- Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062820073
作品紹介・あらすじ
国を挙げて熱病に罹った如くバブルつぶしに狂奔した日本。待っていたのは悲惨なデフレだった。用意周到にバブルとデフレを制御したアメリカとの好対照は、日本銀行とアメリカ連銀の違いだけなのか。ポピュリズム政治に撹乱される中央銀行家たちの苦悩の半世紀。
感想・レビュー・書評
-
単なる経済史ではなく、経済を通してみる世界史。
経済学の教科書読んで面白く感じない人でもこれは興味深く読めるはず!
名著です!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
貨幣制度を軸としたマクロ経済史。といったら身も蓋もない。一遍の長い歴史物語を読んでいるようで、まるで大河ドラマだった。
19世紀末から現代を、マクロ経済やケインズ経済学の理論を織り交ぜながら、貨幣制度の変遷とその当事者たちの考え、議論のポイント、政治経済情勢の背景まで視野に入れ、比較考察している。
なにより国際経済を舞台に生きた経済人たちの活き活きとした姿が伝わってくる。
しかし竹森さん、日本の経済人には手厳しい。
特に後半で登場するバブルつぶしに奔走した三重野日銀元総裁や橋本龍太郎、宮沢喜一など日本の「失われた10年(20年?)」=デフレ不況を生み出した、あるいは不況に無策だった当事者たちには筆致が厳しい。
なかでも宮沢喜一は後半の主役グリーンスパン元FRB議長と対を成す蔭の主役だ。
確かに宮沢は抜群の経済センスと先見性があった。一方で政治手腕とリーダーシップが欠如していた。このために彼は日本のデフレ不況を救うことができなかった。これが昭和恐慌によるデフレ不況を積極財政で救った高橋是清に宮沢がなれなかった理由だと指摘している。
90年代の日本のデフレ不況の件を読めば読むほど、これは経済問題より政治問題であり、政治が事態を複雑にし、不況を終わらせることを困難にしたということが分かる。
余談だが、リーマンショックによる世界金融危機を知っている現在から見れば、ここでのグリーンスパンへの評価は執筆時点が06年ということを考慮しても、いささか過大に過ぎるだろうか。もちろん結果論だけど。 -
この筆者の授業のテスト勉強で読んだけど長すぎて内容忘れた。単位来てますように。