内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)
- 講談社 (2015年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816359
作品紹介・あらすじ
ビル・ゲイツもガンジーもウォズニアックもみんな内向型人間だった!
内向型の人とは、喋るよりも他人の話を聞き、パーティで騒ぐよりも一人で読書をし、自分を誇示するよりも研究にいそしむことを好む人のことだ。アメリカ人と言えば、社交的で自己主張が激しそうなイメージがあるが、実際にはその三分の一が内気でシャイな内向型だという。これはアメリカに限ったことではない。
外向型が重視されるアメリカにおいては、内向型の存在感は薄く、出世競争でも不利になりがちだ。本書は、内向型が直面する数々の問題を浮き彫りにするとともに、あまり顧みられることのない内向型の強みと魅力を明らかにし、その個性を伸ばして生かす方法を模索する。
同時に、外向型の欠点や問題点を挙げ、外向型の人は企業のトップにふさわしいか、チームで作業するやり方は本当に効率的なのか、などの問題も議論する。現代アメリカ社会の内部分裂を浮き彫りにする衝撃のドキュメント!
全米ベストセラー、日本でも各紙、各誌絶賛の一冊。
感想・レビュー・書評
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内向型人間と外向型人間との分析論です。日本でいうと、「繊細さん」になるかと。
内向的な人であればこそ、すばらしい力をもっているということです。
内向型の性格の分析、内向型の接し方を含めたことが語られています。
気になっているのは以下です。
■アメリカの文化
・性格の文化が広まると、アメリカ人は、他人が自分をどう見るかに注目するようになった
・現代の文明は、積極的な「やり手」の人間を重要視しているようだ
・現在では、より外向的になることは成功を導くだけでなく、私たちをより良い人間にすると考えられている。売り込みの手腕を、自分の才能を発揮する方法とみなしているのだ。
・HBS(ハーバード・ビジネス・スクール)教育の本質
リーダは自信をもって行動し、不十分な情報しかなくても決断しなければならない
あきらかに確実性を求めている
判断に時間をかける静かなタイプより、素早く決断する独断的なタイプを重要視するリーダシップは間違っているかもしれない、と考えるきざしがある
あまり弁が立たないメンバーが意見を言っても採用されなかった。生き残るためにも、トラブルを防ぐためにも重要な考えだったのに、雄弁なメンバーたちがあまりにも自信たっぷりに自説を押し通したせいで、無視されてしまったのだ。
■外向型と内向型
外向型 すばやく行動する 時には性急に決定をくだし、一度に複数のことをこなしたりリスクを取ったりすることも平気。金銭や、地位などの報酬をもとめるスキルが楽しい
内向型
ゆっくりと慎重に行動する
一度にひとつの作業に集中するのを好み、すばらしい集中力を発揮できる
富や名声などの誘惑に惹かれることは比較的に少ない。
多くの内向型は同時に過度に敏感である
・内向的であるからといって、内気とも限られない。内気とは他人から非難されたり屈辱を感じたりすることを恐れる性質であり、内向性とは刺激が強すぎない環境を好む性質である
外向型リーダー 部下が受動的なタイプであるときに集団のパフォーマンスを向上させる
内向的リーダー 部下がイニシアチブをとる能動的なタイプであるとき、より効果的である、部下の助言を受け入れやすい
・高反応を行う赤ん坊は、外界からの刺激に対して大きく反応し、成長すると初対面の人間に対して用心深く接するようになる、自分が気づいたことについて深く考えたり感じたり、ものごとに敏感に気づくようになる。
・高反応の子供をもつ親は非常に幸運だ。なぜなら、子育てに手間暇をかければ、かけただけ報われる。我が子は逆境に弱いのではなくよくも悪くも影響されやすいと考えるべきだ。
■共同作業の特性
・ブレストが失敗しやすいのに、3つの理由がある ①社会的手抜き ②生産妨害 ③評価懸念
・内向型人間は単独作業が得意、孤独は革新の触媒になりうる ひとりで働け、独力で作業してこそ、革新的なものを生み出すことができる。
■内向型との接し方
・本人がうまくやる自信をもっていないのに、クラス全員の前でスピーチを強いてはならない。1対1のパートナーとくませたり、少人数のグループ内でスピーチをさせてみたりして、もしそれでも怖がるようなら、無理にやらせてはいけない。
・子どものころに嫌な経験をすると、恐れが一生消えなくなるかもしれない。
・内向性を治療が必要なものだと考えてはいけない。
・内向型の子供はひとつか2つだけの物事に深い興味を興味を抱くことが多く、それを仲間と分かち合うとはかぎらない。
目次
はじめに 内向型と外向型 対照的な二つの性格について
パートⅠ 外向型が理想される社会
1章 誰からも好かれる人の隆盛
2章 カリスマ的リーダーシップという神話
3章 共同作業が創造性を殺すとき
パートⅡ 持って生まれた性格は、あなたの本質か?
4章 性格は運命づけられているのか?
5章 気質を越えて
6章 フランクリンは政治家、エレノアは良心の人
7章 ウォール街が大損し、パフェットがもうかったわけ
パートⅢ すべての文化が外向型を理想としているのか?
8章 ソフトパワー
パートⅣ 愛すること、働くこと
9章 外向的にふるまったほうがいいいとき
10章 コミュニケーション・ギャップ
11章 内向型の特性を磨く方法
終章 不思議の国
ISBN:9784062816359
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:448ページ
定価:920円(本体)
発行年月日:2018年03月29日第4刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、「静かな人の戦略」のなかで、紹介された本だったので読んでみましたが、めちゃくちゃ良かったです。
よく比較される「外向型」人間と「内向型」人間の特徴と利点を検証し、外向型社会のなかで「内向型人間」が、よりよく生きていくための方法を教えてくれます。
人はそれぞれ違うという多様性を認めたうえで、自分なりに「内と外」のバランスをとり、生きていくのがいいですよ!という論旨は、とても参考になりました。
ぜひぜひ読んでみて下さい。 -
今のビジネス界では、社交的で、積極的にリーダシップを発揮するいわゆる外交的人間を必要としている。いかに自分を魅力的な人間としてみせるか、そのノウハウ本として自己啓発本がさまざまに本屋に並ぶ。
では、果たして、皆の前で喋るのが苦手な、1人でいる方が気が落ち着くたいぷのいわゆる内向的人間は〝ダメ”なのか、外交的人間に変身しなければいけないのか、、世の中の半分近くを占めると言われる内向型人間に向けた応援本。 -
・内向的な自分が嫌だ
・どうにかして明るい人間になりたい
・外向的な自分を演じているが、本当はしんどい
という悩みを持ってる人に読んでほしい本
外向内向どっちが上というわけではなく、内向の秘めた能力を開花させるには外向的になるスイッチを作っておくと便利だよ、という感じの内容だと受け取った。
無理して明るく演じていた自分に嫌気が差していた頃だったが、自分のやりたいことがはっきりしているなら、明るく演じることも1つの処世術なんだなと思えた。
まぁ、そこまで到達するのにとても時間のかかる本だったけど...海外の本って例え話はさみがちなのかな? -
私の仕事で頑張ると消耗する苦手な部分や、人間関係で子どもの頃から感じていた生きにくさの原因に通じていて、共感。長所の活かし方や、苦手な部分をうまくやる方法がとても納得。論文みたいな内容で読むのが好きな人以外は読み進めるの大変かもしれないけど、似たタイプの人にはお勧めしたい内容。
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「回復のための場所」をできるだけたくさんつくることと、自分で決めた回数だけ社交の場に出たら、あとは言い訳に罪悪感を感じないで断る勇気を持つことから始めようと思った。