花物語 (講談社BOX)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062837712

感想・レビュー・書評

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  • 神原視点。
    なんか、シリーズ登場人物の中で、一番常識から遠いところにいそうなキャラクターだったのに、本人視点ではとても常識的。
    環境によるってことですか?(^^;
    これは、一言で言えば可哀想な話ってことなのかな。どちらにとっても。
    なんとはいっても、もの悲しいところのあるすっぱめな青春小説でしたね。
    ちょっと、西尾らしくない気もするけど。(^^;

  • 阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎ、羽川翼の卒業後、
    高校三年生に進級した神原駿河。
    直江津高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、
    “願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった……。

    「化物語」シリーズ新章第3弾。
    今回は、神原駿河の物語。
    4/17読了。

    「猫物語 白」では羽川翼について、
    「傾物語」では八九寺真宵について、
    それぞれの「区切り」となるようなエピソードを描いてきて、
    今度は神原駿河である。
    本作では、「猫物語 白」での羽川と同様に神原自身が語り部を務める。

    これまでのところ、神原のイメージといえば
    「エロ」「百合」「マゾ」「BL好き」などであり、
    色気とはおよそ程遠いところにいるくせに
    彼女はエロキャラという位置づけだった。
    なので、彼女の一人称小説はヤバいのでは?
    ということを以前冗談で考えたことがあるが、
    それが実現した形となる本作は、
    当然といえば当然だが、発禁になるほどヤバい内容ではない。

    実はそのあたりのこと、
    「自分の考える『自分』と他人から見た『自分』のズレ」
    といったあたりも本作のテーマのひとつとなっている。

    もともと、登場人物のキャラクター性で引っ張っているシリーズであり
    読者の期待するところも当然そのあたりになってくるわけだが、
    そういった点では本作はやや物足りないものとなっている。

    上記のように、神原はこれまでの作品で披露してきたような
    底抜けのアホさやマニアックなエロネタをほとんど見せないし、
    シリーズキャラクターもほぼ登場せず、
    そのためシリーズ最大の魅力である
    掛け合いの面白さは、本作では味わえない。

    どことなく憂鬱な雰囲気を終始漂わせていることもあり、
    多くの読者が不満に感じてしまう作品かもしれない。

    だが、個人的にはこれはこれで結構好きである。
    確かに、シリーズの中では異色作であるだろうけれども。

    「成長」と「それに伴う迷いや悩みや葛藤」がテーマである本作は
    そのテーマゆえにあえてこのような雰囲気の作品にしたのだろう。
    卒業したとはいえ死別したわけではないし連絡手段もあるのだから
    暦や戦場ヶ原をもっと登場させることもできたはずだが
    それをあえてしなかったところに本作の肝があるはずだ。

    シリーズの特色であるにぎやかさを切り捨ててまで
    テーマを描くことに徹した作品であるが、それは概ね成功だと思う。
    はっきりした答えなどない、というより
    はっきりした答えなど与えてはいけない問題であるから
    本作のような形で描いたことは、それはそれで“正解”なのだ。

    というわけで、個人的には評価したい作品です。
    愉快な掛け合いを堪能したいという気持ちもありましたが、
    思いもよらぬ方向から別の満足を届けていただいた感じ。

    「囮物語」もスケジュールどおりの刊行、よろしくお願いします。

  • 神原のネタが安定して面白い

  • すべては最後の一言「青春をしたんだ」に集約されるのだと感じた。
    前半はなんだか重いのですよね。このシリーズにしては珍しくページを繰るのが遅くなった、というか重かった。
    そこへ来て主人公の登場シーンは、凄まじくコントラストがついた、拍子抜けというか間の抜けたというかほのぼのな登場。この先がバタバタ駆け足なのですが、このコントラストがいい感じに締めてくれたなあ、なんて思いました。
    人間なんていろいろあるよ、隣の芝は青いし、自分がどんな人間かなんて受け取る側の人の分だけあるし、っていうことですかね。青春を過ぎて大人になっても悩んだりするときはありますよ。
    前2作が良かったので、相対評価は落ちてしまうのは致し方なし。でもまあ、前半が重い分、ラストは良い感じで、読み終わってみればこういうのもアリ。

  • シリーズの中でも落ち着いた巻だと思う。いつもの会話や言葉遊びが少ない。

  • 駿河がすごくまっすぐで
    真正面からぶつかっていく強さが素敵。

    阿良々木先輩は
    駿河とつるむと先輩らしくていい。

    阿良々木が語り部じゃないと
    話がどんどん進んで読みやすい(笑)

  • 神原さんは語り部にならない方がいいと思った。

  • 語り部が神原駿河だったんだけど、
    これまでの神原とはちょっと違うような。
    アララギ君がいるから、あそこまで面白い神原になるのか。
    神原=おもしろいやつ、というのは
    1面からしか見てない神原なのかもしれない、というようは
    あくまでの神原の1面だった、ってだけだ。
    西尾維新の作品を読むと、妙に納得できるというか
    「わかるわー」って思う句や表現が多かったりして
    それは、僕が作者と同じ思考とか、そんなおこがましいものなんかじゃなく
    ほとんどの人間がもつ人間らしいものなのかもしれない。
    今まで見てきた神原と、今作品の神原とのギャップに
    正直、戸惑ったし、猫物語(白)の羽川さんのときだってそうだ。
    人間の性格が1つの形容詞、1つの言葉で表現できるわけがない。
    あらゆるものを含んだのが、含むものが人間なんだろうから。
    そういう意味では、自称自己嫌悪の塊である自分の中にも
    良いところがあると思うと、すこしニヤけちゃうよね。
    そんなことするから、自己嫌悪するのに…。

  • 神原駿河さんのお話。彼女の語りと主観で進行してます。

    個人的にはちょっと違和感でしょうか。
    もっとおバカでいて欲しかった。

  • 3.3点くらい

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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