミステリ。閉ざされた謎の施設で育った主人公たちが,死のゲームに強制的に挑まされる。
    各階に用意されている二つの箱。一方を開ければ脱出への扉が開き,もう一方には死の罠が待つ。
    まるでテレビゲームのような設定の小説。小説というより,実際にゲームをしているような感覚で読んだ。キャラクターもそれほど魅力的とは言えないし,間違った箱を選んだだけでバタバタと人が死んでいくというドライな設定。ときおり,箱の中から新たな仲間が見つかることもあるが,最終的には箱を開けて死んでしまう。
    謎の施設は,遺伝子実験などを行っている施設のようで,登場人物は超能力を持っている人物がいたり,外見がゴリラの人物がいる。こういう設定があまり生かせていない。全体的にアラが多く,つっこみどころも多い。しかし,こういうゲーム的な感覚の小説は,個人的には結構好みなのだ。
    世間一般的な評価はそれほど高くないのだろうな…と思うが,好みの小説なので★3をつけたい。

  • 閉じ込められた建物から脱出するために,各階の箱を開けて死の罠をくぐり抜けていく話。
    この手のデスゲームものは結構好きで色々と読んでいるが,あんまり文章が上手じゃないひとが多い気がする。
    今作も「アタシはビックリして驚いた,ドカーン」みたいな文章。
    話は結構おもしろいのに残念。

  • 先日、読んだ「十五年前のぼく」を「傑作!」だと思ったのは、この本があまりにもひどすぎたせいだと気がつき、感想を書いてみる。閉ざされた空間で理不尽に強要される生死をかけたゲーム。「十五年前〜」同様のラノベ系では王道のシチュエーション。しかし文章はひどいし、登場人物は薄っぺらいし、ルールは複雑すぎる上に破綻が多く、ここまでくると「それ自体が大掛かりなトリックでは?」と。もちろんそんな事はなかったけど。でもこういう本を読む事で、面白い本に出会えた時の喜びが倍増するんだよね。と、自分を慰めたくなる本でした。

  • 矢野龍王デビュー作の極限推理コロシアムが良かったのでこちらも読んでみた。
    ジャンルはまたも自分の大好きな脱出ゲーム物。
    うーん。。。
    さくさく読めることは読めるけどあまり満足は出来なかった。
    かなり運要素が強い上に、そんなうまくいくかなーというご都合主義な展開。
    ラストは最初わからなかったけど、すぐに次のページのヒントで理解できた。

    まあ。。。文庫で860円はちとね。。。

  • 王道の推理ものが好きだけど、たまにはこういう下手物←に手を出したくなるのよね。というわけで、久しぶりの脱出ゲーム物。多分、インシテミル以来だから、かなりご無沙汰かも(OvO)

    脱出の鍵となる箱を次々と開けていってヒントやアイテムを手にいれながら先に進む、という携帯アプリにあるようなゲーム設定。
    箱の解除方法がなかなか凝ってる割にサクサク読ませますが(表が入ってるのが凄く効いてました)、展開を変える為の後半の仕掛けが、それまでの精密なトリック設定をぶち壊したような印象を受けました。これはでも、マンネリ化を回避するには仕方なかったかもしれません(´・ω・`)

    キャラ同志の駆け引きや箱のトリック説明にドキドキしながら、参加者達は人数を減らしながらも脱出へと着実に近付いていくわけですが、いやー、最後、やられた。やられました。生存者達が意外とあっさり外に脱出した時は若干「これだけ?」と拍子抜けしたのですが、ところがどっこい(古)。作者が読者に仕掛けた「衝撃の事実」は、最後の最後で明かされます。
    実は、すぐには意味が分かりませんでした。思わせぶりな主人公のモノローグと、最終ページのあの語句説明。何それ、どういうこと?と、各章の頭に書かれた「犯人のモノローグ」と、最終章の後半数ページを丹念に読んでいくと…

    な ん と い う こ と で し ょ う !!

    作者が仕掛けた驚天動地のトリックに、背筋がうすら寒くなること請け負いです。

    難を挙げると、【ゲームの参加者達が人体実験の被験者である必要があったのか】ということでしょうか。手っ取り早くそれらしい動機をこじつけられるというメリットもあったかもしれませんし、舞台設定同様キャラからも現実味を無くすという効果を狙ったのかもしれませんが、それにしてはキャラが【外部から隔絶された実験体】という性格を全く感じさせません。普通の一般人で何ら問題ないのでは?
    あと、曰くありげな実験体を散々描いておいて、彼等と同じく実験体である筈の主人公とその妹への説明付けがあまりに素っ気ない。ちょっとこの点は気になりました。



    外部への出入りが禁じられた施設で育った真夏は、ある朝、変わり果てた施設職員達の死体を発見する。彼等を虐殺した何者かは、施設に収容されていた若者達の前で、高らかに【死のゲーム】の開催を宣言した。脱出できれば彼等の勝ち。できなければゲームオーバー。
    25階の建物内、各階には二つの箱が置かれている。上階に上がるには箱を開けなくてはならないが、誤った方を選んでしまうと、死のトラップが開けた者を待ち受けていた。

  • 隠れ場所はわかったとき面白かった。

    細かいことはともかく読むゲームとして楽しんだ。

  • 脱出物のデスゲーム。真夏と布袋をはじめ、謎の施設で育ったメンバーが突如デスゲームに参加させられる。

    脱出ゲームという題材は、殺人事件の推理小説などと比べて、自分も一緒になって考えようという気になり、個人的にはとても好き。
    本作も、最初まさか爆弾とは思いもよらなかったが、その後はじゃあ自分だったらどっちを選ぶか、出てきたものをどう捉えるかなど考えながら読むことができた。

    ただ、小説としてストーリー性、必然性などに少し欠けるかなという印象。

  • 命がけのゲーム。

  • 2012/12/16 Amazonより届く。
    2014/8/3〜8/7

    4年半ぶりの矢野作品。前作の極限推理コロシアムと同様、クローズドサークルでのデスゲームもの。アイデアは面白いが、設定などが余り説明されないので、作品世界にのめり込めない感じ。終わり方も何か不完全燃焼。

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著者プロフィール



「2014年 『情報処理教科書 ITパスポート テキスト&問題集 2015年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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