- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880053
作品紹介・あらすじ
「時間を超えた逆転劇」、それが、冴えない始祖、ユーグ・カペーが頭の中で描いていたことなのか?「名ばかりの王」から300年の時を経て、ローマ教皇、神聖ローマ皇帝と並ぶ権力者としてヨーロッパに君臨するまでの物語。
感想・レビュー・書評
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世間様がTOKYO 2020に沸いている最中、なんかピンぼけな…我ながら気のきかないセレクトだわと思いつつ、中世フランスを漂う今日この頃。せめてツール・ド・フランスの期間に読めば良かったー。
中々産まれた子が成人するまで生きられない、かつ、平均寿命も現代よりうんと短かった中世。最晩年期を除いて直系男子で15代、連綿と続いて来たってのが何よりもすごいと思うぞ。さ、続きはヴァロワ朝。百年戦争だ〜。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フランク王国が三分割された後のメロヴィング朝、カロリング朝の西フランク王国の宮宰だったロベール家から987年に誕生したカペー朝。ただ成り立ちはカロリング朝の後継が途絶えたからで、実力でなったわけではなく、そもそもカペーという言葉自体意味は合羽。初代国王ユーグ・カペーはカッパのユーグ。であり、若年で王位に就いた。王家は弱く、自分の代に息子を共同統治者として引き上げることを続けてなんとか王朝の継続性を保った。そもそもカペー朝時代は、アンジュー公、アキテーヌ公、ブルターニュ公、ノルマンディー公が同じくらいの領地を持っており、海の向こうにはノルマンディー公が征服することになるイングランドが有り、東は神聖ローマ帝国もあり、ただの弱小国家であった。ただ断絶することなく地道に征服婚姻を通じて領地を拡大していったが、最後は短い治世が連続し、係累のヴァロワ朝に移行することになる。
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フランス王国 カペー朝の通史。フランス王国が一地方勢力から欧州の強国へと成長していく過程が分かりやすく書かれていて、入門書として優秀だと思う。
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カペー朝の歴史についてユーモラスに描いている。この時期の歴史、特に政治史についてはわかりやすく説明した本が少ないので、貴重である。
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名ばかりのフランス王位に実力を与えた王朝の物語。教科書クラスの名君の活躍の足場を作った、日陰の王たちの話は目新しく面白かった。続編になるであろうヴァロワ朝も楽しみ。
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おもしろい。フランス王朝を紀伝体(王ごとの年代記)で描く歴史書。皇帝と教皇と王、フランス王とイングランド王の関係このあたりは学校では習わなかったなー。
(世界史専攻でないからか。)領土イコール封土なのですね。そして、アキテーヌ公、アンジュー伯だから、イングランド王をフランス王が介入できるのですね。いろいろ目からウロコ。
日本では平安〜鎌倉時代というところ。全く別世界ながら、似たような状況だったりする(保元の乱や鎌倉の霜月騒動なんかを思い出す。)のからおもしろい。そして、続きが気になる。 -
面白かった!ユーグ・カペーから始まった簒奪王朝が、代を重ねる毎に実力と品格を備えていく一代記。読み応えが素晴らしく、学校の世界史では学べない細かな出来事や魅力的な登場人物を知ることが出来た。
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「今から逆算すると、フランスはカペー朝から始まった」と言えるのだろうが、
よくぞこの「自称 王」から始まって国家になれたものだなあと。
ただし、カペー朝は「創業」だけでその役割を終える。
ここから先に行くには、もはや「ファミリービジネス」では続かないのだ。(いや、相対的にはファミリービジネスの域を超えていたからこそ、ここまでこれたのだが、ここから先の段階に進むには、更なる組織化が必要不可欠)
東フランク王国が、神聖ローマ帝国となり、ドイツ統一は遅れた。
中央フランク王国は、教皇庁の強い影響なのか、やはりイタリア統一は遅れた。
西フランク王国が、混乱の中からいち早く統一国家への道を歩んだのはとても興味深い。
その秘密の一端に触れることが出来たが、続きはヴァロア朝へ -
王は凡庸、周りの敵は華麗にして巨大。
絢爛と呼ぶにはあまりにもささやかなフランス王家物語の幕がいまあがる。
正直なところ、「カペー朝」がどの時代に属するのかが分かっていなかったし、具体的なことは何ひとつ知りませんでした。
領土からいえば、現在のフランス共和国の原型ともいえるのでしょうかね。
英仏百年戦争が勃発したのもカペー朝の時代だし、なかなか興味深い時代の1冊です。
フランスといえば『ベルバラ』から入った私にとって、とても貴重な1冊でした。