2分の1成人式 (文学の扉)

  • 講談社
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本棚登録 : 166
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062832366

作品紹介・あらすじ

「2分の1成人式」は、成人の半分の年齢である10歳を迎えたことを記念するもので、近年では学校行事としてすっかり定着しています。
 この本は、「2分の1成人式」を題材にした初めての子ども向け小説です。
 小学4年生の女の子・ユメが、2分の1成人式をきっかけに、友達といっしょに悩みながらも、自分の将来のことなどを初めて考えるようすを軽やかに描きます。小学中~高学年向けの読者にとって身近な題材で、楽しく読めるお話です。
 スタジオジブリでアニメーターとして活動していた、スタジオコロリド・新井陽次郎氏のキャラクターデザインも魅力的。

(あらすじ)
 小学4年生の桐谷ユメは、勉強も、習い事のスイミングも、そんなにとくいじゃない。大好きなものは、アニメの「魔法少女マリン」だけど、はずかしくて友達には言いづらい。低学年のころは、なんでも楽しかったのに、なんだかつかれる毎日だ。しかも、誕生日では、同じクラスののぞみくんとケーキを取りちがえてしまい、「マリン」のケーキを見られるという、はずかしい事件も……。
 そんなとき、学校で「2分の1成人式 文集ノート」がくばられた。「未来の予定表」「将来のゆめ」「二十才の自分へ」なんて、なにを書いたらいいんだろう? 二十才の自分なんて、想像できないよ……。
 こまっていたユメは、公園でのぞみくんにばったり会う。のぞみくんは、お母さんがいないので、「十年間の自分史」がうめられなくてこまっていたのだった。ユメは、のぞみくんの過去を思い出す手つだいをしながら、自分のこともよく見えるようになってきて--。

感想・レビュー・書評

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  • 4年生におすすめでとても読みやすい。今って参観日に合わせて2分の1成人式をするくらいメジャーなイベント。夢がない主人公のユメちゃんは、2分の1成人式の作文が進まない。ひょんなことからクラスメイトののぞみくんと作文に関する話をしていくうちに…

  • 2分の1成人式の授業をきっかけに、過去を遡ったり未来を想像したり。
    11歳の娘は面白かった、っていうけど、赤ちゃんの頃の記憶を辿りに病院に行くか?と疑問だったし、幼稚園の頃から一緒の友達の誕生日(しかも同じ日!)を知らないとかあるかなー?って思ったり。10歳の女の子のリアルが中途半端な気がしたなー。

  • 4年生には、超オススメ!これははずせない!(^ω^)

  • 魔法少女マリンみたいになりたいと文集ノートに書こうとユメが思ったところがすごい!がんばれ!と思いました。

  • 2/1成人向けで自分と比べて読んでみたらとっても楽しかったです

  • 娘が学校の図書室で借りてきた本がすごく良くて、一気読みしてしまいました。
    10歳の女の子ゆめが主人公。ひとりっこでかわいいアニメが好きでぬいぐるみが好きで、ちょっとうちの娘と重なる。
    小学生の生活はけっこう大変。学校で勉強して係や掃除当番やって、色んな子がいて、お友達にも気を使って、習い事にも行って。
    あぁそうなんだな、毎日がんばってるんだなって思いました。
    色んな現実が見えてきて、自信をなくしてきたゆめ。そんな時に2/1成人式の自分史や作文の宿題が出ます。
    10歳ってすごく変化する頃。10年前は赤ちゃん、10年後には成人するわけで。大人の10年とはわけがちがう。
    のぞみくんと仲良くなって、少しずつ色んなことを前向きに考え始めるゆめは、素敵な作文を完成させます。のぞみくんも。
    ゆめの描かれ方が本当に等身大の女の子で、マンガ的でも文学的でもなく、心にすっと入ってきます。
    のぞみくんも本当にいい子で、ちょっと厳しそうに思えた担任の先生も実は素敵で、とっても良かった。
    あまりに良くて読みながらちょっと涙が出てしまったほどです。
    笑顔はナチュラルキラー細胞って話も良かったな。だめって言ってると本当にだめになってしまうからって。
    読んでこちらも前向きになるような、元気と清々しさを与えてくれるお話でした。出会えて良かった。児童書ですが、おすすめ。
    初めての作家さんだったけど、素直で心に染み入る素敵な文章でした。

  • 10歳は成人式をする20歳の半分。
    二分の一成人式。最近きくようになった言葉だ。

    二分の一成人式をすることになり、宿題で自分の年表と将来の夢を書かなければならなくなったユメちゃんが、自分と向き合っていく様子を描いた作品。

    魔法少女になりたいというのが子供っぽいことを気にしていたユメちゃんが、同級生ののぞみくんと話していくうちに成長していくのがとても可愛らしい。

    挿絵がスタジオコロリドの方なので、アニメっぽい印象はあるものの、作品の雰囲気と合っているので、世界を想像しやすかった。

    ユメちゃんとのぞみくんのやり取りにほんのり甘酸っぱい気持ちにもなれる、優しい本だった。

  • ちょっと少女マンガちっくなところがちらほら。
    でも最近の小学生は大人だから、こんな感じなのだろうか…
    自分が小4の時はどうだったかな?と思い出しながら読みました。

  •  10才の誕生日を迎えたユメ。ケーキ屋さんの間違いから、同じクラスの男の子のぞみも同じ誕生日だと知る。「二分の一成人式文集ノート」を書くことになり、「十年間の自分史」は書き上げたけれども、「将来の予定表」や「将来のゆめ」がどうしても書けず・・・。

  • 4年生になって、友だちが少しずつ大人っぽくなってきていることにあせりを感じているユメは、アニメ「魔法少女マリン」のことがまだ好きなことを秘密にしている。

    「2分の1成人式」をむかえるにあたって、将来の夢の作文に何を書いて良いかわからないユメ。
    マリンちゃんになりたい、なんて恥ずかしくて絶対に書けない!

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。作品に、第5回創作絵本コンテスト文部科学大臣奨励賞受賞作の『あたし いいこなの』(岩崎書店)、第40回児童文芸新人賞受賞作の『宇宙のはてから宝物』(こみねゆら絵、文研出版)、『ラブ・ウール100%』(のだよしこ絵、フレーベル館)、『3人のパパとぼくたちの夏』(宮尾和孝絵)、『2分の1成人式』(新井陽次郎絵)、『おしごとのおはなし 保育士 なないろランドのたからもの』(山西ゲンイチ絵、以上講談社)、「11歳のバースデー」シリーズ(イシヤマアズサ絵、くもん出版)がある。

「2022年 『おはなしSDGs 質の高い教育をみんなに 未来のハッピースクール計画!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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