- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816656
作品紹介・あらすじ
15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。
感想・レビュー・書評
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上巻の最後では、内戦に共産党が勝利し、著者の家族は党幹部として、恵まれた生活を享受していたが、下巻でいよいよ混乱の時代が訪れる。
もう波瀾万丈というしかない。
文化大革命により、著者の家族の生活は暗転。お父さんのエピソードでは、こんなに党に尽くしたのに…と家族の悔しさを思うと涙が出そうだった。
大きな河に流されるように、読めます。読み応えのある作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りた。
かつて話題となったベストセラー本のひとつで、現代中国における自伝的ノンフィクション。著者の祖母→母→本人と3代に渡るドラマは重厚だ。
私は中国現代史を知る本として知った。確かに「これが中国の世界観か…」と、理解を深めることができた。
小説としても面白い(が、基本的に「つらい・悲しい・引き裂かれるような逃れられない運命」の繰り返しだ)
ポイントポイントで、「中国人の感覚ではこれが~だ」と説明があるのが外国人にとっても非常に分かりやすい。
下巻は文化大革命から毛沢東の死までの中国現代史キーワードが含まれる。 -
他の人のレビューでパールバックの大地が好きなの人ならおすすめとあったので購入
あのような時代に凄い意志を持った人がいるんだ
今でも不条理な国で生活している人のなかにも
必ず作者家族のような人々がいるんだと思いたい
同じ作者の毛沢東を先に読むと毛沢東の党員への
考えと党員の毛沢東の信仰心のギャップがわかり
より楽しめる -
もの凄い本を読んでしまった。
上巻は祖母や母からの伝聞がベースだったのに比べて、
下巻は本人が実際に経験し感じた事が描かれているため、
とてもリアルで、時に胸糞悪く、
読み進める事さえ出来なくなる描写もあった。
文化大革命って一体なんだったんだ?
何人を殺し、何人を拷問し、何人を廃人にしたのか。
現代の中国の人々はこの現実を知る事なく、
未だ天安門広場に毛沢東の巨大肖像画を掲げ、
この時代に実在などしていない『平等』の理想を信じ、
懐古的憧れに浸り毛沢東を礼賛している。
自分が信じている為政者から虐待を受けるなんて、
本心はどんなだったのだろう?想像に絶する。
分厚い上下巻(各800p越えの文庫本)毛沢東の本、
いつ手をつけるか…。
すぐに読みたい気持ちと怖い気持ちが入り混じってる。 -
24.1.13~1.28「上」の後半は一気に読めた。中国がこんな状態だったことは驚き。ユン・チアンさんが書いた毛沢東の本も読みたい。
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高校時代に夢中で読んだ本。
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すごいものを読んでしまった…という感覚。
中国のことを全然知らなかったので、今までの古典的な”中国”的イメージとは全く異なる印象を持った。
とんでもないスピードで中国は変化してるんだなぁと思った。
文化大革命から、発展途上(私が小学生の時の中国のイメージは低クオリティの、パクリ)を得て、今やビジネスで最も注目されてる(バイトダンスやSHEIN)。本当にすごい。
土地が大きいと統率者を求め、その統率者の能力がそのまま国に反映される。日本では想像出来ないフローだ。。
あと、途中から宗教だった
人間の醜い所と高貴な所、こんなにもリアルに描くことができるのかと驚く。
毛沢東側の視点も気になる。最初は本当に中国を救いたいと思ってたのかもしれない。どこでどう曲がっちゃったのか -
戦後中国の混乱を描いた作品。
人間の持つ権力への欲望を操ることで、人が人を疑い、お互いに監視しあう状況を作り出す異常な状況下、その中で生きた人々の記録である。
自分の信念を貫き通した人、生きるために信念まで隷属されることを許容した人、信念を犯されていることにさえ気づかず、他人を殺める人。
当時の世情のなかで生きた人を一律に批判することはできないが、ただ一つ言えることは、人間の弱みにつけ込んでコントロールしようとする人間を許してはならない。 -
日本では当たり前の権利、主張が通らない苦悩。今の中国でも民主化された方なんだな。まだまだだけど。