- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879033
作品紹介・あらすじ
元判事の大学教授が「赤紙」から逃れる方法を伝授。恐怖の悪法を徹底解剖。
感想・レビュー・書評
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尊敬する教授の最新刊。裁判員制度を徹底糾弾してます。同制度に批判的な立場からの意見を理解するには最適の書。
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言いたいことは伝わった。
裁判員制度は天下の悪法である。
もう少し文章が面白くかけていればいいのだが。 -
裁判員制度発足以前の2007年に出版された制度への批判的の書である。裁判員制度にはデメリットがあまりにも多く実施すべきではないという意見だ。
制度上の問題点を多方面から並べ、素人に人を裁くのは無理だと主張する。くじ引きで被告人の生死が決まったり、裁判員の生活に甚大な影響が及ぶことが法律上も許されないというのだ。
2009年に始まった裁判員制度も10年目を迎えようとしている。この間にも凶悪事件に対する裁判は幾つもあったが、裁判員はどのように振る舞ったのであろうか。 -
今年から始まる裁判員制度について書かれている本。とはいっても、単に裁判員制度を解説している訳ではなく、裁判員制度の問題点を明らかにしようとしている。
本書を読むと、裁判員制度が如何にひどいものかが理解できる。本制度のネガティブな側面を針小棒大に誇張していると感じられる部分があることは否定できないが、それを差し引いても、何故このような制度が成立してしまったのか理解できない。
3年後の見直しで廃止されることを願うし、それまで裁判員候補者に選ばれないことを祈る。 -
社会
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私は、当時大学生。
いつの間にか決まっていたと他人事だった気がする。
国民1億人。自分が、当たる確率なんて低いに決まっている。そうたかをくくっていた。今も、そんな感覚が心の片隅であぐらをかいている。
私は、皆が望んだから改正されたのかと思っていた。
しかし、本書は違うという。
私は、これが司法制度の改善につながるものと思っていた。
しかし、これも本書は違うという。
では、なぜ導入されたのか。
第2章で、著者は会議の中で生まれた妥協の産物だと述べる。
うーん、日本らしいという感覚。
しかし、ホントにそうなのだろうか。
元・当事者の身(著者)からすれば、これまでの仕事が否定されているようなのか。
法務省のホームページによれば、新しい制度だからこれから必要に応じて直さなきゃいけないと言いながら修正の兆しはない。
今後に期待か。
本書出版後、第3章以降の一部は最高裁で争われ憲法違反ではない、とされたらしい。
著者は納得し難いか。
ここのところ、専門家と呼ばれるものが軽視されている気がする。
少数のミスが原因となった信頼が失われる。
個人の問題と職業全体の問題が混同されてはいないだろうか。
自分にとってのキーワード
陪審制
参審制
司法制度改革審議会 -
裁判員制度の問題点、実施された際に懸念されることをまとめた一冊。少々極端だと思うことはたまにあったけど、著者のおっしゃることは一理あると思う。しかしこの本はあくまで実際の裁判員裁判が開始される前に書かれたものなので、実際に行われた結果と照らし合わせる必要は感じた。また、賛成派の意見が書かれた本も読みたいと思う。
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(2015.05.08読了)(2013.09.24購入)
裁判員制度は、平成21(2009)年5月21日に開始されました。今年で6年経過したことになります。
この本は、裁判員制度が始まる前に、裁判員制度がいかにいい加減で、いかに国民に負担ばかりかける制度かを訴えて、実施見送りにしてもらおうとした目的で書かれたようです。
目的が達成されず、もう6年も続けられていることになります。
新聞などをみると、裁判員を経験して、心に深い傷を受けた、と裁判に訴えている方も、中にはいるようですので、筆者の訴えていることは、当たっている部分もあるようです。
ふだんの生活のなかでは、悲惨な現場写真などを見ることはないでしょうし、他人の運命をきめてしまうような判決に加わるという負担・責任を負わなければならないという重圧、等、経験したことのないことを経験し、心に傷を負ってしまうということはあると思います。
一般の人が、裁判に加わることによって、誤審を減らそうという目的で導入されたようですが、一般社会人が加わるためには、長期にわたる裁判は、難しいということで、なるべき裁判の日数を減らそうと、丁寧な裁判ができなくなるということもあります。
選ばれた裁判員にとっては、交通費・日当をもらって、本の世界でしか知らない裁判の現場に立ち会い、判決に加わるという経験をすることができるという側面もあります。
著者は、最悪の場合を想定しながら、導入を見送るか、導入しても早急に廃止すべきだといっていますが、実態としては、著者が危惧したほどのことは、あまりないのではないでしょうか?
