- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062870108
作品紹介・あらすじ
「東京スカイツリー」「東京縄文人」につづく、著者の東京シリーズ第3弾は、東京大空襲にまつわるドキュメンタリー作品です。
東京大空襲では、約280機のB29が32万発とも言われる焼夷弾を落として東京を焼き尽くし、およそ10万人もの市民を無差別殺戮しました。広島、長崎への原爆投下による死亡者数が12万人、7万人ですから、ほぼ同等の被害ということもできます。
5人の空襲体験者の証言は、胸に深く訴えます。なんといってもこの証言を、小中学生の読者には読んでほしいです。
焼夷弾の兵器としての残忍さ、当時の小中学生の学校や家での暮らし、疎開先の様子にまで話を広げます。
おじいちゃんおばあちゃんですら戦争を知らない世代となった今日、この本の存在意義は小さくないといえそうです。
感想・レビュー・書評
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東京大空襲について、自分は知らな過ぎると感じた。辛い過去の体験を語り継ぐ活動をされている方々に敬意を表したい。
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日本での戦争といえば、広島・長崎の原爆や沖縄戦がまず浮かぶ。しかしこれだけではない。日本各地での空襲では多くの民間人が死んでいた。
本書では、その中でも特に被害が大きかった東京大空襲を取り上げ、体験談と調査結果が細かく記されている。
体験を語ってくれている人は当時、子どもや学生だった。中には、産まれたときから戦争をしていたという人もいる。そして誰もが、この体験を思い出したくない、語りたくないと言っている。それでも後世に残さなければいけないという想いで語ってくれている。 -
名前程度しか知らない東京大空襲。実際は民間人を焼き払うための作戦だったなんて。蒸し焼きにされた人、真っ黒に炭化してしまった人、折り重なって死んで人型のシミになってしまった人…数字で見ると現実味がないのに、一人一人の証言になるとなんと生々しいのか。だからこそ、生き残った人の話を聞く価値はある。歴史を繰り返さないためにも。
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「東京スカイツリー」「東京縄文人」につづく、著者の東京シリーズ第3弾は、東京大空襲にまつわるドキュメンタリー作品です。
東京大空襲では、約280機のB29が32万発とも言われる焼夷弾を落として東京を焼き尽くし、およそ10万人もの市民を無差別殺戮しました。広島、長崎への原爆投下による死亡者数が12万人、7万人ですから、ほぼ同等の被害ということもできます。5人の空襲体験者の証言は、胸に深く訴えます。なんといってもこの証言を、小中学生の読者には読んでほしいです。
焼夷弾の兵器としての残忍さ、当時の小中学生の学校や家での暮らし、疎開先の様子にまで話を広げます。おじいちゃんおばあちゃんですら戦争を知らない世代となった今日、この本の存在意義は小さくないといえそうです。 -
東京への大空襲は合計で100回ほどあったこと、焼夷弾の構造、富山大空襲は焼失率が史上最大だったことなど、戦争の色々な細かいところを知れて良かった。同時にものすごい怖さを感じた。
サイパン島、テニアン島のマリアナ諸島への侵略が防げていればとか、「タラレバ」がどうしても出てきてしまう。過去に日本へこんな大虐殺が起きていたことを若い人は知らないといけないと思う。 -
広島や長崎の原爆の話は、聞いたことがある人も多いと思う。けれども、東京大空襲についての話を聞くことは少ないように思う。
今回、この本を読んで、自分が今生活している東京で、原爆が落ちた広島のような出来事があったなんて、信じられなかった。このような話は、少なくとも東京に住んでいる子どもには、全員知っておいてほしいと感じた。 -
【戦争の話】小学高学年からおすすめ、写真を交えながら、戦争のむごさ、悲惨さを伝えています
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もう時間がないのですね。
あの戦争の生存者も、今ではもう生存者ではなくなってしまっている。
語り継ぐ作業、記録として残していく作業はまさに今が正念場なのでしょう。
生存者が口をそろえて言うことは「戦争はだめです」ということ。
いろんな意見があったとしても、体験し、生き残った人たちの、素直な気持ちはその一言なのでしょう。
ところどころに当時の写真を入れて、生存者の証言を元にお話が構成されています。
小学校高学年なら十分に読みこなせるだと思います。 -
明治座の扉を開けると、マネキンがぎっしりつまっていた。それは、熱風で髪も衣服もなくなってしまった、人間だった。そんな光景を幼いころに見たら、一体どういう感情が沸き起こるのだろう。戦争の悲惨さを体験した人が沢山いるのに、それでもなくならない戦争。