国民の70人に一人は、裁判員を経験することになるという試算もありますので、小学校の二クラスに一人ぐらいの割で、経験者になりそうです。
宝くじよりは、はるかに当選確率は高いものです。心の準備をしておいてください。
【目次】
まえがき
第1章 裁判員制度とはどのようなものか
第2章 裁判員制度はどのようにしてできたのか
第3章 無用な制度―誰も求めていないのに
第4章 違法な制度―憲法軽視の恐怖
第5章 粗雑な制度―粗雑司法の発想
第6章 不安な制度―真相究明は不可能に
第7章 過酷な制度―犯罪被害者へのダブルパンチ
第8章 迷惑な制度―裁判員になるとこんな目に遭う!
第9章 この「現代の赤紙」から逃れるには―国民の立場から
終章 いま、本当に考えるべきこと
ブックガイド
あとがき
●世論調査(64頁)
時事通信社の世論調査によれば、裁判員制度は必要だと答えた人の割合は、2003年、2004年、2005年にそれぞれ49.7%、39.9%、33.6%だったのに対して、不要だと答えた人の割合は、それぞれ上と同じ年において、23.4%、34.6%、40.9%となっていました。周知が進むほど国民に嫌われる制度というのも困ったものです。
●憲法違反(80頁)
憲法は、裁判所や裁判官に関する規定はいくつか有しているものの、参審(陪審も同じ)に関する条文をまったく有していません。
●旅費・日当(142頁)
裁判員法によれば、裁判員選任のために呼び出されたたくさんの裁判員候補者にも旅費、日当を支払うことになっています。
全国ではいったいどれほどになるでしょうか。一日当たりにならすと、少なくとも毎日数百万円ずつの国費が費消されることになるのは間違いのないところでしょう。
●苦労(161頁)
裁判員の苦労の一つは、公判に立ち会って、証人尋問を聞くことです。これは公判に出席し、毎回五時間あまり裁判員席に端座していれば済むことではありますが、それまでの自分とはまったく縁のない世界、関心を持たずに済んできた異質な世界に無理やり引きずりこまれ、まるで興味を持てないような議論に巻き込まれるというのは、普通の国民にとっては決して楽しいことではありません。
(事件に興味・関心を持てない人と言うのは、割合として少ないのではないでしょうか?)
●裁判員に選ばれる人(223頁)
定年退職者、失業者・無職者などのほか、もの珍しさから一度体験してみようかといういわば軽率な人、日当目当ての人、気が弱くて裁判員を免れきれなかった人などが考えられます。
(体験者にアンケートで聞ける内容でないのが残念です。軽率な人ですか、とか、日当目当てですかとか。)
☆関連図書(既読)
「犯罪と刑罰」ベッカリーア著・風早八十二訳、岩波文庫、1938.11.01
「裁判員法」船山泰範・平野節子著、ナツメ社、2008.06.09
「裁判員のための刑事法入門」前田雅英著、東京大学出版会、2009.05.15
「裁判長!おもいっきり悩んでもいいすか」北尾トロ・村木一郎著、文藝春秋、2009.05.15
「ぼくに死刑と言えるのか」北尾トロ著、鉄人社、2009.07.30
「きみが選んだ死刑のスイッチ」森達也著、理論社、2009.05.21
「殺人者たちの午後」トニー・パーカー著・沢木耕太郎訳、飛鳥新社、2009.10.20
「あなたが裁く!「罪と罰」から「1Q84」まで」森炎著、日本経済新聞出版社、2010.11.05
(2015年5月10日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
元判事の大学教授が「赤紙」から逃れる方法を伝授。恐怖の悪法を徹底解剖。 -
論理的でないし、屁理屈の連続で読むのキツいです。これもですが、反対派の本をちょいと読むと制度を赤紙、徴兵制に例えるのが多くて、ジェネレーションギャップですかね。 多分施行前に出されたと思うんですが、裁判員に選ばれた場合に、どういうことを任されて、どれくらい費用、時間がかかるのかなどについて詳しく書かれていたので、それだけにもったいない持論展開。
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自分が思って板状に栽培院制度の欠陥が浮き彫りになった。
言い方が一方的にすぎるので愉快な気持ちにはならないかな。